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rdside :
ガタン ゴトン …
人が少ない電車。人見知りな彼女にとってきっと嬉しいことだろう。
『ん…』
「眠いでしょ」
『いや 大丈夫だよ』
「いいよ肩のせて」
『ありがとう』
乗り物系はだいたい寝てしまうそう。
肩に頭をのせてくれるのが嬉しいし何より寝顔が可愛い。
最近は疲れてただろうし寝れているかも不安。
『らっだぁ….?』
「ん?」
『手繋ぐ…』
「かわいい 笑 、 いいよ」
手の繋ぎ方は言わなくても分かる。
彼女の手は俺と違って温かく 俺の心も同時に暖めてくれるような気がした。
『らっだぁ』
「どーした? 」
『ううん、たのしみだね』
そのまま彼女は眠りについた。
俺の横で寝ている彼女から聞こえる寝息は規則正しく聞こえて心のどこかで安心している。
俺より小さい身体で時には俺より大きなものを抱えているのだから本当にすごいと思う。
すきだよ
一緒に大学に行って
一緒にご飯食べて
二人で色んなとこ行って
そんな日々が俺は好きだった。
「起きて」
「着いたよ」
「ぺいんと〜〜」
らっだぁの声で目が覚める。
天気が良くて陽の光で目が潰れてしまいそうになる。
『らぁ … おはよ』
「先ホテル行って荷物置いていこっか」
『うん』
俺の分の荷物も持ってくれている。
自分で持つよ なんて言ってみたけど案の定スパッと断られてしまった。
「すみません」
( はい 、 ご予約のお客様でしょうか
「そうです ぺいんと で予約してます」
( ぺいんと様 お待ちしてました
( こちらが鍵です
「11階…ですか? 」
( そうです
「ありがとうございます」
( ごゆっくりお過ごしください。
『なんで俺の名前で予約してるんだよ 笑』
「え〜? いいじゃーん」
『いいけど!! 笑』
「今日水族館行く?」
『んー ゆっくりみたいし明日行こう?』
「俺も思った そうしよ」
『パワースポットたのしみ〜!!』
2人で部屋に入る。
その景色は今までに見たことがないくらい綺麗な景色だった。
『すご …』
「来てよかったね」
『ほんとにね』
必要最低限の物だけ持って俺らはホテルを出た。
らっだぁが俺が寝てる間にパワースポットまでの行き方を調べてくれていたみたいで迷うことなく着いた。
『わざわざ調べてくれてありがとう』
「全然だよ 笑」
「お腹空かない? あそこのカフェ行こうよ」
レトロな雰囲気を醸し出しているカフェでランチを食べてから回ることにした。
俺はハンバーグ 彼女はエビフライが乗ったカレー。
『おいしい!!』
「ね 笑」
口いっぱいに入れてにこにこしながら食べてるのを見るとこっちも笑ってしまう。
『ハンバーグも食べたいなぁ…?』
「いいよ1口あげる笑」
『へへ やったぁ』
「どう?」
『おいしい!! …どうって 笑』
「俺が作った感やばいね 笑」
『ほんとに 笑』
『あーおいしかった!!』
「また来ようね」
『うん!! 絶対くる』
「じゃあメイン行きますか」
『いぇーい!!』
「あそこじゃない?」
『絶対そうじゃん!!』
『風船いっぱい飛んでる!!』
そこには専用の紙とペン そしてカラフルな風船がセットであった。
俺は青 彼女は黄色の風船を選んだ。
『なんて書こうかな〜〜』
「俺は決めてるけどね」
『何書くの?!』
「ひみつ 笑」
本当は何も決めてない。
願い事なんて叶わないと思っていたから。
ぺいんとは何書くんだろ
『ん〜 あ!!きめた!!』
なんて言うから横目で見てみる。
どうせ空から〜〜が降ってきますようにとかファンタジーなお願いなんだろうな 笑
“ 何があってもこれからもらっだぁとずっとずっと一緒にいる!! ”
少し日本語がおかしいけどそこも彼女らしかったし何より俺との事を書いてくれてるのが何よりも嬉しかった。
直接思いを伝えられるのが少なくたって構わない。俺は時々彼女から見れるこういった行動が好きだから。
俺もペンを持って彼女に見られないように少し警戒しながら紙の上を滑らせた。
“ 彼女の願いが叶いますように ”
俺らしくて少しつまらない願い事だろうか。
でも俺は彼女の願いが叶ってくれると俺だってすごく嬉しいことだし。
ぺいんとに見られないうちに紙を小さく折って風船の中に入れた。
『何書いたの?』
「教えないよ」
『なんでー!!』
「ぺいんとは何書いたの?」
『えッ … あー … 俺ぇ?』
「なんで動揺してんの 笑」
「教えてよ」
『えっと…』
『エビフライ沢山食べれますようにって!!』
顔を真っ赤にしてそう嘘つくところも可愛い。
ぺいんとって嘘わかりやすいんだよなぁ。
こういうところが俺は好き。
「そっか 笑」
「俺はぺいんとの事書いたけどなぁ…」
『なッ… /』
「俺だけかぁ…悲しいなぁ…?」
『…俺もッ 、/』
「うん?」
『俺も…らだのこと、書いたし。/』
ほら。すぐ本音出てくる。
目合わせてほしいけどそんなこと言ったら1週間口聞いてくれないだろうし黙っておくことにした。
「ありがとう 笑 」
「叶うといいね」
『叶うし!!!』
「そうだね 笑」
『はやく飛ばしに行く!! /』
「はいはい 笑」
風船の中に紙を入れて準備が整った。
『行くよ!?』
『せーのッ!!』
俺らの風船は真っ直ぐ空へ飛んで行った。
空にいる神様が叶えてくださるんだって。
俺は神に願わなくてもぺいんとを今後離すつもりなんて一切ないのだけど。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡ 1000 💬 2
コメント
3件
らっだぁはぺんちゃんにだけ甘いな…!!スマート過ぎる彼氏め、!✨💕相変わらず嘘をつくのが下手っぴなんだね、ぺんちゃん😌めっちゃいい作品を有難う御座います💕🤗
シンプルイズベストって言うのか……?え、最高か???😇😇😇どこにこんな可愛いカップルがいる???あ、ここにいるわ…💖💖💖ガチ最高です✨✨✨ぺんさん可愛い…無邪気……👍👍👍