控室に戻ると、華はロッカーの前に立ったまま、両手を強く握りしめた。
「……また、失敗した」
小さな声が震える。
必死に頑張っているつもりなのに、気づけば律に迷惑をかけてばかりだ。
(お客様の前で……律さんに代わりに謝らせてしまった……)
悔しさと情けなさが胸に押し寄せ、目の奥がじんわり熱くなる。
制服の袖で拭おうとしたが、頬を伝う涙は止まらなかった。
「どうして……私ばっかり……」
声にならない嗚咽が、静かな控室に滲んでいった。
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