今日は珍しく任務が無く、授業のみだ。
「芹那」
「何傑」
「今日デートしないかい」
「あー、前言ってたやつね。いいよ」
「何、お前ら付き合ってんの?」
教室には悟を除いた3人が居た。
「付き合ってはないよ」
「良かったー」
「なんでさ硝子」
「大好きな親友をクズに取られる訳には行かないからな」
「硝子ー大好きー」
「はいはい」
「じゃ、行ってくるね」
「んー」
「あれ?傑と芹那は?」
「デート行った」
「え!?あいつら付き合ってんの?!!」
「いや、夏油の一方通行だ」
「俺の妹に目をつけるとはお目が高いな!」
「あんないい子がお前の妹とか可哀想に」
「なんだと硝子!!」
「で、どこ行くの?」
「ベタにカフェ巡りでもしようか」
「ベタだね」
そう会話を交わすと傑は私の手を握った。
「え?」
「デートだろ?」
「確かに。じゃいっか」
「いいんだ」
「だって傑だし」
こうして傑とデートをした。その姿を誰かに見られてることに気づかずに。
「ぜ、ゼロ!」
「どうかしたか?」
「い、今、セリが居た気がしたんだけど、男の人と一緒で!!手繋いでた気がしてっ!」
「は?!どっち行った?」
「こっち!!」
セリが行ったであろう方向へ走って向かうゼロにヒロ。
「居た!!!」
そこにはセリの腰に手を回した傑。周りから見れば立派な美男美女カップルだ。周りの人達が振り返って行く。
「同じ制服…放課後デートかな…俺達より背高いよ。しかも結構なイケメン」
「セリに限ってそんな…」
「声、かけてみる?」
「…いや、声掛けて彼氏だって言われたら立ち直れない」
「じゃ、じゃあ後でLINEしてみる?」
「そうだな」
「結局傑が奢ってんじゃん。前のお礼だったのに」
どこのカフェに行っても傑は奢らせてくれなかった。
「デート相手に奢らせるほど私は腐ってないからね」
「せめて割り勘じゃない?デートなんだから」
「お嬢様の割に奢れとか思わないんだ」
「思わないよ。一言も言ってなでしょそんなこと」
「じゃあ次のデートは割り勘にしようか」
「そうね」
…ん?サラッと次回の約束を取り付けられた。まあ、いいか。傑だし。
その晩、硝子の部屋でクズ2人がゲームを持ち込みみんなで集まっていた。硝子の部屋はお酒がいっぱいあるし、タバコも吸える。そのため結構気に入ってる。クズがゲームをしているのを硝子とお酒と煙草を持って見ているとスマホが鳴った。
「ん?…え」
「どうした?」
「今日傑とデートしたの、おさななに見られてたっぽい」
「へえ。嬉しいね」
「なんて答えんの?」
「彼氏じゃないけどデートだよって」
「うわwややこしw」
【今日、███ってカフェら辺居た?】
【居たけど】
【男と一緒か?】
【うん】
【彼氏か?】
【彼氏じゃないよ。でもデートだってさ】
【そいつのこと好きなの?】
【友達として】
【そっか】
【居たなら声かけてよ。せっかく会えそうだったのに】
【いや、彼氏だったら立ち直れないから】
【何それw次から声かけてね】
【分かった】
【了解】
「お前らもゲーム参加しろよ」
「えー」
「ほら、芹那。私の隣においで」
「はーい。硝子も行こー」
「はいよ」
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