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『お前はいらない子だ』
1人のたった1言を皮切りに、数々の罵詈雑言が自分に向かって飛んでくる。
中には『馬鹿』や『屑』など幼稚なものもあれば、『あの子とつるむな』という嫉妬混じりの言葉まで。
そうなったのも、全てこれが原因だ。
『お前のその尻尾と耳‥気持ち悪いんだよ!』
そう、俺には狐のような耳と尻尾がある。何故あるのか、どうやって生えてきたのかは不明だが‥気色悪いことには変わり無い。
ずっとこれを憎み続けた。
耳と尻尾があるからって、動物のように耳が良いとか嗅覚が良いとか、そんなの無いし。
『‥気持ち、悪い…っ』
人々のそんな言葉は気にしてなかったけど、よくつるんでくれていた彼女のその言葉が深く刺さった。
彼女の裏切りに、声が出なかった。
雪が降り積もっていたけれど、寒さなんて分からなかった。
『出ていって‥っ!』
人間なんて皆一緒だ。
自分の護身と欲を1番に優先して、他なんてどうでもいい。
よく森や山から動物が降りてくるのを危険視した村の長が、村の周りに囲いを作った。
外には降り積もる雪と数多の野生動物。
俺は何も持たずに村から追い出された。
いや、出たかったというのも少しあった。
確か、山の裏に人が住んでいる土地があるというのを聞いたことがある。そこに向かえば、一先ずは大丈夫だろうか。
野生動物はだいたい冬眠中だから、あまり目を向けなくていいと思うが…
膝まで埋まるほどの雪が1番の敵だった。
「はぁーっ…けほっ、さむ‥」
そりゃ、薄い服1枚じゃあこの雪には耐えられない。
足の感覚がない。
「っ‥けほっ、けほ…」
山の先に人の住む土地があるかどうかを確かめなくては。
しばらく歩いて、ようやく山の裏‥あの村とは反対側にこれた訳だが、人の気配が全くと言っていいほどない。
複数の民家の屋根に雪が積もり、ぎしぎしと不安になる音がなり始めている。
「くそ‥ここに居るのは無理か‥」
見える範囲じゃ人工物すら見えない。
…もう森に入るしかないか。
俺はすぐ近くの山に向かって走った。
(あとがきもどき)作者です。
初めてルビを振ってみましたが、ちゃんと反映されてますかね‥?
…さて、そのルビを振った「彼女」は一体誰なのでしょうか。
年明けまでにはもう1話以上出します‥!!!
追記∶見てみたら反映されてませんでした!!!なんで!?!?‥とりあえずルビは消しときました。