テラーノベル
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「 No.1ホストと幼馴染」 ― ya × et
裏口で、壁に押し付けられたまま固まっているえとさん。
ゆあんくんは荒い呼吸のまま、しばらく見つめていた。
けれど――ふっと目を伏せると、すぐに腕を離した。
「……悪い。」
「え……?」
「こんなの……プロ失格だな。」
吐き捨てるように言って、背を向ける。
背中越しに、どこか自分を責める声が聞こえた。
「俺はただのホストだ。お前に嫉妬して、感情ぶつけるなんて……最低だ。」
冷たい夜風が吹き抜ける。
その背中が遠くに感じて、えとは思わず一歩、踏み出した。
「……最低なんかじゃない。」
小さな声が、静かな路地に響いた。
「だって……ゆあんくんが、ほんとに私のこと大事に思ってくれてるからでしょ?」
ゆあんくんの肩がわずかに揺れる。
振り返らない彼のコートの裾を、えとはギュッと掴んだ。
「私は……仮面のゆあんくんじゃなくて……本気のゆあんくんがいい。」
その言葉に、張り詰めていた空気がほどける。
ゆあんくんはようやく振り返り、苦しげに笑った。
「……お前は、ほんとに……俺をダメにする。」
次の瞬間、強く抱き寄せられる。
夜の街灯に照らされて、彼の声だけがやけに熱を帯びて響いた。
「……俺、もう止まれねぇよ。」
コメント
4件
話 構 成 ? が す き す ぎ ま す > ̫< ♡
もうセリフの一つ一つが好きすぎます!続き楽しみです!