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ねむ
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郁不
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相も変わらず当然のように毎日千空の近くに来るゲン。
どうしてもそれが必要以上に見えた千空は、それをやや茶化す。
「…おいメンタリスト。お前俺がいなかったら生きていけねえのかよ」
ゲンが振り返って笑う。
「もちろん生きていけるよ」
「ならそんな毎日来んなって。他のことに時間使りゃいいだろ」
「んー…そういうことじゃないと思うんだよね」
首をかしげる千空の前で、一本花を出す。
「ホラ、花見てたら心安らいだりするでしょ?俺にとっては、この花が千空ちゃんってこと」
「…気色悪いなてめぇ」
「まあねー」
ただ、とゲンは続ける。
「俺はさ、毎日千空ちゃんがいる前提で生きてるからさ」
マジックで出した花を千空に差し出す。
「勝手にいなくなる前提で話されると困るわけよ」
差し出したそれは蛇の目菊。
白く小ぶりな、ひまわりのような花。
この花を選んだ意味なんて、千空はきっと興味さえ持たないだろう。
そんなヤツだからこそ、この花を堂々と渡せるんだ。
何言ってんだ?と怪訝な顔をする千空の前でゲンは笑顔を消してみせる。
今までの軽すぎる口調。
一転し、目だけが真剣で。
千空は本能で視線を逸らす。
「わーったわーった。なるべく死なねえようにすっから」
「…へえ」
冗談めかしたその言葉。
今日だけは乗らない。誤魔化されてやらない。
笑顔なんて微塵も作る気がなさそうなゲンに気圧され、今度こそ千空が降参するように両手をあげた。
「…じゃ、いなくならねえようにする」
「うんうん、それでいいのよ♪」
ゲンに笑顔が戻る。
無意識に詰めていた間合いに気づき、いつもの距離を取った。
壁まで追い詰められていた千空は安堵したように壁から身を離す。
「おいゲン。てめーもだろ」
その返事に反応したようにゲンの肩がビクッと揺れる。
ゲンはそれに気づいたのか気づいていないのか、ふいと顔を逸らした。
「…考えとくよ」
ほんの少し困った顔。
ちゃんと約束しろよ、と言いかけた千空は言葉を飲み込んだ。
「…チ」
これ以上踏み込めば逃げられる。
もどかしさと苛立ちを殺し、やむなく問い詰めるのを止めた。