次の日、呼ばれた国達は病院のエントランスに集まっていた。
リル「ウルの意識が戻ったって…!本当ですか⁈」
ハート国に呼ばれ、駆けつけた国達は皆目を輝かせていた。
またウルの瞳を見れる。また話せる。また笑い合える。そんなことが顔に書いてあるようだった。
ハート「っ…それが…そんなに喜べなさそうっす…」
連絡をしたハート国の声は、震えていた。
私も、そう思っていた。そう言いたげに。
ハート「…見てもらったら分かるっす。全員で行きましょうっす。」
ウル、いや。
…「ウルじゃない誰かがいる、ウルの病室に。」
…病室の中は、外の暑さが嘘のように冷え切っていた。
それは、冷房が効いているのか、この空気のせいか。
?????「…貴様ら…一体誰だ?」
ハラン「は…、?じょ、冗談でしょうウル?」
ウルの筈なのだ。目の前にいる、白い眼帯をつけ青い軍服を着た
狼の耳を持つこの国は。
?????「ウル…、?私のことか…?」
イフル「おい…嘘だろ…なぁ…w泣」
誰だ。私たちの前にいる、この国は。
クロウ「…名前、教えて下さい。私たちの、気のせいかもしれないから…、!!」
?????「名前か…?別に構わんぞ。私は…
その国が口を開いた瞬間、閉めていた窓とドアから冷たい風が、
気のせいか赤い色を纏いながら強く吹き込んできた。
パルフィ「なに…これ⁈」
インジョア「風…なぜ急に⁈」
リル「ッッウル!!」
思わず腕で目を隠すほどの風の中、
国達は彼の名前を呼んだ。
だが、目の前にいる彼は、あの優しい蒼い狼ではなかった。
シェディア「…シェディア・ウルフアイ征服軍だが?」
黒い眼帯に、白い牙がよく映える、
真っ赤な瞳をした狼だった。
シェディア「…私に何が起きていたのだ?」
シェディア「ウルだとか…確かにその字は私に入っているがそんな名前で呼ばれるほどの仲ではないはずだろう?」
…目の前の赤い狼は首を傾げた。
右耳に付けた、金のピアスがキラリと光る。
…記憶喪失だ。その場にいた国は皆理解した。
ハート「は、は…これだけ人数がいれば…もしかしたらと思ったんっすけどね…ッッッ泣」
かつて、蒼い狼を想い続けた優しいウサギは、
崩れ落ちながら泣き笑いの顔をした。
第二章 記憶喪失、赤い狼。
コメント
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もう…妄想内の震えた声で言うイフルのセリフが入ってさ…もうッリアルでグヴヴヴア"ア"ア"ア"ッッて気持ち悪過ぎる鳴き声が出た(( そうだよなあ…ハートちゃんがいッッちばん辛いよなあ…何しろ夫だもんなあ…((俺が泣く。 二章までの運びが天才すぎる、まじで、やばい、黒桃さんは本当に大変素晴らしいセンスの塊。
第二章…?!やばい楽しみすぎて更に寝不足なっちゃう(?) ウワァァァァァァァァァシェディア君に無理やりハートちゃんとの婚約届け書かせなきゃ…(?)
参加できないけど見るだけでも気になる! (OC資料室で非公開キャラのプロフィール投稿した…)