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「…っえ?」
信じられない光景だった。
この浮いてる神様気取りのアブノーマリティに、僕の仲間は殺された。
僕だけは、かろうじて生き延びたけど。
…でも。
「…ドクターノア、イェティ、ドレミー、ルイス、アシュリーさん、ポール、ネビルさん、スピリアル、リカ…。」
9人だ。
僕を省いたチーフは9人。
残ったチーフだけが1週目に行ける。
そういう仕様だった。
50日目まで残れば、全員で行けた。
でもそれは過去。
結局僕以外が死んだことに変わりは無い。
「…ぅあ…皆…が……。」
正気なんて保てなかった。
皆死んだ?
僕だけ生きた?
完璧な指示をしてくれたドクターノアも。
一緒にお茶しよう、って誘ってくれたイェティも。
人間が怖いのに仲良くしてくれたドレミーも。
落ち着いていて優しかったルイスも。
いつも優しく見守ってくれていたアシュリーさんも。
いい所を沢山褒めてくれたポールも。
面白くて、いつも戦い方を教えてくれたネビルさんも。
僕が苦手なことを一緒にやってくれたスピリアルも。
怖いことへの立ち向かい方を教えてくれたリカも。
…全員死んだのか…?
本当に…?
でも、目の前に見えてるのはその死体達だった。
「…貴方が…貴方が居なければっ!」
何を言っていたのだろう。
「管理人も、アブノーマリティも!」
原因は別にあるって分かってた。
「全部…居なければ…っ…!!」
…僕の所為なんだよね。
…分かってるよ。
分かるから、分かりたくないんだよ。
背を向けたかったんだ。
本っ当に
『利己的だなぁ…。』
嫌だった。
消えたくなった。
「アブノーマリティさえ…居なければ…っ!」
ずっと誰かの所為だな。
「…もういいや…。」
『ごめんなさい。』
自分を刺して正解だった。
いや、間違いだったのかもしれない。
だって、すぐに1週目になるから。
1週目はどうなるのだろう。
「せめて…僕だけが苦しむように…。」