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…完全にやらかした。そもそもカクテルはお酒だ。まぁ酒豪である佐藤からすればジュースとさほど変わらないのだろうが。酒に弱い俺からすればまさに毒。
と、横で寝息が聞こえる。
佐藤ではないか。昨日の服のまま、椅子に腰掛けなんとも気持ちよさそうな顔をして眠っている。
黙っていれば綺麗な人なんだけどな、と半ば失礼なことを考えつつ佐藤のさらさらの黒髪に触れる。
上田「…無防備だな〜、」
実家の弟に似ている、と思った。もちろん顔は佐藤の方が良いとはいえ、色白で泣きぼくろがあるところがそっくりだ。
佐藤「んんーーー、、、、」
起きたのだろうか。
上田「先輩、おはようございます。朝ですよ」
佐藤「かんだ、起きるの早いね、?」
上田「先輩が遅いだけだと思います」
呂律が回っていない。どうやら朝に弱いタイプらしい。
佐藤「寝てて良いよ、僕が朝食用意する」
上田「俺も手伝いま…」
佐藤「いいよ、少しは後輩にいいところ見せたいから」
そう言うと佐藤は、キッチンへと向かって行った。
とりあえず、今の状況を整理するとしよう。
まず、ゲイバーで佐藤に会いそのあと酔い潰れた。あ、そう言えば田中はどうなったのだろうか。
スマホを確認してみる。特に連絡は来ていないようだ。ケツは守れたのだろうか。
キッチンの方からいい匂いがする
佐藤「上田、食器とって」
どうやら朝食ができたようだ。
上田「これで大丈夫ですか?」
机の上に目玉焼きトーストが並べられる。シンプルな料理だが、とても美味しそうだ。
上田・佐藤「いただきます」
一口かじると口の中に淡いバターの風味が広がる。とても美味しい。佐藤の方を見ると、なぜかナイフでパンを切っていた。おぼっちゃまか?
上田「美味しい」
佐藤「口にあったようでよかった。実は料理振る舞うの初めてで。本当はもう少し凝ったものにすべきなんだろうけど」
初めてなのか。沢山料理を振る舞ってきたんだろうと勝手に予想していたが全然そんなことはなかった。
佐藤「なんかカップルみたいだな」
佐藤「…なんてね」
性格は置いといて佐藤ほどのルックスなら彼女の1人や2人いそうな気がするのだが。
それにしても尽くされてばかりではこちらも申し訳なく感じるので、
上田「もらってばっかじゃ申し訳ないんで、昼なんか奢ります」
断れられる覚悟でそんな提案をしてみた