テラーノベル
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本を読む。
いつだって暇な時にはイングランドからもらった本を読んでいた。
「…」
カサ…と紙と紙が擦れ合う音がする。少し黄ばんだページは、きっと昔のものだからだろう。大体のことがフランス語でつずられて、少ししか意味ができないが、暇つぶしとしては最適だ。
英帝はこの部屋に幽閉されている。あの初めて来た日から何週間経ったことか、最近フランス帝国はあまり会いに来なくなった。来たとしても、ご飯を置いていくだけ。つまらない。
ため息にページが揺れる。
(一体全体私が何をしたと…)
本をパタン…とたたむと、息を吸い込む。微かに木の匂いがする。
もう、ここにいるのは散々だ。
ベッドから降り一つ目のドアを潜る。
あのオモチャ部屋だ。でも見慣れた姿なので、解説は省く。
そして階段を上がる。木でできているらしく、ふむと不気味にキィ…っと鳴く。
階段を上がりきったすぐ目の前にはドアがある。ずっと開けていないので、軋んでいることだろう。
(…この先には、何が待っているのでしょう?)
分からないけど、何か惹かれるものがある。
そのままドアに手をかけて、開いてみる。唾を飲んだ。
そこにはなんとも言えぬ、“素朴な空間”があった。
「…」
ごく普通のソファに、テレビに、テーブルに…しかも、ダイニングまでご丁寧に付いている。その奥にキッチンがある。
今、リビングに立っている。温かみを込めたラグが敷いてある。フランスが購入したものだろうか。ガラス張りのテーブルには、カフェオレの入ったカップがあるが、冷め切っていた。その隣にはテレビのリモコンが置いてある。
フランス帝国宅には何度か行ったことがあるが、こんなインテリアではなかったはず…と考え込んでしまう。
今までいたところは地下であろう。ちょうど、棚の隣のスペースに目立たない様に白塗りされた壁がある。なるほど、あれがさっき潜ったドアか。鍵穴があるため、元々施錠できる形であっただろうが、今日は特別されていないらしい。
どこを見てもフランス帝国は見当たらない。スマホもないのでお出かけしているのだろう。
英帝はそのまま探索することにした。
「…」
リビングはしっかり掃除されている様で、絵画が飾られていた。
ダイニングやキッチンも清潔に保っているらしい。少し、カフェオレの匂いが漂う。無駄なくきちんとした食器棚はA型に優しい。英帝は勿論、見ただけでニヤリとしてしまった。
「…ぁ」
探索途中、フランス帝国自身の部屋を見つけた。
その空間だけ、特別清潔感がしない。
「…っ」
ぐ…とドアノブに力を込めてみた。軋む音に心臓が飛び出すそうだ。
パタン…
ドアがゆっくり開いた。
「…!」
そこには、数々の“絵画”が並べられていた。
英帝は一つ一つ眺める。
「これは…本人が描いたものでしょうか」
ただ埃を被っているため、長い間使われていないだろう。まだ描き途中らしいが。
絵の具で塗れた床は変色して、汚らしい色をしていた。
その絵画を見つめる。
牢獄の中、フランス帝国本人だろうか。包帯を頭に巻いて傷だらけの男が座り込んでいる。
何か罪を犯したのか?いや、一方的に拘束されているようにしか映らない。体育座りをして目を伏せている。視線は足元を凝視している。壁に立てかけたタペストリーが靡く。地下牢だろう。窓から不似合いな光が差している。
英帝は絵を数秒間睨んだ。
『何してんの?』
後ろから声が聞こえる。
びっくりして後ろを振り返ると、そこには包帯を外した男が立っている。
『…出てきたの』
フランス帝国は気に食わない顔で英帝を見つめた。眉毛が怒りでピクピクしている。
英帝はここぞと言わんばかりに叫んだ。
(止まれ)
フランス帝国の動きが鈍くなる。
「…あなたが悪い」
「ずっっっと私のこと監禁しているくせして、何もしないとは…」
「何がしたいんですか?」
英帝は拳を握る。殴るためじゃない。フランス帝国が怖かった。
『…君には分からないんだ』
一気に空気を吸い込む。
『ジュがどれほど君を愛して、愛されようとしているかね。狂おしいほど愛おしい君を狙わないやつなんていないんだ。葡帝も西帝も和帝もみんなみんな君が大好きで堪らないに違いないよ。ジュはそんな奴らから君を守りたいんだ。決して君が欲しいんじゃない。誰かのものにもなって欲しくないだけなの。お願いだから、ジュから離れようとしないで?ジュが目の届く所にいて。一生手錠を繋いでここに監禁してもジュはいいと思ってるぐらい大切なんだ。これ以上、ジュを落胆させたらそうしようかななんて冗談じゃないんだよ?もう君を奪われたくないし、ジュ自身を振り回されたくない。だからジュは君に催眠を仕掛けたの。でも気づいた。どう頑張っても君は手に入らない。身体を堕とすだけじゃ絶対堕ちないって。だって、君はジュをすごく嫌っているし、殺したいとも思っているだろう?当然だ!こんな腐れ縁など世界のどこを探してもいないだろうね‼︎何度も何度も君との争いを起こして、未だにギスギスした関係だもの‼︎もし君が剣を持ってたら、ジュは切り刻まれて死んでいたんだろうな…でも君を諦められないし、手放したくない。せっかくジュだけを見てくれるチャンスなのに…だから今は迷っていて何もできないんだ‼︎分かって⁇分かった⁇絶対わかってないだろうけど‼︎』
フランス帝国は思い切り音を立ててドアを閉めた。
「っ」
音にビクッと身体が跳ねる。
英帝は訳もわからず、取り残されてしまった。
「…情緒不安定な方です…!」
英帝もイラついてドアを蹴る。
「…はぁ」
なんだか解放された気分。あいつに縋り付かれるだけで息が詰まるほど不愉快だ。英帝のことが好きだろうと、好きじゃなかろうと、英帝はフランス帝国に心を許しはしない。
気休めに絵画をじっと見つめてみた。
「…」
「…!!!!」
英帝は目を見開く。
あの獄中のフランス帝国の絵。
奥のタペストリーには、第三帝国の国旗が翻っていた。しかも、フランス帝国の顔をみると、顔中央に何か描いてあるのが分かる。
そうかそうか、これはヴィシー・フランスか。
しめしめ、とフランス史の本を読んでいて思っていたわけだ。
ヴィシー・フランスがフランス帝国本人なのかは知らない。別にまたいるのか。それとも姿が変わっただけか。
ただ、あいつはどんな気持ちでこの絵を描いたの?
他にも絵を見つめる。
綺麗な高原の絵。炎に包まれた雪国の絵。首都パリの昔らしい景色の絵。ウィーンの街並みの絵。
数えきれないほどの美術作品が並んでいた。
「あれ…」
一つ、丁寧に布に包まれた“縁付き”の絵を見つけた。
とても綺麗で、これだけ定期的に掃除しているらしい。
英帝は早速布を剥がず。
「これは…」
現れた絵を両手で支える。
できたばかりのビックベンだ。
その目の前に英帝と思わしき人物が、ベゴニアを両手いっぱいに抱きかかえている。表情は嬉しそうで、涙が流れている。
ベゴニアの花言葉といえば、また本で読んだことがある。
「こんなの…いつ描いたんですか…!」
分からない。
懐かしさと嬉しさと感動と、同時に気持ち悪さが湧き上がってくる。何もかも渦に巻き込まれるように英帝の中でもがいている。
鬱陶しい‼︎
英帝は絵を黒塗りにしようとそこに転がっていた黒い絵の具を取り出した。
『…ねぇ英帝あのさ….』
気づけば後ろにいた。
英帝は黒い絵の具をすぐさま隠す。
『…さっきは言いすぎた。ごめんね』
フランス帝国は俯きながら言う。
幸い英帝の未遂には気付いていないようだ。
英帝は焦りを隠そうと、慌てて口を開く。
「…い、いえ大丈夫です」
『そっか…』
フランス帝国はそんな英帝に優しさを感じたのか、切なげに微笑む。いつもなら、お仕置きだよ とか言って盛るはずなのに、今日のフランス帝国はどうも様子がおかしい。
英帝はバレないように黒い絵の具を床に置いて、何事もなかったように笑いかける。
『ここはジュのアトリエだよ。まだ現役だった頃、色々な国を行き来して風景を描いていたの』
フランス帝国は絵を一つ一つ撫でる。その手つきは優しく赤ん坊を撫でるようだった。額縁を触れば埃がついてしまい、その指へ息を吹いて埃を飛ばした。
『ジュが最初に描いたのは、この翻るフランス国旗の絵。まだまだ筆とか絵の具の使い方が分からなくって、途中何回か描き直したんだ。あぁ懐かしい』
喋る姿はまるで演劇のワンシーンさながらだった。バックでミュージックが流れて、フランス帝国だけを彩っている。本人もまるでこの部屋には一人しかいないような囁き声で作品を語っていた。
英帝はフランス帝国の話を警戒しながら聞いている。
『ジュの自信作は、この、ビックベンと君を描いた絵だ』
そう綺麗に縁取られた絵を持ち上げた。
今、その絵の中の人物が出てきてフランス帝国と踊り出しそうだった。ラ・カンパネラが聴こえてきそうだった。
これが演劇なら聞くに耐えない。
『これはただの創作の絵さ。
ジュはこんな輝く君を見た事ないし、イギリスなんか戦以外で印象に残る物はなにもない』
ライトがフランス帝国だけに集中して、意識が自然と向く。いないはずの観客の視線は英帝を見ていない。邪魔者だと罵るだろう。
英帝は逃げ出そうと構えた。
『でもね、これはただの絵画じゃない。安定剤だ。
ここに君がいれば、偶像でも何だかジュの所収物みたいな感じがして、落ち着いたんだ』
英帝は“所収物”という言葉に背筋が凍る。心底不愉快である。早く逃げたい。
ただ一番厄介なのはフランス帝国がドア側にいることである。走り出したらフランス帝国に体当たりするほかない。が、体格差ってものがある。
『…ねぇ英帝』
フランス帝国は絵を置いた。
『こんなのバカバカしいよね。
ジュは叶わない恋を、本人の前で告白してるんだよ。笑えるよね』
フランス帝国はただ、絵だけを見ている。繊細に描かれた塔をすぅっと人差し指でなぞり、不安そうに笑う。
英帝は、その指が動くたびにドキッとする。いつかその手で絆されてしまうのだろうか。
「私は笑えません。監禁されている側になってみてください!」
演劇は続く。
観客は英帝を見上げ、ブーイングを浴びせる。それに反するように叫ぶ。誰もいないっていうのに何故か心が落ち着かない。
『…ごめんね。これは君を守る唯一無二の手段だったんだ。頭馬鹿だからさ、まともに考えられないんだよ。ジュは』
観客は可哀想な視線でフランス帝国を見る。涙を抑える女性、鼻を啜る男性、泣き出す赤ん坊が会場に響く。
(違う、まるで私が悪いみたいではないですか)
小さな悲鳴は、掻き消される。
(みんなみんな敵なんですか?何で私はこんな風に悪役しか背負うしかないのでしょう?)
(いっそその絵画なんて壊れてしまえ)
英帝は自分ながら悪役に相応しいと思う。
これまで悲惨なビランはいただろうか?
そんなのはどうでもいい。
英帝は後ろにあった彫刻刀を手に取った。
『…英帝、この絵見てどう思ったの?』
英帝は彫刻刀を強く握る。
「…心底不愉快でした」
しっかり睨みを効かせる。その手にある絵を早く引き裂きたい。
『…そう』
フランス帝国は絵画を壁に打ち付ける。
「!?」
英帝は絶句して彫刻刀を落とす。汗と、絶望と驚きが身体から溢れ出てきた。さっき彫刻刀を握っていた右手は何故か汗まみれ。ぶるぶる震えている。
かのフランス帝国は、無心に絵画を破いて紙屑を床に落とす。何も考えていないような瞳がますます怖くて怖くて。死んだ魚のような目。
我ながら、よくもここで生きているな。
『…こんな絵画壊れてしまえばいい。もう偶像の君はいらないんだ。ここに君がいるから』
ボロボロになった縁を床に放り投げる。
『怖がらないで?君にはこんな事しない』
ビクビク震える英帝の両手を取る。
英帝は、怯えた目でフランス帝国を見上げた。口が開きっぱなしで、悲鳴が出てきそう。
『この数週間、ジュは何で迷ってたんだろうねがむしゃらにならないと意味がないってなんでわかんなかったんだろ』
『英帝…やっぱ好きだよ、ジュは
これからも諦めない。いつか君が僕に堕ちる日を待っているよ。だから…』
フランス帝国は薄気味悪い笑顔を浮かべると、英帝のおでこにキスをする。
(…あ)
英帝が思うにはもう遅い。
気づけば部屋の隅まで追い詰められている。
(…久しぶり)
きゅんっ♡
英帝は恥ずかしそうに足を捩らせる。ナカがヒクヒクしているのに少し勘づいていた。
まだあの衝撃が忘れられなくって、乙女心か、恐怖かで心臓が大きく跳ねている。
フランス帝国は英帝の顎を上げると、深いキスを始める。
「ん”…ぁ♡、ふ…はっ…ん♡」
何週間ぶりかの営みに身体が喜んでいる。認めたくないが。
『…ごめんね、いつも強引で。愛してるよ♡』
心地よく、気持ち悪い囁き声が脳に染み込む。フランス帝国のことをどう思ってるか分かんなくなってくる。
フランス帝国は英帝の股下に手を置いた。
『…あれ?もしかして濡れてる?
君ってば身体は比べ物にならないぐらい正直なんだから♡』
「う…っさい…です…!」
英帝はフランス帝国の手を引っ張る。でも、フランス帝国の手は深くまで侵攻していく。
『君ほど淫乱な子知らないよ
もうこんなに濡らしちゃって…犯して欲しいんでしょ?』
「な”、な”わけ…っ!」
フランス帝国は英帝のズボンを下に引っ張る。
英帝は無抵抗だった。あわよくば期待の眼差しで見ている。
そのままその手に身を任せてしまった____。
ぱんっ♡…ぱんっ♡…ぱんっ♡…ぱんっ♡__
「い”ぅッ♡……っお”♡ん”…….はぁ、♡」
フランス帝国に両足を持たれて抱き抱えられ、必死に抱きついている。背丈的に、フランス帝国の真ん前に英帝の顔がある。
英帝は相変わらずの欲を刺激するとろけ顔をしている。瞬きをするたびに、瑠璃色の瞳からハタハタと透明な涙が零れ落ちる。
フランス帝国は英帝とキスしようと何度も試みたが、英帝がなかなかこちらを見ず、天井を見上げるばかりなのでどうすべきか分からない。
『英帝、こっちみてよ…』
フランス帝国の願いも、トんだ英帝の脳に届かない。英帝はただただ息を切らして、腰を揺らすだけだった。
フランス帝国が動くたびに英帝のナカから、すでに出されたと思われるドロドロした液体がポタポタと落ちていった。
「はへ……ん”ッ♡……..はぁ…っ“♡….お“ぉ”♡」
英帝の目の前はチカチカしていて、自分でもどこを見ているのかよく分かってない。でも、フランス帝国がそこにいるって言うのだけ分かる。
フランス帝国は腰を止める。
「はー…ッはー…ッはー…ッ?」
フランス帝国はそのままさっき壊した絵の上に英帝を降ろす。
そのまま英帝の開きっぱなしの口に舌を差し込む。
「ん”…はゅ…っんあ……..ッ”♡」
英帝は優しく舌を迎えると、入ってきた舌と絡め合う。英帝は目を瞑って、フランス帝国と目を合わせようとしない。
フランス帝国はそのまま腰を動かす。
ずちゅ……♡ずちゅ…….♡ずっ……♡___
「ふぁッ…..⁉︎♡あ”ッえ”…..かは……っ”ん♡」
英帝のはフランス帝国の腰に足を絡める。
徐々にフランス帝国の動く速さが速くなってくる。
「あ”は…っ♡……へ…..♡“….ん“ぐ…ッ♡」
(あ、また出されちゃう…♡♡♡)
英帝は自然にナカを締めた。
『ん“….ッ♡…….でる♡』
びゅくッ〜〜〜♡____
「あ”ぁ”っ〜〜〜〜♡”」
英帝のナカから、古い液体が出てきて新しいもので満たされてゆく。
奥、お腹の中があったかくて眠くなる…
「ん”….♡」
コテン
英帝は深い眠りにつくと、絵画の上で身を捩った。
『…はぁ気持ちよかった…』
ナカから抜く。それと同時にドロドロとナカから白い液体が出てきた。
『最初に比べてキス上手になったな〜』
眠る英帝を優しく撫でる。
『英帝も、そろそろジュとのに慣れてきたのかな…?』
『なんかそろそろ新しいプレイがしたいなーオモチャもいいけど___』
フランス帝国はニヤリと笑うと、英帝のナカから出る精液を手で押さえた_____
🇫🇷「…なるほどね〜」
フランス帝国は深く頷いて、エスプレッソに口付ける。
🇩🇪「だ、そうだ。まぁスイスからの情報だから誤りはないだろう」
ドイツもコーヒーに啜る。
🇬🇧「へぇ…フランス帝国さんは
オーストリアに別荘を買ったと?」
🇩🇪「たしか、ハイリゲンクロイツ周辺にあるらしいな…
結構デカめなんだそうだ」
🇫🇷「んふふ、ドイツありがとう
あんのクソ兄貴別荘から引っ張り出してやる…」
🇬🇧「私としては、まぁ幽閉された方がありがたいというか…」
次回、終わりかもしれないしまだもう一話あるかもしれない。
これ結構前から書き始めてたんですけど、放置してしまって本当に申し訳ない。反省しています。
では、また今度!
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コメント
4件
拝啓、母上、パピ上、私はこの別荘のベッドになるべく旅立ちます、さようなら
ま︎︎゙ッて︎︎゙…!?一日に2個投稿は聞いてないのでもう1回リピってきます(??) 情緒不安定なフラ帝さん…大丈夫かそんなに好きなのか… …もう結婚しなって2人とも(ダメです) …これBADENDになるかHappyENDになるかわかんない…私的にはフラ帝さんだけバッドになりそうな予感……🤔(ただの考察)