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忘れない恋
「転校生の海原葵です」
私、花野美愛、中3
今日はなんと、転校生がやってきたんです
しかも席が隣!
「よろしくね」
「海原君、だよね」
海原、葵…
「ねぇ、私達どこかで会った?」
「…ううん」
じゃぁ勘違いかぁ
「海原君、授業大丈夫?」
「うん」
「良かったぁ!不安じゃないか心配した」
「やっぱり、覚えてないんだ」
二人きりの教室、声が響く
「ま、そっか。消されたもんね」
「?」
「この資料、みる?」
〇〇〇〇年
花野美愛の記憶を消す
「……!?」
「君は4年前…小5くらいかな?」
「うん」
「僕は君の幼なじみ」
「え…」
「君は病気にかかって、一部記憶を消さなきゃだったんだ」
「そう、なの」
「うん。それで、君は僕のことを完全に忘れた」
「!!私、今、覚えたから!絶対、忘れない」
海原君、私、本当に忘れない
「ごめん。それは君にできない」
「何で!?」
「薬の副作用。四年ごとに記憶を新しくしなきゃなんだ」
「そんな…!」
「多分…今日、忘れちゃう」
「私…!!」
「今日、僕はいないことになる」
「海原君」
「だから、…また新しい記憶で頑張れ」
「私」
海原君…!
「きお…く」
「…きた」
「うみはら…く」
「喋るな」
「わた…し」
「喋るな」
「す…き」
「美愛」
「だから…わすれなぃ」
「美愛、俺もだよ」
「ぅ…」
「だから最後にさ、せめて」
私は、ここで、眠りについた。
「行てきま!」
今日も1日頑張るぞ
「美愛…」
「ん?」
「覚えてないもんな。もう」
「あ、海原葵君?」
「え」
「えへっ、何となーく」
「…正解」
「でしょ」
「記憶、消えてなかったのか」
「正解」
「何で」
何でだろ。でも、何となく
「葵君との恋が、忘れられなかったから!」
「!!」
この恋は、絶対忘れない。
「……!美愛」
「返事、いえてなかったね。聞きたい?」
「うん」
「私も、好き!」
私の記憶が、どんなに消えても
葵君は、絶対忘れない
そんな、恋になったから