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んーちょっとセンシティブかも……?
5話
『籠の中で、君と、子を』
薄暗い部屋に、湿った空気が漂っている。
ジヨンの額には汗が滲んでいた。
重たい腹が、時折きしむように痛む。
――そろそろ、だ。
わかる。身体が、もう限界に近いのを。
🐲「……スンリ……」
ジヨンが苦しげに呼ぶと、すぐに部屋の扉が開いた。
静かな足音とともに、スンリが近づいてくる。
🐼「はい、ジヨンさん。どうしましたか。お腹、痛いですか?」
彼の声は、いつも通り優しかった。
けれどその瞳は、どこか陶酔していた。
🐲「……産まれる。もう……来る……」
🐼「そうですか……」
スンリは穏やかに微笑んだ。
🐼「じゃあ、大丈夫です。ここで、僕と一緒に産みましょうね」
🐲「え……っ、病院……っ」
🐼「いりませんよ。ジヨンさんはもう、外の世界に触れる必要はないんです。
ここで僕が、ちゃんと受け止めますから。大丈夫です。任せてください」
言葉とは裏腹に、スンリの手は震えていた。
怖いのは、ジヨンだけじゃない。彼自身も、限界だった。
愛と執着が、完全に混ざりきっていた。
⸻
その頃、外ではTOPが動いていた。
ヨンベとテソンから連絡を受け、スンリの自宅の監視を強めていた彼は、ついにその異常に確信を持っていた。
🔝「……動く。今夜」
短く呟き、拳を握る。
あの家の中で、ジヨンは独り、苦しみながら産もうとしている。
それを止められるのは、もはやTOPしかいなかった。
⸻
ジヨンの悲鳴が響いた。
陣痛が容赦なく身体を引き裂いていく。
🐲「スンリ……怖い…っ、怖いよ…!泣」
🐼「ジヨンヒョン……泣かないで…怖がらなくていいんです……僕が、ずっとそばにいます。僕だけを見てください……っ!」
スンリは汗まみれのジヨンの手を握りしめ、泣きながら笑っていた。
🐼「あなたが僕を選んだんですから……ほかの誰にも渡さない……!」
そのとき――。
🔝「……ジヨン」
ドアが激しく破られ、冷たい空気が流れ込んだ。
立っていたのは、TOPだった。
その視線はスンリを真っ直ぐに射抜く。
🐼「タッピョン……なんで……っ!」
スンリが立ち上がろうとした瞬間、TOPの拳が彼を床に叩きつけた。
🔝「もう充分だ。ジヨンは……お前の所有物じゃねえ」
スンリが呻く。
ジヨンの手が、震える声でTOPの名を呼んだ。
🐲「……TOP……っ、産まれっ……!」
🔝「わかってる。大丈夫だ、もう……お前を閉じ込めるやつはいない」
TOPはジヨンを抱き起こし、すぐに救急車を呼んだ。
⸻
――数時間後。
病院の個室。
ベッドの上で、ジヨンは小さな命を腕に抱いていた。
目を閉じたその顔は、まだ疲労に覆われていたが、確かに安堵があった。
🔝「お前、よく耐えたな……」
TOPが静かに呟くと、ジヨンは少しだけ微笑んだ。
🐲「……ありがとう。もう、戻れないと思ってた」
🔝「戻んなくていい。前に進むだけだ。お前と、この子で」
窓から差し込む朝日が、ようやく彼らの影を溶かしていた。
スンリは病室の外、警察の手に委ねられ、静かに連行されていった。
その目には、まだ“愛”という名の妄執が残っていた。
やっぱこの話ボツだわ……😭
コメント
1件
全然ボツじゃないですよ!がんばってください!