「何で雑渡さんが?」
伊作先輩がそういうと同時に、雑渡は俺の肩を組み右の肌を撫でた。
「っ!八左にさわるな!」
三郎が今までに見たこともない怖い顔で雑渡を睨んだ。
俺は雑渡の腕をはらう。
「俺はもう行くんで、ここは任せます。」
「あぁ。でもその前に、」
立ち止まり、雑渡を見る。
「必ず成し遂げて帰れ。陽魔。」
「……御意。」
鋭い瞳でそういった雑渡に、俺は口布を上げて道場をでた。
「……さて、」
八左ヱ門が出ていった入口を見ていると、雑渡が振り返った。
「君たちが聞きたいのは、未来で起きたこと。だったっけ?」
「っ!はい。何があったのか、教えてほしいです。」
雷蔵がそう言うと雑渡はその場に座り、私達に座るように促した。
「……どこから、話せばいいんだろね、」
目を伏せた雑渡は、静かに話し始めた。
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