コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「最後にキスして、終わらせて」
BL
nmmn
amnv
prmz
R18有り🔞
1部AI生成
※学パロ
年齢共通高二
⚠️死ネタ
何度か可哀想な目に遭う場面がございます。
苦手な方Backお願いいたします。
ご本人様とは一切の関係ございません。
スクショ、拡散等禁止❌
nmmnのルールを守ってください。
理解した上で楽しんで頂ければと思います。
どうぞ
四月半ば
夕方の校舎は、西日が廊下の窓に長く伸びて、教室の床をオレンジ色に染めていた。
まぜ太は教科書を揃えながら、横目でそっと隣の席を見る。
そこには、今日も変わらず飄々とした雰囲気のぷりっつが座っていて、スマホをいじりながら脚を揺らしている。
「……はよ帰るぞ、まぜ太。」
何気ない声。
でも、その声に、まぜ太の心臓はいつもより強く跳ねた。
「わ、わかってるよ……今行く。」
つい素っ気なく返してしまう。
本当はもっと自然に笑いたい。全然うまくいかない。
教室を出て、二人並んで廊下を歩く。
誰もいない夕方の学校は、静かで少しだけ怖くて、だけど──
横にぷりっつがいると、不思議と安心した。
「なぁ、今日の体育のバスケ、調子良かったやん。」
軽い声。
けれど、その言葉に、まぜ太の胸はまた熱くなる。
「当たり前でしょ??俺こう見えてバスケ部副キャプテンな」
「俺キャプテンやけど?」
ぷりっつは笑っている。
その笑顔が、窓から差す夕陽に照らされて、妙に綺麗だった。
――こんなの、好きになるなってほうが無理だよ。
心の中で呟いて、そっと目を逸らす。
階段を降りるとき、ふとぷりっつの腕が触れた。
ほんの一瞬のことなのに、体温を感じて息が詰まる。
「ん?どうしたんや、急に静かになって。」
「なんでもないって……。」
「嘘やろ、顔赤いぞ?」
「赤くない!」
ぷりっつが覗き込むように顔を寄せてくる。
まぜ太は慌てて距離を取るけど、内心それさえ苦しい。
――だってそんな近くで見つめられたら。
校門を出ると、春の風がふわり吹いてきて、まぜ太の前髪を揺らした。
「今日寄り道してこーや。」
「なんで?家帰んないの?」
「なんとなく。……お前と喋りたいだけや。」
「……っ。」
今のを聞いて、顔が熱くならない人がいるのか。
「……少しだけだよ。」
「ん、決まり。」
並んで歩く帰り道。
コンビニに寄ってアイスを買い、歩きながら食べる。
まぜ太がチョコを落として慌てたら、ぷりっつが笑う。
「ほんまドジやな、お前。」
「うるさいな……!」
そんな他愛ないやり取りが、どうしてこんなに幸せなんだろう。
気づけば、いつの間にか陽が沈んでいた。
本当は今にも言いたい。
「好きだよ」って。
言えないけど。
でも、伝わってしまいそうで。
「……帰ろっか。」
「おう。」
今日も、二人の距離は“友達”のまま。
でも、歩く道の距離は、恋人のように寄り添っていた。
知らない。
この幸せがあとわずかで壊れてしまうなんて、まだ誰も。
――二人の恋は、この夕陽のように静かに、ゆっくり夜へ向かっていた。
翌日
放課後の柔らかい空気は、いつもと変わらなかったはずだ。
まぜ太とぷりっつは、校舎裏のグラウンド沿いを歩いていた。
いつものように帰り道をたわいない話で笑い合いながら。
「ほんであの先生な、俺のことだけ宿題増やしよんねん。ひどない?」
「それはぷーのすけがうるさいからでしょ……」
「俺は元気なだけやっ!」
「それがうるさいんだよw」
口ではそう言いながら、まぜ太は楽しそうだった。
風に揺れた前髪の隙間から、自然と彼が笑っている顔を見てしまう。
――この時間がずっと続けばいいな。
そんな願いがふっと胸をよぎる。
でも、その直後だった。
ふらり、と視界が歪んだ。
「……あれ……?」
まぜ太の足がもつれる。
地面が波のように揺れ、耳鳴りがひどくなった。
「おい、まぜ太?」
ぷりっつの声が遠くなる。
呼吸が浅くなり、体から力が抜けていく。
「……ぷ…のすけ、……」
その名を呼んだ瞬間、まぜ太の身体は完全に崩れ落ちた。
「まぜ太!!」
ぷりっつは反射的に抱きかかえた。
ぐったりとした体は熱く、でも手足は冷たい。
「おい、嘘やろ……まぜ太!おいって!」
震える声。
そのまま全力で肩を揺さぶる。
まぜ太は答えない。
閉じたままの瞳は動かず、胸の上下も浅い。
校庭のざわめきが遠ざかる。
ぷりっつは恐怖で喉が焼けるようだった。
「誰か!!救急車呼んでくれ!!」
叫んだ声が空に響く。
しばらくすると救急車が到着し、救急隊がまぜ太を担架に乗せ救急車に運ぶ
救急車の中、ぷりっつはまぜ太の手を握り続けていた。
揺れる車内の音だけが響く。
彼の手は冷たくて、何度擦っても温度が戻らない気がした。
病院に運ばれてから数時間後。
夜の病棟は、白い光が冷たくて静かすぎた。
まぜ太は処置室に入り、ぷりっつは待合室で膝を抱え込むように座っていた。
時間がたつごとに、胸の奥が痛くなる。
「あいつ……さっきまで笑っとったのに……」
声にならない呟き。
心臓の鼓動が耳の奥でうるさい。
看護師が来て言った。
「もう閉館時間ですので。ご家族の方以外は…」
「……まだ、目ぇ覚めてへんのに。」
「申し訳ありません。明日また来てくださいね。」
「……いやや。俺……あいつが起きるまで……」
病院側に迷惑がかかるなと思って言いかけた声は途中で途切れた。
力が抜けそうな足を何とか動かしながら、病院の出口へ向かう。
そこから出る瞬間、まぜ太がいる病室を最後に見た。
胸がちぎれそうだった。
次の日。
病室は朝の光が優しく差し込んでいた。
カーテン越しの光に照らされて、まぜ太のまつげが微かに震える。
「……ん……」
指が動く。
次いで、ゆっくりと瞼が開いた。
「……ここ……病院……?」
視界に天井、点滴、白い壁。
昨日の記憶が徐々に戻る。
そこでドアが開き、医師が静かに入ってきた。
「まぜ太くん。気分はどう?」
「少し……頭が重いです。」
医師はカルテを見ながら、深く息をついた。
「…まず、目が覚めて良かった。
ただ、少し話したいことがある。」
その声の重さに、まぜ太は胸がざわついた。
「……なんですか?」
医師は数秒黙ったあと、静かに言った。
「検査の結果……君の病状はかなり進行していてね。 治療は試すが……現状では、長くは……」
時間が止まる。
喉が閉じて息が吸えない。
心臓が一瞬止まったみたいに、痛くなった。
「……ど、どれくらいなんですか……?」
声は震えて、うまく出ない。
その問いが何を意味するか、まぜ太は理解していた。
理解したくなかった。
医師はゆっくり、言葉を選ぶように口を開いた。
「……おそらく。
今のままだと一年ほど、だと思います。」
世界が静かに崩れた。
音が遠のき、視界がにじむ。
自分の鼓動だけがやけにうるさい。
「……一年……?」
その言葉を繰り返した瞬間、まぜ太の胸に鋭い痛みが走った。
悲しみ。恐怖。絶望。
そして一番強かったのは
昨日まで隣で笑ってくれていた、あの人の顔だった。
ぷりっつの顔が、涙でぼやけて見えた。
「……ぷーのすけ……」
震える声がかすれて消える。
その瞬間。
まぜ太は悟ってしまった。
もう、好きでいちゃいけない。
この恋は、俺が死ぬ日で終わってしまうから。