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桃side
受け持ちの患者たちの様子を見終わり、3日前から保護室で過ごす恋人の赤の様子を見に行く。


赤『ゔぅぁッッ!』


桃『赤、』


そこには情緒を保てず寄生のような声をあげ地べたにうずくまる赤が居た。


最近は調子がすこぶる悪く ベットからわざと落ちたり、泣き叫び続けたりと、常に監視が必要だと3日前に判断して保護室へ移動した。


桃『赤、俺の事わかる?』


赤『ぅ゙あ゙ッ、うぅ゙~!』


幻聴と幻覚が酷いようで俺が声をかけると混乱して目と耳を塞いでしまった。


夜の分の薬を飲ませようと鍵を開け赤に近寄る。


桃『赤~、薬飲もうな』


赤『ッゔぅ!』


個包装された使い切りの液状な薬を赤の口にぴゅっと入れる。


赤『んッ、うぁっ!』


ぼろぼろと涙を流して俺に抱きついてきた。


桃『俺の事わかる?』


赤『ゔぅーッ!』


桃『そっかそっか、辛いなぁ』


桃『生きてて偉いな、赤』


上手く言葉が出ていないがきっと分かってるのだろう。


他の先生や看護師に聞くと抱きつくのは俺だけらしい。


抱きつく赤を抱きしめ頭を撫でているとさっきまで暴れていた赤から寝息が聞こえてきた。


状態改善の為に強めの薬を飲ませているからだろう。


床に寝かしてそっと鍵を閉め部屋からでた。




深夜2時、仮眠室に入ろうと白衣を脱ごうとした時、PHSが鳴った。


桃『はい、桃紗です。』


看『保護室の05号室で自傷が酷いため先生の対応をお願いします』


桃『わかりました、すぐ向かいます』



保護室へ付き中を除くと ガン ッ!! ガンッ!と音を立てて頭を床に叩きつける赤が居た。


鍵を開け中へ入る。


赤『ぅ゙ゔッッ!…あ゙ぁ!』


赤の周りには髪の毛の抜け毛がぱらぱらと落ちていて、腕を見ると掻きむしりによって内出血していた。


桃『しんどいな、』


これ以上自傷をしてしまえば赤の体はボロボロになってしまう。


PHSを取り出し看護師へ拘束の道具を持ってくるよう伝えた。


桃『赤、大丈夫だからな~』


聞こえてるのか聞こえてないのか分からないが声掛けを欠かさず赤をなだめる。


看『遅くなりました!』


拘束器具と保護室で固定する時にしか使わないベッドを運んできた看護師が入りやすいように鍵を開け、赤が暴れないよう強めに抱きしめた。


桃『入り終わったら一人だけ外から鍵閉めてー』


看『閉めました!』


赤を一度解放してベッドを定位置に置く。


ベッドが動かないよう固定してよりスムーズに拘束が出来るように準備をする。


その間も赤はずっと自傷をしていた。


桃『よし、赤おいで』


赤『ぃ゙や゙ぁ゙ッ!ゔぅ!』


赤を抱きベッドの上に寝かす。


俺が抑えてる間に腹と手首を器具で固定してもらう。


なるべく赤の負担にならないよう最低限の場所を拘束する。


赤『ゔぅ゙!!!』


桃『ここ3日間まともにご飯食べてないんだよな…』


看『そうですね、食べれてないです』


桃『この状態で栄養剤打つわ』


看『用意してきます』


数分後、戻ってきた看護師から栄養剤を貰った。


拘束されギシギシと音を鳴らして体を動かす赤にルートを取り点滴をはじめた。


桃『あとは俺が対応するから2人とも戻っていいよ』


看『わかりました!』


看護師達が帰っていきもう一度赤を見る。


赤『ゔぅ!!!ぎゃ゙ぁ゙ッッ!』


桃『赤大丈夫だよ、』


とんっ、とんっ、と優しく叩くと涙は流れ続けるが心做しか表情が柔らかくなった気がした。


赤『ぅ゙ゔ…ッ!…ぅ、ッ』


桃『疲れたでしょ、寝ちゃいな。』


数分、声をかけて体を触っているとだいぶ落ち着いてくれた。


赤に必要なのは間違えなく愛情。


薬では直せず、人の温もりで直せる事だってある。


俺は患者さん一人一人に必要な処置と愛情を込めて接していきたいと再度 心で思った。




ただ苦しんでる赤くんが支えられてる物語が書きたかっただけです続きません🥺

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