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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第38話 - 第38話 女王の独裁をぶち壊す、天宮蓮司が全校生徒の前で仕掛けた「禁断の共犯」
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2026年05月10日
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れいとうみかん
●第4部【学園祭の演劇】38~68話
38-1◆女王の勅命、そして騎士たちの忠誠◆
「主役のハムレット、やりたいやついるかー?」
烏丸のその気の抜けた声にクラスが再び沸く。
「はい!」
「俺やりたいです!」
数人の男子生徒が、勢いよく手を挙げた。
演劇をやりたいと最初に言った桜井恵麻も、ヒロインのオフィーリア役をやりたそうに、そわそわしている。
だが誰もが、分かっていた。
このクラスの配役を決めるのは、自分たちではない。
教壇に立つ教師ですらない。
全ての視線が、一人の少女へと集まる。
教室の玉座に座る女王、久条亜里沙。
彼女が頷かなければ、このクラスでは何も決まらないのだ。
その時だった。
久条が、静かに立ち上がった。
そのたった一つの動きで、教室の全ての喧騒が嘘のように静まり返る。
彼女は完璧な笑顔で、クラス全員を見渡した。
そしてその鈴が鳴るような声で宣言する。
「この演劇を成功させること。それが私たちElysionの総意です」
「そして、そのために私たちElysionのメンバーが率先して、この演劇を引っ張っていきます」
ミラー:「見ろよ奏。女王の反撃だ」
奏:「ああ。敗北を認めず、むしろその戦場ごと乗っ取るか。大した女だ」
久条は続ける。
その視線はまず柴田隼人を捉えた。
「柴田くん。あなたのそのユーモアで、主役のハムレットを最高の悲劇の王に仕立ててほしいわ」
次に彼女は結城莉奈を見る。
「結城さん。あなたのその表現力でヒロインのオフィーリアを、誰よりも美しく哀れな少女として演じて」
そして最後に斎藤律。
「そして斎藤くん。あなたのその知性、この劇の最も重要な役ホレイショーにふさわしいわ」
それはある意味、命令だった。
女王からの絶対的な勅命。彼らに拒否権はない。
柴田、斎藤、そして結城。
三人は静かに立ち上がり、そして女王へと頭を下げた。
「任せとけ。亜里沙」
「私、頑張るわ!亜里沙」
それは俺に懐柔された彼らが、改めて女王への忠誠を誓う儀式のようだった。
(面白い。久条亜里沙。お前のその支配力。さすがだ)
俺は心の中で冷たく笑う。
ミラー:「こいつの意図が、何となくわかるな」
奏:「ああ。主要な役どころを自身の側近で固める。そうすることにより、クラスの中心という座を確保するというわけだ」
38-2◆王の指名、脚本と演出◆
久条の勅命により、主要な配役は決まった。
だがまだその他の役、そして何よりも重要な裏方の役割が、残っている。
教室が、再びざわつき始めた、その時だった。
これまで静かに、その光景を眺めていただけの男。
天宮蓮司が静かに手を挙げた。
そのたった一つの動きで、教室の全ての音が消える。
全ての視線が、彼に注がれる。
彼はその視線を一身に浴びながら、太陽のような笑顔で言った。
「脚本と演出。もし誰もいないなら、俺がやってもいいかな」
その言葉に、クラスがどよめく。
(演劇の総責任者というTOPポジションとはいえ、王、自らが裏方をやると言うのか)
その答えは俺が以前、観測した記憶の断片の中にあった。
俺の脳裏に、あの時の思考残響が蘇る。
【Memory Fragment Playback: バスケ部・ロッカールーム】
松川「今日の練習もキツかったなー」
天宮の声「ああ。だがこの挑戦する感じ。悪くない」
中河「文化祭もどうせならそういうのがいいよな」
天宮の声「そうだな。もし演劇をやるならどんな役割があるんだろうな?」
(そうだった)
俺は思い出す。
(超多忙なはずのこの男は、演劇というクラスが一致団結する行事に、参加したがっていたのだ)
だが天宮の次の言葉が、そのどよめきを驚愕へと変えた。
「そして、俺一人じゃ、荷が重い。だから音無くんにも手伝ってほしい」
「俺と音無くんで、一緒に演出と脚本をやろうよ」
その一言。王からの直接の指名。
俺の思考は、完全に停止した。
カーストスカウターが、意味不明のエラーを繰り返す。
(なぜだ?なぜ俺を?)
(こいつは、一体何を考えている?)
だが王の一言は、絶対だった。
「異議のある者はいないな?」
烏丸のその問いにクラスの誰もが、首を縦に振る。
いや、振るしかないのだ。
王の意思に逆らえる者など、この教室には存在しない。
こうして俺と天宮が、この演劇の最重要な立場、演出と脚本を担当することが決定した。
あまりにも唐突に。そしてあまりにも一方的に。
ミラー:「おい奏。どういうことだ。これは、お前の脚本にはなかったはずだ」
奏:「ああ。完全に想定外だ。だが」
ミラー:「そうだったな」
俺の口元に冷たい笑みが浮かぶ。
奏:「もともと俺も高校生活に色のついた思い出が欲しくて、あれだけ必死に演劇を押したんだ。望むところだ」
奏:「最高の舞台じゃないか。王と二人で脚本を書く。これ以上のゲームはない」
ミラー:「お前らしいな。その狂気」
俺はクラス全員に向けて発言する。
「天宮くんと一緒にやれるなんて光栄だよ。僕でよければやらせてくれ」
天宮「よろしく頼むぜ!相棒!」
そのあと、天宮が久条へと向き直った。
「亜里沙。君には、舞台監督を任せたい。君なら最高の舞台を作れる」
「ええ。望むところよ、天宮くん」
久条は、完璧な笑顔で頷いた。
その瞳の奥で、俺への警戒の炎が燃えているのを、俺は見逃さなかった。
その後は、早かった。
天宮と久条。
王と女王の的確な指示によって、大道具、小道具、衣装、メイク、音響、照明、予算管理、広報など、全ての裏方作業のざっくりとしたチーム分けは、順調に決まっていった。
俺たちのクラスの新しい物語。その配役は、ほぼ決まった。
そして俺はその脚本を王と共に、書くことになったのだ。
この教室リーグで、最も予測不能な共犯者と。
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【演劇『現代版高校ハムレット』配役キャスト&スタッフ一覧】
◇主要キャスト◇
ハムレット(主人公の高校生): 柴田 隼人
オフィーリア(ヒロイン): 結城 莉奈
クローディアス(ハムレットの叔父/敵役): 松川 大志
ガートルード(ハムレットの母): 桜井 恵麻
ホレイショー(ハムレットの親友): 斎藤 律
レアティーズ(オフィーリアの兄): 中河 大剛
ハムレットの父の部下: 山中 駿平
ポローニアス(オフィーリアの父): 町田 忠道
ローゼンクランツ(ハムレットの幼馴染/スパイ): 小原 昇
ギルデンスターン(ハムレットの幼馴染/スパイ): 倉貫 丈統
亡霊(ハムレットの父): 平島 崇
◇スタッフ(裏方)◇
脚本・演出: 音無 奏 & 天宮 蓮司
舞台監督: 久条 亜里沙
大道具/小道具/衣装/音響/照明/予算管理/広報
その他クラスメイト
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