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ご覧いただきありがとうございました。これでもいつもよりは少なめに仕上げたんです……そうしないとボロが出ちゃうから……。
弊社の魔王の「歪み」な部分を全力でお伝えしたく、このお話を書き上げました。
(え? 歪んでる? と思ったそこのあなた。もうだいぶ毒されてますよ。弊社仕様の魔王はこれが標準装備ですが、他社様の可愛く末っ子してる“もっくん♡”をご覧になってください。弊社みたいに無邪気に抹殺計画とか立てないから。可愛く甘えて“ずるいなぁ、もう”ってなりますから。)
このお話自体が全方位には優しくない作りになっていて、そこは本当に申し訳ないんですけど。
最近読み始めてくださった方にはこれ書いてる奴ヤベェなって思われていないか心配になるレベルで、歪んでるんじゃないかなと思っております。
ヤベェ奴なんです、いつもこんなことしか考えてない奴なんです。どうか引かないでください。
気を取り直しまして、私がどこからこのお話の伏線を張り巡らせていたかと申しますと、私が一旦休止し、再放送の順番に言及したところからでございます。
おそらくは作品群は更新順で表記されるのではなかろうかという前提ですが、拙作の『秘密。』シリーズの後にこのお話が来るよう、更新を進めていきました。(『談話室。』は除く。)再放送のセトリにも意味を持たせようと、自分で自分の首を絞めるという自傷行為。
『秘密。』の最終話にて、魔王がモデルを排除することを仄めかしておりますでしょう? それでございます。そこからがすでに布石にございました。
そもそもの始まりは、私が描くストーカーもの、という、素敵なリクエストをいただいたことです。
ストーカーと言えば、撃退王道ラブストーリーに心惹かれる方が多いであろうテーマにおいて、 そんなん魔王黒幕しかないんだが、と考えた記憶がございます。むしろそれしか浮かばなかった。暴漢の手から女神を護る魔王様……ははは、うちの魔王はそのタイプではないでしょう、と、皆様もどこかで察していらっしゃったのではないでしょうか。
ストーカーの正体を誰にするかなーとか言いながら、全て魔王の手の内という展開しか出てきませんでしたね。想像力が無さすぎまして……。
なのでまぁ、自分が書ける精一杯である、いかに魔王が女神を窮地に追いやり己に依存させつつ愚かしくも女神を欲したゴミクズを廃棄処分するか、その一点に尽きました。
そうなると、犯人となる憐れなスケープゴート役が必要となりまして、それなら拙作から出してしまおうと。無論全ては幻覚ですが、弊社モブならスプラッタ工場送りにしても問題はなかろうと。ただ、この時点では全くリップのことは念頭に無かったです。手元から消えて違和感を覚えそうなもの、に選ばれたのがリップだったってだけで。
(最終話の答え合わせ、本当は留置所で魔王が男に語る予定だったんです。どれだけ叫ぼうか喚こうが、お前はそこから出られない、お前の大好きな女神には指一本触れられない。心配するなよ、お前の……お前のじゃないんだけど、女神は俺の傍で天使の微笑みを浮かべているから、と魔王に囁かせたかった。悔しいことに、そこまでの能力が私にはありませんでした。)
ラブストーリーの予定がなんちゃってミステリみたいな……これまた新たな扉を開きました。なんて難しいんだ。世の中に数多ある傑作の数々に改めて尊敬の意を表したくなるほどです。
その上執筆中に『夏の影』MVインパクトが起こり、幼馴染ショックからのパロディフィーバーが始まり、Behindで情緒殲滅作戦が実行され、1週間で5万字くらいくらい書いたんじゃなかろうかと、これまたこいつやべぇな状態に。人間やれば1日1万字を毎日書くことができるようですよ。同時に3作ほどは書けるようです。
追い討ちをかけるように車のナンバープレートを盗まれて指紋採取されますし。なんだよ、現実が幻覚の布石か? あんなに警察官来ると思わないじゃないか。寝起きのパジャマで検証写真撮らせるなよ恥ずかしいだろ。初めてだわこんな記念撮影。全て夏の所為だ。
あぁでもこうやって指紋って取るんだ、なるほど、これが被害届と調書か……ほうほう……刑事パロで使お。
話を戻します。
察しのついていた読者様もいらっしゃったかと思いますが、若様は最初から共犯者に決まってました。「親友であり仲間」……あらすじ? キャプションにある通りです。
だってそうしないと3人の世界が護られないのでね。若様のキャラ付けとしては『鬼ごっこ。』に近いようなそうでもないような?
1番の被害者は間違いなくマネさん。ついでチーフ。そして加害者であるモデルも、ある意味では被害者です。
社長はそうだろうなと思いつつ、魔王の裏工作を全て黙認し黙殺する、公には答えを出さない、という役割を付された大人でした。
すべては魔王の計画の中に。弊社の社長もよくシナリオを作っている、計画的な人物として登場しますが、社長と魔王の大きな違いは、目的のために他人を陥れるか否か、手段を選ぶか否か、というところでしょうか。魔王の方がだいぶ振り切っているというか、女神を心身ともに自分のものにするために尽力するタイプです。
決して女神を支配したいわけではないということだけは、どうか誤解のないよう。魔王はただ、女神を愛しているだけなんです。(それが歪なんですよね、分かっています。)
長くなってきたなぁ。でもまだ叫んじゃう。
これを書くにあたって、初めてメモを取りました。
メモといってもどのタイミングで手紙を出したか、って言うくらいの簡素なものではありましたが、もうね、頭の中、ひっちゃかめっちゃかです。
流石に行き当たりばったりで自分がばら撒いた伏線の回収は無理だった。本当は若様に怪我をさせて、僕のせいだと泣く女神もいたんですけど、そうなるとまた長くなってボロが出てしまう、と、はちゃめちゃに怯えていました。
魔王には徹底して自分の痕跡を残さないように、捜査の手が及んでも言い逃れのできるようにさせたつもりですが、どうかなぁ。
現実の捜査ではもっと防犯カメラとか調べるだろうし、サイバー捜査も強固だろうし、こんな簡単に解決しないことは分かっています。無知など素人が書いたフィクションだと思っていただけると助かります。これでもない頭を捻って考えたんです……。
最後の魔王のセリフである「涼ちゃんの苦手な片付けの話」は昨日、書いている真っ最中に、あ、これで冒頭に戻せるわ、と思いついたのであれにしました。ボールペンもそのときかな。これにて伏線回収が全て終了。勢いそのままに更新しました。結局1日で1万字書いてるやん。
でもね、これも当初の予定とは結構変化していてね、違うんだよ、そうじゃないのよ、と思いながら書きましたので、皆さんの考察とか感想とかがすごく励みになりました。
考察に関しましては「全部バレとるやないか」と、タネを知っている人の前で手品を披露する苦しみがありましたけども、それでも楽しかったと言っていただけて報われました。ミスリードに引っかかっている姿を拝見し、「計画通り……」とニヤニヤしていました、すみません。
本当にありがとうございました。反応や感想、考察、全て全部嬉しいです。本当に、心から。
さて、次は『夏の所為。』の後日談を予定しております。
魔王と女神の組み合わせがお好きな方にはあまりオススメ致しません。がっつり、若様と女神の「その後」になります。
1万字程度で、一本のショートフィルムを、夏の、8月の終わりに。
……そう言っていて『夏の所為。』は1万字の三部作になったので、これ以上フラグは立てずにおこうと思います。
末筆ながら、皆様に心よりの感謝と敬意を。
そして、お車をお持ちの皆様、どうかナンバープレートの盗難にはご注意くださいませ。
2025.8.25
Kei
コメント
95件
あとがきまでお疲れ様でした! Keiさんに、同じ側と言っていただけていますが、魔王様の歪み具合が半端ない(褒め言葉です)その振り切り加減が本当に好き。あとがきと照らし合わせてまた読み返して、なるほど…と何度も美味しい物語でした♡ 歪むなら極限まで。最高です!! (ナンバープレート盗難のくだりで半分脳みそ持っていかれてしまった…私も気をつけます)
あとがきありがとうございます。 セトリまで、この作品に続く様に描かれてたんですね💕確か再放送中は『あなたの恋を応援します』と同時再放送中だった様に思いますが、途中で『あなたの…』の方が進んでるな、って思ったのは、この作品のためだったんでしょうか? いやはや、作中だけでなく、色々なところに伏線が準備されてて、鈍感な私にはなるほどなぁ〜って思う事ばかりです😆
まちがいさがしも完結 … お疲れ様です 🍵 時間の問題でなかなかコメントができていなかったのですが 、ちまちま拝見させて頂いていました ! 1番最初に 、お 、ストーカー系 … と 、あらすじを拝見させていただいたときに 、 あれか 、魔王か 、これ ? 魔王が … やっちゃうやつか ? ってなってたので 、最後に魔王が語り始めた瞬間は 、勝ったわ …() って 、なってました← 過去のモデルさんが出てきた瞬間は 、すご 〜 !? ってなりました 。 過去の作品と繋ぎ合わせていくのが流石すぎて 、逆に驚いていました 。 ここで出てくるのか !? と … なりまして 。 他にも色々考えながら読ませていただきました 。最高に面白かったです ! 一気にコメントする形になってしまってすみません 🙇🏻 今後の物語も楽しみにさせて頂いています ! 長文コメ失礼しました 🙏🏻