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#ブラフラ
なみゃ
20
skbn
11
て ぃ あ ら 。
2,081
8
「…っせい!…先生!白藤先生!」
その声に俺は飛び起きて医局の椅子から落ちそうになった。
「か、寛奈(かんな)。」
彼女は可愛げに頬を膨らませる。
「もう!ここは病院でしょう?寛奈じゃなくって神崎先生でしょう。付き合うときに決めたでしょう?」
言われてから思い出す。神崎寛奈(かんざき かんな)。俺の隣のデスクの同僚で、前の病院で働いていたところから関係が始まった俺の彼女だ。
「そうだったな、悪い悪い。」
そう言いながら椅子に座り直して左腕にいつものアクセサリーがないことに気づき、慌てて全身のありとあらゆるポケットの中身を探した。
「あった…。」
やっとの思いで白衣の左ポケットから取り出して付けた。そう、“ゴールドのチェーンに青色のハートの飾り”のついた寛奈と色違いのブレスレット。ふと、その様子を見ていた寛奈の顔を見つめた。
「ん…?どうかしたか?」
寛奈はどこか悲しげに俺のことを見つめていたのだ。その後の笑顔にも現れるほど悲しそうに微笑んだ。
「なんでもないです。今日の夕飯、何にしようか考えていただけですから。」
「…そうか。」
仕事が終わり、二人で俺の車に乗って家に帰った。
帰ってソファーに座っていてもあの時の寛奈の顔が忘れられなかった。長年付き合っていて始めてみた彼女の表情は、とても痛々しかった。
「チッ……。」
小さな舌打ちが静かなリビングに響くが、それをシャワーの音がかき消した。
自分が情けなかった。彼女のことを愛していたつもりだったが、俺はまだまだ未熟だったようだ。
いつだって俺は人を思いやるのが苦手で、今も愛する人を思いやれずに知らず知らずのうちに傷つけてしまったのかもしれない。本当に下手な人間だ。
正しいことでも行き過ぎてしまえばいずれ悪になり得る。せめて、そういったやり過ぎとかであってほしいと願うことしかできなかった。でも…それは少しでも正しいことをしていたと思い込みたかったのかもしれない。
「何してるの?」
シャワーを浴びて出てきた寛奈が俺の隣りに座った。それだけで彼女のシャンプーの匂いが充満した。
「なんでもないさ。
それより、今夜星が見えるらしいぞ。せっかくだしベランダで見ないか?」
彼女はきょとんとした表情で俺を見つめ返す。でも、次の瞬間にはいつもの笑顔で頷いてくれていた。
コメント
1件
ああ、もう…第7話読んだよ。この2人の関係、なんか切なくて苦しいな。白藤先生がブレスレット探すシーンで「大事にしてるんだな」って思ったけど、寛奈さんのあの悲しそうな笑顔がずっと引っかかってる。あの表情、何か隠してるよね?「今日の夕飯何にしようか」って誤魔化すところも気になるし。星を見る約束は最後優しいけど、その先が気になって仕方ないわ。