テラーノベル
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次に日、元貴に会うため買い出しもして早めに家を出た
まだ僕たち以外誰もいない空間で早めに来てもらいひと通り説明を終え反応を待つ
「まじで言ってる?」
想像はできていた
喜んで受けてくれる人なんていないことは
でも、はぁー?なんでそんなバイト受けたのーとかりょうちゃん馬鹿じゃんってもっと大きい反応がくるって思ってた
「もしかして生活そんなにやばいの?
キーボード買ったのがそんなに響いてる?」
「ねぇ大丈夫なの?そんなバイト..
俺もいた方がいいってこと?」
本気で心配されてなんだか恥ずかしい
確かにいい暮らしはしてないよ
自分が引き込んだ負い目からか元貴が心から心配してくれたのが分かった
こういうところだ、東京に来て心細い僕に寄り添ってくれるところ元貴はやっぱり気がいいやつだった
そしてプラスして伝えた僕の手や足の感触を確かめるみたいに触れて
「りょうちゃんすべすべになってる..本気じゃん!もう女の子じゃん、ちょっとデカいけど」
「元貴くすぐったいし、デカいは余計だし
..そうだよ乗り気じゃないのに受けちゃった
先輩にいいですよって言っちゃったの!
だいぶいい顔しちゃったの」
その瞬間元貴の表情が変わった、呆れたという顔
「馬鹿だね…今からでも断れば」
「え?無理だよ、信用無くす
ねぇお願い、1日だけでいいからもときくんも来てー?」
「1人で行けばいいじゃん」
「自信ない、どんな事するのかもわかんないし」
「ふーん、その先輩のこと好きなの?」
「そんなんじゃないよ、顔はタイプだけど
でも住む世界違う感じ」
「はぁ..今度の飯は奢ってよ」
「1.5出すって先輩」
「は?別だよ、ちゃんと奢りね」
「でもいいってこと?ありがとーじゃこれだね」
テーブルに先輩が置いたように僕も元貴の前に差し出した
先輩に言われた受け売りを元貴にも伝える
「毛はNGなんだって、元貴は元々薄いから大丈夫、でも夢を売るからとかなんとか..言ってた
毛はNGなんだよ」
「はいはい、やるからにはだね」
「あとこのバイトの事は誰にも言わないでね
みんなにも、一回だけ手伝ってやめるから」
「いいの?先輩」
「うん、だってこんなの親にも知り合いにもバレたら生きていけない」
「俺だってそうだよ」
「だよね、無理言ってごめんね..」
誰にも言うわけないじゃんってぶつぶつ文句がまだ止まらない元貴
この頃の僕は元貴とは遠慮せずに話ができる間柄になってた
それが心地良かった、兄弟のいない僕にはそんな気持ちにさせるような空気が嬉しかった
「あー良かったーじゃ明日迎えに行くね
元貴は人気出そうだねー顔可愛いもん
でも喋りすぎない方がいいんじゃない?笑」
「りょうちゃんこそ喋んない方がいいからね
バレちゃうからね色々と」
「うるさいよ」
あー言ってよかったと思うと同時に心が軽くなった、もう大丈夫って何も大丈夫になってないのだけどその時の僕は救われた気になっていた
そして学校が終わった若井、他の2人も合流して今日が始まる
甘いこと考えてはないけどもし有名になったらとても危険だともちゃんと知ってる
だから先輩には悪いけど1日だけ助けてこれは終わらそう
そうすれば何もなかった事になるし日常に戻るはず
明日を終えればと僕はそう簡単に考えていた
よし今日に集中しよう
コメント
2件
更新ありがとう💕 2人どうなっちゃうんだろ✨ 続きが楽しみです🫶🏻