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その日の練習終わり 夕暮れの帰り道練習が終わったグラウンドは、橙色の夕陽に染まっていた。
翼はタクと並んで校門に向かって歩いていた。
いつもなら他愛もない話をしているのに、今日は言葉が出てこない。
監督に言われた言葉が、ずっと胸の奥で温かく渦巻いていた。
『お前がいるから、このチームは強いんだ』
嬉しかった。
本当に、嬉しかった。
野球ができなくても、自分がこのチームに必要とされていることが、
こんなにも胸を熱くするなんて思わなかった。
でも、その嬉しさの裏側で、ずっと拭えなかった罪悪感が、
今日に限って特に強く込み上げてきた。
——タクが「一緒に竜皇高校に行く」と言ったあの日。
タクは市内トップの札幌南高にも余裕で合格圏内だった。
野球の実力は市内No.1の強豪校からスカウトが殺到するレベル。
プロの道が、ほぼ約束されていた。
なのに、頭が悪くて選択肢のなかった自分と同じ高校に、
「翼と甲子園に行くためだ」と言い切った。
(俺のせいで……タクの未来を潰したんじゃないか)
そんな思いが、胸の奥にずっと溜まっていた。
申し訳なくて、申し訳なくて。
「……」
翼は唇を強く噛んだ。
目頭が熱くなって、視界がぼやける。
気づいたら、頰を伝う涙が止まらなかった。
声も出せずに、ただボロボロと零れ落ちる。
タクが足を止めた。
「翼……?」
タクはすぐに周りを見回した。
下校中の生徒がまだ多い。
人目が気になる。
「翼、ここ人多いから移動しよう」
タクは優しく、でもしっかり翼の手を握って、
校門の少し手前にある、木陰の物陰へ連れていった。
人通りから外れたところで、タクは翼の肩をそっと掴んで、
自分の胸に引き寄せた。
翼はタクの制服に顔を埋めて、肩を震わせた。
嗚咽が漏れる。
「……タク……おれ、役にたててる……?」
タクは翼の背中をゆっくり撫でながら、静かに答えた。
「あたりまえだろ」
翼はタクの胸に額を押しつけたまま、震える声で続けた。
「野球できなくても……そばで応援してもいい……?」
タクの腕に力がこもった。
「俺はお前が居てくれないといやだ」
翼の息が、詰まった。
「……甲子園、行きたいって思ってもいい……?」
タクは翼の頭を優しく抱き寄せ、
耳元で、はっきりと言った。
「おれが連れてく」
その言葉が、翼の胸に深く染み込んだ。
涙が止まらなかった。
でも、さっきまでの罪悪感が、少しだけ溶けていくような気がした。
タクは翼を抱きしめたまま、
静かに、でも力強く繰り返した。
「俺は、お前と一緒じゃなきゃ意味がないんだよ。
……ずっと、そうだ」
夕陽が、木々の隙間から二人の影を長く伸ばしていた。
翼はタクの胸で小さく頷いた。
声が出せないまま、ただ、タクの温もりにすがるように