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「じゃあまた冬休み明け元気に登校してこいよー、良いお年を」
終業式も終わり、明日から冬休みだ。
「由依ごめん今日カフェ行けないわ」
この前もらったクリスマスクーポンでランチを食べようと言っていた。
「だいぶ前に受けてなかった小テストあって今から受けないといけなくてさ」
「小テスト?そんくらいなら待っとくよ」
「あほんと?じゃあ教室で待ってて、すぐ戻ってくるわ」
私はそう言って教室を出た。
「はい、じゃあ帰っていいよー、お疲れ様」
小テストなので10分ほどで終わった。先生は良いお年を、と言って出て行った。
「酒井も受けてなかったんだ」
「ああ」
「じゃあまた年明けなー」
「凌」
私が鞄を背負って出て行こうとすると、酒井が呼び止めた。ん?と言ったが、酒井は少し下を向いていた。
「萩原のこと、色々言って悪かった」
私は、ずっと酒井の顔を見つめていた。
「もうなんも言わねえから。一緒に色々言ってた奴らにもなんも言わないように言っといたから。あいつらは俺に合わせて言ってただけだと思うし」
ごめん、と、酒井は続けて言った。
「それは、私に言うことじゃないよ」
真っ直ぐ酒井の目を見て言った。
「ほんとに反省してんなら、もっとちゃんとすることがあるよ」
それだけ言って、由依が待っている教室へ戻った。