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髪を切ったあと、ぼくはメンズ服を初めて買いました。
初めてメンズ服を着たとき、
これだ、これが着たかったんだ
とすごく嬉しくて、安心したのを覚えています。
メンズ服を買った後、それまで来ていた女性の服を全部捨てました。
どんなにお気に入りだった服も、いつの間にか、ひどく気持ち悪いと思うようになっていました。
6年生の冬には、一人称を「俺」に変えました。
初めは、私の間にふざけるように
俺を使って、周囲にぼくが俺と言っている状況に慣れさせ、日常使いをしても、違和感をなくすように工夫をしました。
一人称を変えるとき、男性も私を使うことを知っていたので、変えないでおこうかとも思いましたが、なぜかすごく嫌で、
自分
という一人称を使っているときもありました。
今は堂々と、先生と話すときも、親と話すときも、友人と話すときも、
俺、ぼく、という一人称を使っています。
今も昔も、とにかく自分が
女だと思われるのも、
自分を女だと思うのも嫌なので、
まずは髪から、
次は服装、
その次は一人称、
と、言うように、少しずつ自分が女だと言う理由を消していきました。
自分のために頑張ろう、
自分のことを好きになりたい。
自分の意志を持って、自分らしく生きよう、
女としての人生じゃなくて、自分の人生を生きよう。
泣くのをやめよう、
強くなろう。
11歳では重すぎる、
人生初めての大きな決断でした。