コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
しばらくして、息子さんと会う場が整えられて、会社からそう遠くはないレストランで初対面を迎えた──。
「改まって会うのは久しぶりだな、秀司。今日は彼女も一緒なんだが、構わないだろうか?」
「ええ、構わないですから。三ッ塚さんでしたよね」
「はい、はじめまして。イラストレーターをしています。三ッ塚 鈴です」
頭を下げて自己紹介をすると、目の前に名刺が差し出された。
「はじめまして、こちらこそです。僕は、蓮水 秀司と言います。イラストの方はよくお見掛けしていたんですが、直接お会いする機会がなかなかなくて、改めてよろしくお願いします」
立ち居振る舞いが柔らかな印象の息子さんは、爽やかな美青年といった感じで、血の繋がりはないながら親子揃って美形で、二人が並んで座るとレストラン内でもよく目を引いた。
息子の秀司さんの方は、淡い色をしたピンキッシュグレーのスーツに、シルバーのネクタイを合わせていて、蓮水さんは深い色合いのワインブラックのスーツに、同系色のワインカラーのネクタイ姿で、
どちらもHASUMI独特の色合いを品良く着こなしていて、さながらカタログモデルのようだった──。