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「・・・エウリが・・・“人々に困難に立ち向かえる力を与えるモノ”?」
そうすまない先生はこぼす。すると、
「君たちが記憶を失ったのは、“狂った彼女”を止めようとしたからだろ?」
その風夜の問いかけに、エックスとライトは渋々頷いた。
「ど、どういうこと!?狂った!?エウリが!?どういうこと!?ちゃんと分かるように説明してよ!!」
「すまない先生!」
混乱しているすまない先生を宥めるブラック。それに、風夜はクスッと笑う。
「すまない先生、エウリのこと、そんなに心配なんだね。いやぁ、いいねぇ、人間の「恋路」ってのは」
と、風夜はケラケラ笑いながらそうおちょくる。すると、
「いや、そりゃ心配・・・“恋”???」
すまない先生が突然ピタリと止まる。それに皆首を傾げた。
「え?・・・すまない先生って、エウリさんのこと好きなんじゃないの?」
「す、好き????」
「え、てっきり私もすまない先生はエウリさんのこと好きなのかと思ってたんですけど、だって、すまない先生、エウリさん見る時の目が凄く優しそうな目でしたけど・・・」
「え、え、え???」
すまない先生は茹でダコ並に顔を真っ赤にさせた。
「い、いや、そりゃ、エウリの傍は凄く落ち着くし、エウリは凄い美人だし・・・一緒にいるとものすごく楽しくて・・・え、これって、恋ってやつ???え、いや、本や動画で見たことあるけど、まさか自分がその恋というものになるのは・・・え????」
「すまない先生、落ち着いて下さい、1回深呼吸してください」
突然ノンブレスで話し始めるすまない先生を慌ててなだめた。
「とりあえず、“恋”云々は置いときまして・・・風夜、その“狂った”とはどういうことですか?」
すると、ライトが話し始めた。
「・・・あいつは、心優しい子なんだ。花が大好きな、優しい子。だが、あいつは“人々に困難に立ち向かえる力を与えるモノ”・・・人に困難を与え、それに立ち向かえる力を与える力を持っているんだ。・・・だが、その力は、彼女には重すぎた」
と、ライトは語る。
人々が堕落しないために、困難を与え立ち向かう力を与える。
そのために、彼女は人々に“困難”を与える。
それは、大災害や、スタンピードなどといった災害や魔物の大量発生を起こさなければならない。
だが、優しすぎる彼女には、それは重く段々と壊れかけていく。
人々は彼女を責めた。例え人のためにしたとしても、人が堕落しないためだとしても、人々は彼女を責めた、責めて、責めて、責めて・・・
「・・・彼女は、“嘆きの泥”に侵された。嘆きの泥は人の悲しみや苦しみ、怒りや憎しみによって現れる。それで、彼女はその“困難”を与える能力と“嘆きの泥”が融合し、“泥のモンスター”が生まれた」
「そして、余達は彼女を止めるために戦った。だが、余とライトは戦う力は彼女より低いんだ。元々、余は戦うことを教える専門、で、ライトは武器を作る力を教える専門だ。・・・彼女にトドメを刺すことが出来ず、余とライトは倒れた。そして、記憶まで無くしたのだ」
と、エックスとライトは話した。記憶喪失となったのは、エウリと戦ったからだったなのだ。
「・・・僕は、エウリを“止めたい”」
そうすまない先生はこぼした。
「・・・彼女は“嘆きの泥”に汚染されて、まともじゃないんだよ。下手すれば、君が泥に汚染されるかもよ?不老不死だとしても、それの激痛を一生味わうことになるよ?」
そう風夜が聞く。すると、すまない先生は答えた。
「・・・そうだね、でも、1番苦しんでるのはエウリなんだよ。そんな彼女をほっとくことなんて僕には出来ない。」
そうすまない先生は答えた。それに、風夜ははぁとため息ついた。
「分かった。いいよ、でも、“泥”には気をつけてね。人間だと手足が動けなくなるかもしれないし、不老不死だとしても、動けなくなるか、激痛が起こるかもしれないから」
と、風夜はそう忠告した。
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