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#さのじん
さき
688
はる☻
4,727
まただ。「んっ、…ふ、ぅ…ッ」
太智はキスが好きなんだと思う。なんでかって、まず回数が馬鹿みたいに多い。そして1回火がつくととにかく長い。いやもうほんとに。誇張とかなしよ?なしでセックスの間ずーーーーーっとキスしてる。
なんなら同棲を始めた今、おはようのキスから始まり行ってきますのキスまでに何度か、帰ってきたらおかえりのキス、ご飯を用意したらありがとうのキス、お風呂から上がったらまたおかえりのキス、テレビを見てる時もCMの度にキスキスキスキス…。
キス、本当に好きなんだろうなぁ。
さすがに付き合い始めてすぐに気がついた。こいつ、キス好き過ぎる。滅。
セックスの間にあまりにもずーーーーーっとキスしてるから何度か酸欠で気を失いかけてその度に
「息継ぎの隙くらい寄越せ!」
と怒鳴り散らしてるのにへらへらにやにやと「ごめぇん」と謝るだけ。
こいつ本当にわかってんのか?いくら俺の肺活量がそこそこにあるからって受け身側の負担を考えるとお前が苦しいから口を離す時には俺は死にかけてんだよ!!
そして今日も、
「ぁ、いち…ッんむ、んッ…ち、ぁっだい、んッ…」
名前を呼ぶ隙すら与えないほどの深いキス。
結局最後までまともに意識を保ってなんていられなくて、今日も俺は太智からのキスに溺れる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「かんぱーい!!」
5人の休日が奇跡的に合った前日の夜、久しぶりに飲めるとなるとテンションがあがるのは仕方のないことで。
5人だけで集まっての飲み会にどんどんと飲酒のペースはあがっていく。
最初は勇斗の家で開催予定だった飲み会が最年少の
「じんだいの家行ってみたい!!」
というわがままを押し通されて我が家での開催となった。
前日に太智とデートがてら買い込んでいた多種にわたる酒の缶と瓶が空になって転がる。
空瓶と空缶が積み重なる高さと、一番酒に弱い最年長の頭の高さが反比例して沈んでいた。
「きょおもぉ〜…さいっっっっこうだったぜおまえらぁ…」
カスの語彙力でもなおメンバーへの愛の言葉が止まらない最年長の頭を、両隣から撫で宥める最年少組に哀れみの視線を向ける。
「勇斗はもうやめとけよ。お前弱いくせにバカスカ飲んでんじゃねぇよ。」
鹿児島仕込みの俺はそこそこに酒に強いため、こういう飲み会では割と最後まで正気を保てる方だった。
勇斗に次いで弱い太智は、飲むと眠たくなるタイプだから早々にローテーブルと仲良しになっている。
あぁ、よだれたらして寝てるわ。
人並み程度に強い年少コンビは
「勇ちゃんこれ帰れそ?」「無理じゃない?」「えー、家まで送るのめんどくさいしうち連れて帰ろうか?」「まじ?助かるー。」
などと冷静にやり取りをしている。どうやら泥酔したアホの最年長の引き取り手を担ってくれるようだ。ありがとう舜太。
「太智、太智。3人とももう帰るって。」
「ん、…ぅうん…」
「よだれやばいから拭きな、ほら…起きろって」
「じんとがふいてぇ…」
「はぁ…もー、しょうがねぇなぁ。こっち向いて、ほら。」
帰り支度を始めた年少コンビを横目に、未だ広がるよだれの池に顔を埋める太智を揺すり起こしてグダつく顔をティッシュで拭いてやる。
「へぇ〜、2人の時はそんな感じなんだ?」
あらかた拭き終えたあたりで頭上からからかうような声が降ってくる。
「こんくらい別にお前らがいる時もやってるし。俺にだけじゃねぇだろ。」
「照れてんの?」
「照れてねえよ!」
けらけらとほんのり赤く染った頬を緩めながら笑う柔太朗の肩を軽くどつきながら水分を含んだティッシュを丸めてゴミ箱へ投げ捨てる。
「ほら、立って。お前シャワー浴びないとベッド入りたくねぇんだろ?見送ったついでに風呂にぶち込んでやるから。」
「んん…、ぁえ?じん、とぉ…?」
「え?今更?お前今まで俺をなんだと認識してたんだよ。」
「じん、とやぁ…♡」
「へ?」
真っ赤な顔を嬉しそうに緩め、いつもより水分を多く含んだ瞳が近付いてきて、伏せられた。
「え」
「おぉ!」
「わお。」
三者三様。サッカー部が目を丸めてこちらを凝視するのを感じた。
「だい、ちッ、ん…まっ…ッて、んむ…ぅっ」
一度始まると中々終わらない。太智の悪癖。
抗議の声すらあげる隙を与えない太智からの愛。
熱く柔らかい熱を押し当てられるだけだった行為がどんどん深さを増していき、気が付けば俺は床に押し倒されていた。
絡まる指が両手を床に縫いつけて、マウントを取られた状態では筋力差のある俺達ではどう頑張ったって逆転なんてできなくて、無駄だとは分かっていながらも身体をねじって抵抗を試みる。
それがどうしてか太智には続きをねだっていると解釈されたようで鼻息だけで笑うと酒の匂いが強く残る舌で唇をねっとりと撫であげられる。
驚いた拍子につい軽く開いてしまった隙間から熱い舌がねじ込まれあっという間に口腔内を蹂躙される。
上顎を優しく撫でられるとつい腰が跳ねてしまい、また鼻息だけで笑われる。
酒を飲んだことによって鼻が詰まってしまっていた俺はだんだんと深くなる口付けに息が続かなくなっていき、太智の逞しい胸板をどんどんと叩くも、酔っ払った太智がそれを気に求めることはなくさらに深くなる。
酸欠と快楽から頭にモヤがかかり、じわりと滲む生理的な涙でさらに視界が歪む。
キスで死ぬとか…意味わからんて…。
意識が飛ぶ直前にようやく離された唇に、吸えるだけの空気を求めて肺を膨らませる。
「げほっ、はっ…ひゅッ…ぅ、だ、ぃち…ッおま、ふざ…ッげほっ」
文句のひとつでも言ってやろうと霞んだままの目でギッと睨み付けてやると
「…ッはは。かわえぇなぁ、じん。」
そこにはベッドでしか見ることのない、完全に捕食者の顔をした恋人がいた。
「ぇ、あ、だぃ、ち…あの、まっ…ッ」
再度迫り来る唇に、快楽で呼び起こされた身体は釘付けになる。
あと少しで重なる、その瞬間。
「うぅ…だいちぃ…じんとぉ…おまえらおとなになったなぁ…」
間抜けな声がピンク色に染まった空間に投げ出される。
一部始終をしっかり見ていた勇斗が酒の入ったアホの頭で馬鹿みたいな感想を出力したようだ。
このアホを皮切りに止まっていた時が動き出したかのようになぜか同様に首まで真っ赤に染ったままの舜太が
「だいちゃん!!!」
と太智に抱き着き、蛮行を止めてくれる一方
「これは俺らがいてもすんの?」
「…」
「照れてんの?」
「…照れてねぇよ!」
けらけらと柔く響く笑い声とともに、俺はまた柔太朗にからかわれていた。
コメント
1件
いやもう、これ、最高でした…! 太智のキス好きがエスカレートしてて、もうヤバいですね💙 特に酔っ払って人前で仁太を押し倒すとこ、あれは反則ですよ! だって恥ずかしいのに、なんかもう愛が重くて深くて、読んでるこっちまで息できなくなりそうでした。 それに周りのメンバー、特に柔太朗の「照れてんの?」が絶妙…。 最高の一話でした!