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第12話
『私は、嫌われている。』
雫は今日の朝が一番憂鬱に感じられる。
何故かというと、悪夢に魘されたからだ。
過去の事を深く考えて、寝てしまうと、友人の二人が夢に出てきてしまう。
嫌な目覚めだ。
リビングに行くといつものように、テーブルには朝ごはんが乗ったお皿だけがぽつんと
敷かれている。
「今日も親はいないんだ。」
辺りを見回す。
「紗由も、、、?」
紗由も出かけたそうだ。
少しホッとした。
テレビをつけると、朝のニュースが始まっていた。
「今日も、事件が多いな。」
世界は、事件なんて終わる訳がないのだ。
学校に行くといつものようにいじめにあった。
宮川さんたちにいじめられ、先生たちにもいじめられ、
家へ帰っても家族全員に嫌われている。
その繰り返し。
早く終わりにしたいのに、終わらなくて、
なんでって自分を責める。
身体を傷つけてしまう。