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見るの遅れましたがやっぱり最高です!
廊下
莉々は静かに歩いていた。
今日の任務は終わっている。
だが、頭の中は少し騒がしかった。
蘭に見られた傷跡。
男の言葉。
思い出したくないものが、少しずつ浮かんでくる。
莉「……」
歩みを止める。
拳を軽く握る。
――考える必要はない。
そう思った時。
スマートフォンが震えた。
画面を見る。
男からのメッセージ。
【少し話せませんか】
数秒考えた。
そして。
【要件はなんでしょう?】
すぐに返信が来る。
【あなたの過去のことです】
莉「は、?」
莉々の指が止まる。
翌日。
静かな公園。
人は少ない。
ベンチに座る男の前に、莉々が立つ。
莉「……過去、とは、なんでしょう」
男は少し緊張した様子だった。
男「昨日、少し調べてしまいました」
莉「……」
男「あなたの腕の傷」
視線を落とす。
男「……研究施設の噂を見つけました」
沈黙。
風が静かに吹く。
莉「……」
そして。
静かに言う。
莉「それ以上、調べない方がいいです」
男「……でも」
莉「命に関わりますよ」
はっきり言う。
男は黙る。
だが。
男「……兄弟、いたんですよね」
莉々の目が止まる。
男「海斗……」
(かいと)
その名前。
胸の奥が、強く締め付けられる。
男「……駆人」
(かると)
莉「……」
男「あなたのお父さんが」
言葉を続けようとした瞬間。
莉「……やめてください」
「その、言葉と、その人の名前は、」
初めて。
声が少しだけ強くなる。
男は驚く。
莉々は目を閉じた。
そして、小さく息を吐く。
莉「……その名前は」
声が少しだけ震える。
莉「もう、呼ばないでください」
男「……」
沈黙。
しばらくして、男が小さく言う。
男「……すみません」
その時
頭の中に浮かぶのは、白い天井だった。
白い部屋。
冷たい床。
小さな手を握る少年。
海斗「大丈夫だよ」
優しい声。
海斗「莉々は悪くない」
泣いている自分の頭を撫でる。
隣にはもう一人。
小さな弟。
駆人「お姉ちゃん!」
笑顔で抱きついてくる。
三人で笑っていた。
あの頃。
まだ、普通だった。
だが。
ある日。
研究員の声。
「次の処分対象は、莉々だ」
その言葉を聞いた瞬間。
海斗が前に出た。
海斗「やめろ」
研究員「どけ」
海斗「……莉々は関係ないです、よ」
研究員「お前が撃たれたいのか?!」
海斗 「そ、れは、」
数秒考える
海斗「はい!」
海斗は、莉々をかばった。
そして。
――撃たれた。
床に倒れる。
莉「……っ」
莉「おにぉちゃん、?」
海斗は笑った。
海斗「……大丈夫」
血を流しながら。
海斗「莉々は……生きれる、でしょ?」
そのまま。
動かなくなった。
駆人「……」
震える声。
駆人は、海斗を見ていた。
そして。
研究員が言った。
「こいつのせいで死んだな」
その言葉。
駆人の目が変わった。
駆人「……」
涙を流しながら。
莉々を見た。
その目は。
もう、弟としての目ではなかった。
駆人「……お兄ちゃんの仇」
現実。
公園。
莉々は目を開ける。
莉「……」
男が静かに見ている。
男「……今でも」
小さく聞く。
男「自分を責めてるんですか」
莉は答えない。
だが。
その沈黙が答えだった。
男は静かに言う。
男「……あなたは悪くない」
その言葉。
どこかで聞いた。
海斗と同じ言葉。
莉「……違います」
小さく言う。
莉「……私が、生きたから」
視線を落とす。
莉「海斗が死んだ」
風が吹く。
莉々の声は、静かだった。
そして今にも泣きそうな声だった
莉「……だから」
拳を握る。
莉「私は、一生忘れません」
その頃。
遠くのビル。
モニターに莉々の姿が映っていた。
白衣の男が笑う。
「見つけた」
画面には。
莉々。
そして。
男。
白衣の男が言う。
「被験体No.27」
静かな声。
「回収を開始する」
その後ろ。
一人の少年が立っていた。
長い髪。
冷たい目。
「……」
画面に映る莉々を見る。
「……久しぶりだね」
小さく呟く。
「お姉ちゃん♪」
題名に 春千夜が書いてるのに 全然出てなさすぎるのに今きずいた
出番あった方がいいかな