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僕の兄は高校2年生と若くして病気を負ってしまった。
重度な記憶障害で、病気の内容は1日ごとに記憶がリセットされてしまう病気だそう。
そんな症状で外を歩かせる訳にもいかず、病気が治るまでは入院するんだそう。といっても治療方法が見つからず、治る可能性は少ないらしい。
僕は毎日病院へ兄の元へ行き、治ると信じ毎日会話を続ける日常を送っている。
今日も学校終わりに病院へ寄る。
『えっと… どなたですか?』
「東言です。昨日も会ったよ。」
『え、ほんと?ごめんね、』
毎日同じベンチへ移動し同じ自己紹介をする。
『僕は東問。名前、1文字違いなんて僕たちすごいね 笑』
「僕たち双子だからね … 笑」
いくら病気とはいえ毎日忘れられるのは地味にしんどかった。
『え 、 そうなんだ 』
『確かに僕ら似てるね 笑』
「…そうだね 、 笑 」
『好きな食べ物あるー ?』
…聞いた所でどうせ明日には忘れてるんだよな。
まぁ 答えるけどさ …… 。
「カレー … かな 。」
『へぇ 、 そうなんだ !』
他愛も無い話をしていると塾の時間が来てしまった。
「ごめん 、 もうそろそろ僕 塾行かなくちゃ 。」
『そっか 、』
『ねぇ 、 また会える ?』
「…会えるよ。明日こそ僕のこと覚えててね 」
『うん! … 多分ね 笑 』
翌日。また学校終わりに病院へ来た。
『どちらさまですか ?』
「東言です。 昨日も一昨日も会った。」
『え 、 忘れてるわ ごめんね !! 』
____ 。
毎日 同じ自己紹介をして、
毎日好きな食べ物はカレーだと言い続けてきた。
その後はその日にあった出来事などの世間話。
双子だというのはどうせ明日には忘れられるから言わなかった。
そんな会話をする生活が1週間ほど続いた。
僕が毎日会話しに行ったところで彼の病気は治るのだろうか?
僕は今日も彼に忘れられた。
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