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「私、死神だよ?」
「………」
は?
「…いや…え??」
「え?だから死神だよって……あれ?りるるちゃんが聞いたんだよ?」
いや、確かにそうだけど。
普通隠さない??なんでそんなあっさりと…
「私の的はりるるちゃんじゃないからね〜」
まるで心を読んだかのように先輩は言った。
的?やっぱりよく分からない。
「じゃ、じゃあ3回目の時にみなが居なかったのも、4回目の時に先輩が待ち伏せしてたのも…」
「そ!死神だから時間の流れに逆らえんの!」
先輩が笑顔でピースした。
「いやいや……何言ってんのか全く分かんないんですけど??って言うか的って何なんですか??僕が的じゃないならなんで先輩は僕に漬け込んで…」
「…それはいつか分かるよ。」
先輩の顔が、少し曇った。
「さ、りるるちゃんはりるるちゃんの使命を全うしなきゃ。私にも的がある。その人の行動を監視しないといけないから。じゃあね!」
「あ、待っ…」
結局、何も分からなかった。
大体何かが起こった時には、スマホにメモしておく。
スケジュール帳にメモをすると輪廻した時に消えてしまうけれど、スマホだけは何故かデータが残っているみたいだ。
でも今回だけは、メモする気も起きなかった。
「居ない…」
部室に居るのは、僕と部長、他の部員だけ。
先輩の姿は、何処にも見当たらない。
さっき言われた事を整理して……って、整理しようがないか。
今日の放課後はどうやって回避しようか。
ぶつぶつ言いながら階段を上っていると、誰かにぶつかった。
「あ…」
身体が斜めって、下に落ちて行く。
死にそうになった時ってスローモーションになるって言うけど、本当にそうなんだな。
だったら今まで殺された時にどうしてならなかったのか、って話だけど。
なんて事を考えてると、その人が僕の腕を掴んだ。
「すみません、大丈夫ですか?」
目の前にいたのは、背が高くて、全身黒っぽくて、色白で…
まるで「死神」だ。
「あ、す、すみません。大丈夫です。」
男の人にお礼を言って、僕は教室に戻った。
席について、スマホを開く。今までメモしてきた物を朝にいつも見る。
「…え?」
思わず声が出た。
画面に映っていたのは、真っ白な画面。
データが消えていた。
ご丁寧に、輪廻し始めた時からのメモだけが。
「……」
色んな事が起こりすぎて逆に笑えて来る。
「りるるおっはよー!」
「まるさ、今日早めに帰ろ。」
そして、放課後。
両手に景品の入った袋を抱えたまる。
それにぐちぐち言うみな。
その会話を前で聞く僕。
僕は少しも会話にまじらない。まじりたくなかった。
今はただ、先輩と死神について考えたい。
動画では、あの男を『死神』と言っていた。
そこまではいい。
『夢で見た人間は死に至る。』
問題はここだ。
確かに、僕は何度も死んで来た。
でも、基本的に狙われているのはまるとみなの2人だ。
2人が何も言ってこないって事はきっと、2人の夢には出て来ていない。
ならどうして、僕に?
「…まさか。」
「まる?!」
呟いた瞬間、みなの呼ぶ声と、トラックのクラクションが聞こえた。
まるが轢かれてしまう。
僕は咄嗟に手を伸ばして、まるに向かって飛び出した。
その映像が、僕にはスローモーションで見えた。
―グシャ。
まるの呼ぶ声が聞こえる。
身体が熱い。轢かれたか。
(あぁ、またやり直しか…もう嫌だな…)
……あれ……意識が…
今までと感覚が違う…
「……あ……そうか……」
輪廻終了の条件に僕は入っていない……
―。
「次の的はどうします?」
「……そうだな……あの二人だ。」
「…あの二人って…悪趣味ですね。人が守り抜いた人を死に追い込むなんて。まぁ、私に拒否権なんて無いか。」
「お前は葉咲みなを。私は夢咲まるを的にする。」
「御意。」
(君が失くなる夢を見た・[完]。)