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空が黒く染まっていた。魔導竜王が展開した巨大な魔法陣が、空一面を覆っている。
その規模は――
もはや一つの国を飲み込むほどだった。
地上ではミリアたちが空を見上げている。
「……あれ、全部魔法陣?」
ミリアの声が震える。
カイルが唖然とする。
「嘘だろ……」
レイナが静かに言った。
「終末魔法」
二人が彼女を見る。
「世界を滅ぼすための魔法よ」
終末魔法
空の中心。
魔導竜王が巨大な翼を広げていた。
闇の魔力が渦巻く。
「人間」
竜王の声が響く。
「よくここまで来た」
ユウキは黄金の翼を広げて浮かんでいる。
剣を握りしめる。
「ここで終わりだ」
竜王が低く笑った。
「そうだ」
巨大な魔法陣が回転する。
闇の魔力が収束していく。
「終わるのは」
竜王の目が赤く光る。
「世界の方だ」
魔法が完成する。
巨大な闇の太陽が空に生まれた。
ミリアが叫ぶ。
「大きすぎる!」
カイルが青ざめる。
「あんなの止められるのか!?」
レイナが言う。
「止められなければ」
空を見る。
「この国は消える」
ユウキの覚悟
空の中心。
ユウキは闇の太陽を見つめていた。
巨大すぎる力。
だが、恐怖はない。
頭に浮かぶのは――
仲間の顔。
ミリア。
カイル。
レイナ。
村の人々。
守りたい世界。
ユウキは小さく呟く。
「ここで終わらせる」
剣を握る。
魔剣グラムが光る。
声が聞こえる。
『主よ』
ユウキが答える。
「全部使う」
魔力が溢れる。
『よいのか』
グラムが問う。
『その力は――』
ユウキは笑った。
「問題ない」
空を見る。
「俺は一人じゃない」
仲間の想い
その時だった。
地上から声が届く。
「ユウキくーん!!」
ミリアだった。
両手を握りしめている。
「負けないで!」
カイルも叫ぶ。
「お前なら勝てる!」
レイナも目を閉じて祈る。
「信じてる」
その瞬間。
不思議なことが起きた。
ユウキの体の光が強くなる。
黄金の魔力がさらに膨れ上がった。
ユウキが驚く。
「……これは」
グラムが言う。
『人の想い』
『それは最も強い力だ』
ユウキは笑った。
「そうか」
剣を構える。
「じゃあ」
魔力を限界まで高める。
「全部まとめて使う」
竜神の最終奥義
黄金の光が空を覆う。
竜神覚醒の力が最大になる。
ユウキの背後に巨大な竜の幻影が現れた。
ミリアが叫ぶ。
「竜……!」
カイルが息を呑む。
「神竜だ……」
レイナが呟く。
「竜神の本当の力」
ユウキは剣を掲げた。
魔力が剣へ集中する。
空気が震える。
竜王が目を細めた。
「……その力」
ユウキが叫ぶ。
「魔導融合――」
魔力が爆発する。
「竜神終極斬!!」
巨大な黄金の斬撃が放たれた。
それはまるで
一匹の神竜だった。
世界を賭けた衝突
竜王も咆哮する。
「グォォォォォ!!」
闇の太陽が落ちる。
黄金の神竜が突進する。
二つの力がぶつかった。
その瞬間――
世界が止まった。
光と闇が激突する。
空が裂ける。
大地が震える。
巨大な爆発が起きた。
眩しい光が世界を覆う。
誰も目を開けていられなかった。
勝者
光が消えた。
空は静かだった。
ミリアが恐る恐る空を見る。
「……え?」
カイルも見上げる。
「竜王は……?」
そこには――
ユウキが立っていた。
空に浮かび、剣を握っている。
その目の前で。
魔導竜王の体が崩れていく。
竜王は静かに笑った。
「見事だ」
ユウキは息を切らしている。
竜王が言う。
「人間」
「名を聞こう」
ユウキは答えた。
「ユウキ」
竜王が頷く。
「覚えておこう」
体が光に変わる。
「強き魔剣士」
そして竜王は消えた。
戦いの終わり
空から闇が消えた。
雲が流れ、青空が戻る。
ミリアが叫ぶ。
「ユウキくん!!」
カイルが拳を上げる。
「勝ったぞ!」
レイナが微笑む。
「本当に……」
涙が溢れる。
「勝った」
ユウキは空からゆっくり降りてきた。
地面に着地する。
その瞬間。
ミリアが飛びついた。
「よかった!」
カイルも笑う。
「やるじゃねえか」
レイナが言う。
「世界を救った英雄ね」
ユウキは困ったように笑った。
「そんな大げさな」
だがその時。
ユウキの胸の紋章が光った。
グラムの声が響く。
『主よ』
ユウキが聞く。
「どうした?」
グラムは言った。
『竜王は終わった』
『だが――』
空の遠くを示す。
『真の戦いはこれからだ』
ユウキが空を見る。
遠くの空に
新しい闇の気配があった。