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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第37話 - 第37話 圏外から一気にトップ層へ!王が認めた「想定外の変数」が教室の空気をハッキングする
2,137文字
2026年05月10日
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れいとうみかん
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37-1◆世界の反転、そして新しい舞台◆
翌朝、俺が教室のドアを開けた瞬間、世界が反転したことを知った。
夏休み明けの9月上旬頃とは、全ての景色が変わっていた。
「音無、おはよ」
「おはよう、音無くん」
俺が自分の席へと向かう、その短い距離。
その間に、俺は数人のクラスメイトから挨拶をされた。
俺は、そいつらの顔も名前もうろ覚えだ。
だが、彼らは俺を知っている。
俺は、もはや「その他大勢」ではない。
俺は「音無 奏」という名の一個の存在として、この教室に認識されていた。
そして極め付けは、彼だった。
天宮 蓮司。
彼は教室に入ってくると、俺の席の前で足を止め、そして、あの太陽のような笑顔で言った。
「音無くん、おはよう。昨日は悪かったな、引き止めちまって」
その瞬間、俺の視界の端で、半透明のウィンドウが、アラートと共に強制的に展開された。
カーストスカウターが、教室内での、急激なパワーバランスの変動を感知したのだ。
ピリリ、と鳴り響く電子音。
目の前にクラス全員の顔写真アイコンと、それに紐付けられた数値が、滝のように流れ落ちていく。
『教室リーグ』ランキング。リアルタイムでの、順位更新。
俺のアイコンが、リストの最下層――
「観客席」という圏外から、凄まじい勢いで、駆け上がっていく。
38位、25位、15位、そして――。
最終的な順位が、冷たいゴシック体で、確定表示された。
【CLASS RANKING - TOP TIER】
1 天宮 蓮司 [INFLUENCE: — (測定不能)]
2 久条 亜里沙 [INFLUENCE: 97]
3 結城 莉奈 [INFLUENCE: 88]
4 斎藤 律 [INFLUENCE: 88]
5 柴田 隼人 [INFLUENCE: 88]
6 音無 奏 [INFLUENCE: 82]
6位? 俺が? 観客席にいたはずの、俺が。
「音無くん、おはよう」そのたった一言。
王からのその一言が、俺の序列をさらに決定的にした。
クラス中の視線が、俺に突き刺さる。
そこには、もう侮蔑の色はない。
ただ畏怖とそして、強い好奇心だけがあった。
その日の全ての授業。
俺は、その奇妙な視線に晒され続けた。
そして放課後を告げるチャイムが鳴る。
今日のホームルームでは、重要なことを話し合う予定だ。
担任の烏丸がいつものように教壇に立った。
彼のその顔には、いつもの諦めきった表情が浮かんでいる。
「さて諸君。中間試験も、無事に終了したことだし」
「いよいよ本格的に学園祭について、話し合おうと思う」
烏丸は教室を見渡す。
「ご存知の通り、我がクラスの出し物は演劇で決定済みだ」
「今日は、その演劇の具体的な演目や役割について、決めたいと思う。
何か意見のある者はいるか?」
その言葉を、合図に教室が再び、ざわつき始める。
(演劇)
俺が望んだ舞台。
だがその舞台に俺自身が、引きずり出されるとはな。
俺は静かに、その新しい戦場の始まりを観測していた。
37-2◆新しい空気、そして演劇準備の開幕◆
「演劇の具体的な演目や役割について、決めたいと思う。何か意見のある者はいるか?」
担任の烏丸の言葉を皮切りに、教室はこれまで、経験したことのない活気に満ちた。
最初に手を挙げたのは演劇の最初の提案者、桜井恵麻だった。
「はい!私はシンデレラのような古典的な物語がいいと思います!」
その彼女の意見に、バスケ部の松川が続く。
「えー地味じゃね?もっとアクションがあるやつがいいって!」
「そうそう!海賊ものとか!」
中河もそれに同調する。
教室はこれまで神宮寺の「空気」に支配されていたのが、嘘のように様々な意見で溢れかえっていた。
俺の脳内にミラーの声が響く。
ミラー:「見ろよ颯太。お前が神宮寺の支配を少し壊したおかげで、教室が自由になってきたな」
颯太:「ああ。それは素晴らしいことだ。だがこれはただの混沌だ。まだ何も決まらない。誰の一言で、物事が決定していくのか?じっくり観察する」
その混沌に終止符を打ったのは、意外な男の一言だった。
柴田隼人。
彼が立ち上がり、クラス中の注目を一身に集めながら言った。
「なんか、さあ、もっとこうドロドロしたやつ、やろうぜ。復讐とか裏切りとかあるやつ。そうだ!ハムレットとかよくね?」
そのあまりにも、彼らしくない提案にクラスが一瞬、静まり返る。
斎藤「お前の口からハムレットかよ!!!」
柴田は続ける。
「任せとけよ。律!ただのハムレットじゃ、つまんねえ。学校を舞台にした『現代版・高校ハムレット』だ!どうよ!?」
その柴田の言葉に、クラスの空気が変わった。
「え!それ面白いかも!」
「現代版ハムレット!新しい!」
「衣装とかも、今風にアレンジできそう!」
クラスの興奮は、一気にハムレットへと収束していく。
颯太:「ハムレットか。面白い選択だ。あいつ主役をやるつもりなのかな?」
ミラー:「それ最高の配役じゃないか。悲劇が喜劇になるか。あるいはその逆か。見ものだな」
烏丸がその空気を見て、パンと手を打った。
「よし決まりだ!演目は現代版ハムレット!じゃあ次は配役だな!主役のハムレット、やりたいやついるかー?」
その言葉を皮切りに、教室は再び騒がしくなった。
俺たちのクラスの新しい物語が、今まさに始まろうとしていた。