私は人を守るためにこの個性を使ったことがない。
使う機会がないのだ。
だからいつも、生まれつきの超身体能力の力でしか人を救ったことがない。
弔「…図星みたいだね。」
ー第3話ー
『…いつかこの個性を人を救うために使える個性にするの…』
そう言って私は自分の手のひらを見た。
小さい頃は人に触っただけで石化させてしまっていた。
でも今は自由にコントロールできるようになってきている。
弔「結局そっちにいてもみんなを傷つけるだけだろ…」
私は兄を睨んだ。
『私をヴィラン連合に入れて何をしたいの?』
兄は思いっきりの笑顔で笑った。
弔「オールマイトを殺す。それだけ。」
『…!』
『オールマイトは世界で見てもトップのヒーロー。そんな人に私を入れたって勝てるはずない。』
弔「僕と珠洲の個性を合わせるんだよ」
「そうしたら“最強”が出来上がる」
「その実験をするんだ」
『何を…言ってるの…』
実験?合わせる?最強?どうやって?
疑問が疑問を呼び、私の頭は混乱していた。
兄は「まあいい」と言って後ろにいる仲間に向けて言い放った。
弔「珠洲を“奪え”」
『…!』
ビュン
私は嫌な予感がして後ろに素早く下がった。
シュッ!
トガちゃんのナイフが私がさっきまでいた空間を裂いた。
『5対1は不公平じゃない?』
私は笑いながらみんなの攻撃を避け続けた。
兄はなにか見物を見るような目で言った。
弔「お前には5人分以上もの力があるからいいだろ。」
『…ひどいなぁ』
私は一切攻撃を加えず5人の攻撃を交わし続けた。
トガ「スズちゃん。もう私はスズちゃんと戦いたくないです。仲良くヒーロー殺しましょう?そうしたらまた恋バナができる!」
『ごめんねトガちゃん、それは…できない。』
バァァン
私は致命傷にならないくらいの威力でトガちゃんを吹き飛ばした。
ボフヲワァァァ
『ッ…!』
荼毘の炎が私の身体を焼いた。
ガシッ
そのまま私の首を掴んで壁に叩きつけた。
荼毘「いい加減起きろよ。今のお前は珠洲じゃない。」
『だまっ…て!』
ヒュッ
足で荼毘の腹を蹴ろうとしたが、余裕でかわされた。
荼毘は兄の次に強いと思われる人物。
流石に一発では倒せない。
『流石にこれは無理でしょ…』
荼毘、トゥワイス、Mr.コンプレス、スピナーが並んで私の目の前に来た。
ヴィラン連合のメンバーはみんな強い。
トガちゃんは最年少でもあるし、個性の事情的にまだ私だけでも倒せる。
でもこの4人が一気に来てしまうとちょっと難しい。
私の個性では殺してしまう可能性もあるため使えない。
身体能力だけでの戦いとなると多分負ける。
『はあ…』
降参しようと手をあげようとしたとき
ダダダダダダダダ…
スピナー「…なんの音だ?」
弔「…こっちに向かってきてるな」
もしかしてデク達?!
ドガァァァン
壁を壊して入ってきた人物。
その人は大きな声で言った。
???「私が来たァァァァ!」
全員「オールマイト…?!」
コメント
2件
すっごい良かったです!! 続き楽しみにしてます!!