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[体温]
真理を祓う際ktmの身体に真理が入り込んでしまい、拒否反応で体調を崩しまくる話
⚠すくみ ktm愛され
⚠悪夢(ほんのり死ネタ)
【注意】
・既存の方のお名前をお借りしておりますが、御本人様とは一切関係ありません。
・全ての配信・ボイスを追えているわけでは無い+最近界隈入りした新参者です。それ故に少々キャラの口調や言動が合わない際があると思います
・捏造を含んでおります
・恥ずかしくなったら消します
「あ”〜〜〜〜っ、クッソ…」
発熱で赤くなり、熱特有の倦怠感と節々の痛みその他諸々で全く眠れずクマが出来た自身の顔を見て、頭をかきながら呟いた。
事の発端はちょうど3日前あたり。
昨日の依頼は全然なんともない真理だった、ハズだったのだが。中々に珍しいタイプで、物以外にも乗り移る事が出来る真理だったことを見破れなかったのが敗因だったと思う
気配が無くなったので師匠の式神に任務の成果を伝えていた最中に、ぐわっと視界が歪んたかと思えば、ぐるぐる、ぐるぐる。と身体の奥が気持ち悪くなって……
次起きた時は寝室だった
と思えば師匠にシバかれた。
どうやら師匠が何とかしてくれたらしく、もう真理は俺の体に居ないらしい……のだが。
真理は人間から産まれたとはいえ、根源は呪いや憎しみ、信仰や殺意だったり。人間が一気に受け止めるには難しく、まだその副作用が残っているらしい
しかもこれが2日近くも続き…今に至る。
「配信…………」
酷い倦怠感と嫌悪感が身体の中を渦巻いていて、立ち上がるのも辛いのに…配信なんてやれそうにもない。
Xに配信を暫く休む趣旨の事を呟いて、スマホを落とした。
あの時自分が油断しなければ、あの時、あの時、あの時!
「っくそ!!はぁ……」
真理が一度出入りしたからか、酷く物事をマイナスに捉えるようになっている
それを真理のせいだと割り切りたいのだが、たまに本心を紛れさせてるのがタチが悪い
そんな時、ピンポーンと家のチャイムが鳴った
立ち上がりたくない。誰なんだ、ダルい、ダルい。
いや、んな事思っても意味無いから。
自分の中で渦巻く悪い感情達全てを押し潰し、ヨロヨロと歩き玄関を開けた
「きたみ〜ん体調だいじょ…ってえ!?顔色悪過ぎでしょ!」
「……ほんまや 、遊征、顔真っ青やし隈はあるし…寝れてないん」
「はは…意外とヘーキ。寝れば治るよ意外と」
「嘘つかないでよ。寝れてないからクマ出来てんでしょ」
客は同期の二人だった。ビニール袋にスポーツドリンクの類のロゴが見え、見舞いに来たのだと直感的に分かった。けれど、迷惑をかける訳にはいかない。2人も仕事がある
誤魔化そうと思い口を開けばネスに嘘だと即答されて何も言えず苦笑いしか出なかった
そんな俺下手?嘘つくの
「…ま、いいか。はいはい、体調悪いきたみんさんは寝室行きましょうね〜」
「そやね、わしが持ってくと、ネスは冷えピタ任せた」
「りょーかい」
「ちょ、待てよ!っげほっ…へ、」
いきなり部屋に乗り込もうとする二人を止めようと大声を出すが効果ナシ。なんなら咳出たしなんならネスはもう不法侵入済み。
だったら、と魁を押し返そうとするがめまいでフラッと身体が前に倒れた…と思ったら、魁に支えられ、いつの間にか横抱きされていた
「…前よりやつれてる。っというか身体熱すぎん?」
「なん…あ〜…う〜」
「なんやその反応」
横抱き、横抱き?
疑問を抱いてなんで俺お姫様抱っこされてんのとか俺重いだろなんて聞きたかったが、魁の心配そうに眉を下げている表情を見たら聞く気が失せた。なんなら俵抱きより体制が楽なことに気が付いて、シゴデキ…!なんてときめいた。ぜったい言わないけど。
とか思ってたらベットに優しく落とされた
「ぅ」
「ネス〜、お粥と冷えピタ〜」
「やだなあ〜。人のことを使用人扱いしないで貰えますかねえ!」
「使用人やろ」
「バレた」
軽口を叩き合ってる所を数日前に見てたハズなのに、酷く懐かしく感じて心が温まった気がした
「あ、遊征、お粥食える?」
「あ〜、ちょっとなら多分」
「食欲がないきたみんなんて椅子じゃないコッシ○ーじゃん。大丈夫?」
「お前俺のことなんだと思ってんの」
ふは、と魁が吹き出したのが見えて、ああ、なんかいいな。なんて。倦怠感が少し紛れたような。
やっぱり同期っていいなあって珍しく前向きな思考が出てきた事に喜びを感じ、お粥を口に含んで、二人と談笑を楽しんだ
案外、体調が悪化していた理由は孤独感だったのかもしれない
「なんか顔色良くなった?」
「そやねえ、一回寝とき。今日わしら休み取ったからまあご飯とか作っておくわ」
「…おう!ありがとな」
寝たくない。なんて。
けれど、これ以上二人負担をかける訳にはいかない。
ゆっくり、目を閉じた
『お前は生きてる』
『いいな』
『いいな』
『いいな』
また、この夢かと落胆する
真理が出来たキッカケの出来事や人物の感情が、全て脳内に流れ込む
だから2日間寝れなくてクマが出来た
けれど、今回は何かが違った
「あ、魁、ネス?」
目の前には魁とネス、このパターンは初めてだった。普段は知らない人の、知らない記憶を見たり自分が何回も死ぬだけなのに。いや普段も相当辛いけど
目の前の魁とネスは、ゆっくりこちらを見て微笑んだ後、
口の端から血を流し、その後すぐ倒れた
「はっ ?」
理解にしばらく時間がかかった
「っおい!かい、ねす!!!」
急いで駆け寄って、揺さぶる、起きない。
ああ、そうだ、脈を計らないと。じゃなきゃ生存確認なんて出来ない
冷たい
意味が分からなかった。さっきまで笑っていたのに。頬を叩いたら痛くて、生暖かい血が自分からも流れていて、痛くて、痛い。二人は、じゃあ死んだのか?
「い、いやだ。」
いやだ、いやだいやだ
俺が傷つくのはいいんだよ、けど、二人を傷つけるのは違うじゃんか
真理の、現在は概念だけの存在を探すが何処にもいない。ああ、師匠が祓ったからか。もう、消えたじゃないか、何がしたいんだ!
同期の死体、妙にリアルな冷たさ。酷く、脳裏に刻まれた
「っはあっ、はっ、はっ」
見上げれば自分の寝室の天井、夢だったのだとわかる。けれど不安で堪らなくて、身体の不調を忘れ布団から飛び出そうとすれば、必然的に崩れ落ちてドガッと凄い音を立てた
「ぁ、っはっはっっねす、かい…」
そんなことも気にせず床を這いずるように移動すれば、異変を察知した二人が血相変えて寝室の扉を開けた
「きたみん!どうしたの。」
「…っはっ、はっ、」
「遊征、ゆっくり呼吸し。わしに合わせて」
ネスが背中をさすり、魁が呼吸のスピードを教えてくれたことで段々と正気に戻ってきた。
生きている、暖かい。
そう感じだけで、情けないとは思うが涙が出てきた。大粒の、大量に。
それを見た二人はギョッとした顔をした
「きたみん、どうしたの?…」
「うん、話せそうであれば話して欲しい」
「あ…はは…いや。実は体調崩してんの、真理の、せいで……悪夢をよく見んだけど…なんか、ネスと魁が、目の前で死ぬ夢見て、冷たくて不安になった…
はは、なんか、情けねえな」
無意識にくしゃっとに笑って見せた。クマもひでえし目下赤いし我ながら相当酷い顔だったと思う。だが、二人は顔を見合せ、その後俺の腕を引っ張りこう言った
「よし!じゃあ一緒に寝るか!」
「はあっ?マジで言っ!これシングルベッドだぞ!」
「あ、そこ? 」
「成人男性三人だと狭そうやなあ、でも、これで遊征も僕らが生きてるって分かるし、悪夢もしも見たら退治してあげるわ」
「そ〜そ〜!俺ら大好きで寂しがり屋なきたみんの為の特別オプションね!」
流れるように俺を中心にしてベッドに寝転んだ。ちょっと意味わかんないけど、夢の冷たさが嘘のように、暖かくて、優しさが柔らかかった。
「キッツ」
「何の罰ゲームだよ」
「待って!!俺壁側だからこれ以上寄ったら死んじゃう!!潰れる!!」
「僕もベッドから落ちるから言ってるんよ!!遊征もっと縮こまって!」
「バカ言うな!」
その日、悪夢は見なかった。