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この間シャトレーゼのスイーツビュッフェに行ってきたんですけど、思ってたよりケーキが大きかったです。めっちゃ食べましたねww
そんなことより本編どうぞ!
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kg「今日は遅くなるので夕飯な結構です」
mb「了解致しました。それではハヤト様行ってらっしゃいませ」
“現人神”になってからつくづく思う。神は大変なのだと。
雨などの気候に悩まされている地域を助けに行くこと、怪我をした人を治すこと…あっちもこっちも仕事、仕事の繰り返し。神の仕事が尽きることはない。
だが、ここは違う。前と同じように“人間”に戻ったように過ごせるのだ。
kg「あと30分ほどなら許されますよね…」
現実から離れるようにそっと目を瞑る。しばらくしてと手元に違和感を感じて目を開くと人間ではない誰かがいた。
kg「あの…」
??「あ、すいません」
そう言いながら私の手元に花を置いていく。
彼は明らかに人間じゃない。
猫のような耳に尻尾。妖怪だろう。
kg「貴方、何しにきたんですか?」
??「稽古から逃げ出してきちゃったんでとりあえず花を摘みに」
kg「…貴方、名前は?」
??「んぇ?俺?俺は不破湊っす」
何と言うか…軽い。
着ている着物を見る限り結構、いやそれ以上に裕福な育ちだろう。そんな所の者がこれでいいのだろうか。
kg「私は加賀美ハヤトと申します。」
fw「加賀美ハヤト…どっかで聞いた気がするんやけどなぁ…」
何だっけと声を上げながら私の顔を覗き込んでくる。やがて大きな声を上げて笑顔になる。
fw「あ!現人神の加賀美ハヤトか!甲斐田が昔会ったって言ってた」
kg「甲斐田さんのこと知ってるんですか?」
fw「知ってるも何も…俺の子分すけど…」
確か異世界から来ているはずの甲斐田さんは私にあった時とても病んでいたような気がしたが…
kg「貴方が甲斐田さんを助けてくれたんですね」
fw「助けたって言うか、ここに来て歌を歌ってあげたらいつの間にか元気になってたんで」
そう言って笑う不破さんはどこか苦しそうだった。“淋しい”より“苦しい”が勝っている、そんな笑顔だった。
kg「帰らないんですか?」
fw「いやぁ、稽古から逃げ出したのは嘘じゃないんすけど、実は縁談の話がありまして…」
“縁談”と言うワードは人間の時も神になった今でも嫌と言うほど聞く。私の場合は何か口実を作って断る。だが、妖怪でそれも裕福な家の者なのだからきっと優しく育っただろう。特に女性には優しくと教えられているに違いない。断りづらいに決まっている。
kg「…私の下に来ませんか?」
fw「ぁえ?自分が何言ってるかわかって…わかってなきゃ言わないか…」
正直言うと自分が何を言っているのか理解できていない。咄嗟に口に出た言葉がこれだった。
焦っていたのだろうか。いつもならもう少し考えられたのに。
言ってしまった言葉は取り消せない。このままどうにかして話を進めなくては…
kg「私も縁談の話にはよく悩まされています。私は神と言う仕事上、断る口実は星の数ほどあります。でも貴方は違う。きっと貴方は“誰にでも、特に女性には優しくしなさい”と言われ続けてきたのでしょう?」
fw「…でも誰にでも優しくなんて俺には無理…」
不破さんの声が少しずつ震えていく。下を巻続ける不破さんをいつの間にか抱きしめていた。
kg「貴方は優しさによって少し自由を奪われてしまった。これからは貴方の自由でいい。苦しくない自分なりの生き方をすればいいんです。」
腕の中から小さな啜り泣く声が聞こえる。
fw「俺ッ、ホントに自由に生きていいのッ?」
kg「ええ。貴方はもう何にも縛られなくていい。貴方が正解だと思う道を行けばいいんです」
fw「俺が正解だと思う道…」
そう言って不破さんが立ち上がる。そして私の方を向いて嬉しそうな顔で微笑んだ。
fw「明日またここに来てください。貴方に俺の正解教えてあげるので」
kg「ふふっ、わかりました。」
fw「じゃ、また明日!」
kg「はい、また明日」
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mb「今日は随分と嬉しそうですね?」
kg「ええ、昨日とある方と約束したんです」
mb「そうですか。私達はハヤト様が幸せになる事が一番の願いですので。それではハヤト様、行ってらっしゃいませ」
いつもより軽い足取りで約束の場所へと向かう。
彼はもうその場にいて、その隣に見覚えのある顔を見つけた。
kg「お待たせしました。甲斐田さんもお久しぶりですね」
hr「ハヤト様!お久しぶりです」
甲斐田さんと軽く挨拶を交わしてから不破さんと向き合う。
不破さんが急に抱きついてくる。そして大きく息を吸って話し出した。
fw「俺の正解は貴方の下へ行くことです!」
予想外の返事に声も出ないでいると甲斐田さんがそっと耳打ちをしてくれた。
hr「不破さんの“これ”は嫁いでもいいよの合図です」
嫁いでもいいと言う言葉にさらに声が出なくなる。
kg「…じゃあ少し待ってください」
そう言って近くにあった1番綺麗な花を手に取って不破さんの前で膝をつく。
kg「これからの人生を私の隣で共に歩んでくれますか?」
fw「ッ!はいッ!」
この日初めて知った気持ち。
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お話が急展開すぎる気がしますが許してくださいッ!今の僕にはこれが限界だったんです…。
今回も読んで頂きありがとうございました!次回もお楽しみに!