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過去の辛いすれ違いにちょっと疲れてしまい…
現在、ちゃんと両想いになってるお二人視点で短編をと。
お二人同棲してる設定です♡
某ラジオ放送でふと話題になった
メンバーの寝起き問題。
僕は割と早起きには自信があって、ワカイは仕事の日は遅刻したことないけど、OFFの日は基本連絡つかないというONOFFはっきりタイプ。
モトキはねぇ…これが「寝起きない」んだよ。
寝起きないなんて単語ないよ!と本人には文句言われたけど、、、ぜったいそんなことあるのよ。
同じスケジュールの日は
出発の30分前を目安に僕がモトキを起こす習慣になってる。
どうせメイクさんや衣装さんがいるから、家で準備することなんて大してない。
けどさ、出掛ける準備って思ったら、やっぱり少なくとも20〜30分は必要だよね?
「モトキ〜ねぇ!もうマネージャー来るよ?」
この多忙な恋人が何時にベッドに入ったか分からないから、朝日の中スヤスヤと気持ち良さそうに眠る彼を起こさなきゃならないのは少し胸が痛むけれど…
僕たちも立派な社会人。今日だってスケジュールは秒刻み。遅刻するわけにはいかないのだ。
同情は禁物とばかりに声をかけながら肩を揺さぶろうとした 瞬間。
「うわっっ」
思っても見ない力でベッドに引きづり込まれた。
「ちょっと!もう!起きないとダメなんだってばー」
軽く抵抗してみるけれど、モトキは僕の胸元に額をぐりぐりと押し付けると、腕をしっかり僕の体に巻きつけて身動き取れないくらい抱きしめてくる。
「もーおーっ」
僕の嘆きの声なんて全く聞こえてないようで
気持ち良さげに寝息を漏らす僕の恋人。
白く滑らかな頬っぺたに、濃いまつ毛が影を落としていて…
昔見せてくれた幼稚園児のころの写真と全然変わらないあどけない寝顔が愛おしい。
いつもそうなんだけど、あまりにも幼い表情で眠るモトキを眺めていると、なんていうか、なんだか胸の奥がギュッと締め付けられるような気持ちになる。
たまに、僕ってモトキのこと産んだっけ?なんて、突拍子もないことを思ってしまうくらい、
愛おしくて仕方なくて、じんわりとした暖かい、でも切ないような気持ちが心の奥から湧き上がってくる。
…この人が暗い夜に飲み込まれませんように。
消えたくなるような孤独を感じなくて済みますように。
誰にだろう?神様がいるなら、神様に…この愛する人のしあわせを願う。
あまりにも愛おしくて、なんだか涙が出てくるほどなのが自分でも不思議で仕方ない。
この世の全ての悪いものから、彼を護りたい。
脅かされることのない安らぎを与えてあげたい。
祈るような気持ちでモトキのきれいな額にそっと唇を当てると
タイミング良く?スマホのアラームが鳴った。
ギュッと抱きついてくるモトキが愛おしいし、暖かい体に抱きしめられる心地よさに
僕までこのままベッドの中にいたくなっちゃうけれど…
「ねえ?もうあと20分しかないよ?」
時計を見ながらタイムリミットを告げる。
ようやく僕の声が聞こえたのか
「…あと10分」短く答えたと思ったら
スルッとシャツの中にモトキの手が滑り込んで来た。
脇腹から背中の辺りを撫でられて
なんだかドキドキしちゃうんだけど…
愛し合う時のように扇状的に触ってくるわけではなく、
ただ素肌に触れて安心したのか
モトキは気持ち良さそうに寝息を立てていて。
…一人切なくなっちゃう自分が馬鹿みたいだ。
可愛く閉じられた唇にキス…しちゃおうかなぁ
あーでも急がないと本当にマネージャーが来ちゃうしなぁ…
などと一人悶々としていると。
パチっとモトキが目を開いた。
身体を起こして軽く伸びをしたと思うと
冷静な声で「あと何分?」と聞いてくる。
慌ててスマホを確認すると
「あ、ヤバい。あと5分でマネージャー来ちゃう」
その一言にスクッとベッドから出たと思うと、真っ直ぐ洗面所に向かう。
顔を洗って歯磨きする音が聞こえた。
と思ったらいつの間にか着替えも済まして現れて
「りょちゃん、早くしないと遅れるよ?」
なんて言うじゃないか!!!
さっきまで僕の腕の中で赤ちゃんみたいに甘えていた恋人はすっかり準備も済ませて、
トロイなぁみたいは目で僕を見ているし…
「ちょ、ちょっとだけ待ってー」
焦ってベッドから抜け出して、スマホと財布と家の鍵と…
カバンを持つのも面倒くさくて、適当にパンツのポケットに突っ込んで玄関に向かう。
バタバタと靴を履こうとしていると
モトキがスルッと近づいて来て僕の耳下に唇を寄せ
「さっきは期待しちゃった?
今日早く上がれたら、ゆっくり続きしたあげるね」
含み笑いでそう囁いたと思うと、
「んっンん」
耳朶を軽く甘噛みしてくるから、思わず変な声が出ちゃう。
たぶん首まで真っ赤になってる俺を心底面白そうに見つめたと思ったら
颯爽と玄関を出ていく恋人の背中に
いつも唖然としてしまう。
….せっかく早起きして起こしてる僕の方がミイラ取りがミイラになる、みたいな現象で、
最後バタバタと出掛けるハメになるの….いったいなんなのよ、もうっ!!
つまりはこれが「寝起きない」の正体なのですよ。
寝起き、ないでしょう….?
ちょっとコメディタッチなお二人の日常。
こんな幸せな瞬間瞬間を過ごしていたら良いのにな、の気持ちで書きました。
それにしてもラブラブって難しいなぁ:;