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・knkz
kn→「」 kz→『』
告白して、付き合って。
それでも“何がどう変わったのか”なんて、正直よくわかんなかった。
……けど。
「今日も、かっこよかったね。恋人くん?」
叶が笑って、そう言った瞬間。
『っ……な、なんだその言い方……!!』
「ん? 恋人って言っちゃダメ?」
『だ、ダメってわけじゃねぇけど、っ、あ、あのさ……!お前さぁ……!』
葛葉は耳まで真っ赤になって、椅子をきぃきぃと揺らした。
叶はそれが楽しくて仕方ないって顔で、にこにこ見ている。
「葛葉ってさ、告白のときはあんなに必死だったのに、
恋人になったら、めちゃくちゃ照れるの可愛すぎでしょ」
『ちげぇし……俺は別に普通だし……っ!』
「じゃあ、言って?」
『……は?』
「“俺の恋人は叶だ”って」
『無理!! しぬ!!!』
叶は吹き出した。
頬を膨らませて押し黙る葛葉の、あまりの可愛さに耐えられなかったらしい。
「やっぱ、僕の恋人かわいすぎるな~」
『……だからやめろっつってんだろ……!』
「うん、でも、僕の“恋人”だよね?」
『……っ……ぅ、……ああもう……!!』
葛葉は顔を覆ってうずくまった。
そして、声のトーンを限界まで落として、小さく呟く。
『……っ、……恋人、だろ? 俺たち』
「……なにそれ、めちゃくちゃ可愛い……」
『うるせぇ!! ほんとにうるせぇ!!!』
それでも叶が優しく笑って、「……好きだよ」と囁くと、
葛葉は顔を真っ赤にしたまま、諦めたように小さく笑った。
『……俺も、だよ』
画面の外で交わされる言葉は、リスナーには届かない。
でもその日も配信では、なんだかやたらと嬉しそうな葛葉と、終始にこにこの叶がいた。
【え?今日もまた距離感バグってない?】【付き合ってる?】【もう公認でしょこれ】
コメント欄がざわついても、二人はとぼけた顔でゲームを続けた。
“相方”という仮面を脱いだ恋人たちの時間は、もう誰にも止められない。