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りな
79
65
ゲスト
32
続き〜
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ある日の夕方。
リビングで叶がソファに寝転がっていると、葛葉がやってくる。
「叶ー」
「んー?」
「コンビニ行って」
「……え?」
「アイス食いたい」
「自分で行けば?」
「めんどい」
「いや僕もめんどいんだけど」
「兄ちゃんでしょ」
「そういう時だけ兄ちゃん出してくるじゃん……」
葛葉は当然のように財布を叶に渡す。
叶はそれを見て、
「……何味?」
「チョコ」
「はいはい」
「あと俺の分だけじゃなくて全員分」
「えぇ……」
「頼むわ」
「……まあ、いいけど」
叶は渋々立ち上がる。
その瞬間、甲斐田が顔を出す。
「あ、叶兄!」
「なに?」
「僕、プリンもお願い」
「え?」
「あと牛乳」
「……」
「よろしく!」
「甲斐田ぁ……」
さらに加賀美。
「叶兄、もしよければ炭酸水も」
「社長まで!?」
「すみません」
「いやいいけど……」
不破が手を上げる。
「叶兄! 俺、ポテチ!」
「ふわっちまで!?」
剣持。
「僕は何もいりません」
「剣持だけ優しい……!」
「その代わり」
「うん?」
「帰りに僕の漫画返してきてください」
「…………」
「お願いします」
「……はい」
叶は両手いっぱいの注文をメモする。
「もう……みんな僕のことパシりすぎじゃない?」
葛葉がソファから言う。
「でも行ってくれるじゃん」
「……」
叶は少しだけ頬を膨らませる。
「……弟たち、生意気なんだよなぁ」
そう言いながら靴を履く。
「でもまあ、可愛いからいっか」
「聞こえてる」
「聞こえるように言ったもん」
「キモ」
「葛葉!?」
そんなやり取りをしながら、叶が出ていく。
ドアが閉まったあと。
五人が顔を見合わせる。
甲斐田がぽつり。
「……叶兄ってさ」
「うん」
「なんか可愛くない?」
加賀美も頷く。
「分かります」
不破も笑う。
「めっちゃ分かる」
剣持が淡々と、
「長男っていうより末っ子ですよね」
葛葉はソファに寝転がったまま、
「昔からそうじゃん」
「ですよねー」
「でも、あれで一番上なんだよな」
「そうなんですよね」
五人で笑っていると――
ガチャ。
「ただいまー」
「!!」
叶が大量の袋を抱えて帰ってくる。
「ほらー。買ってきたよ」
「ありがと、叶兄!」
「ありがと!」
「助かります」
「叶兄最高!」
「……お前らさぁ」
叶が袋を渡していく。
最後に葛葉へアイスを渡す。
「はい、チョコ」
「ん」
「……」
「何」
「別に?」
叶はにこっと笑って、
「……ほんと、可愛い弟たちだなぁ」
「「「「「……」」」」」
五人が一斉に叶を見る。
そして葛葉がぼそっと。
「……やっぱ叶、可愛いわ」
「え?」
「なんでもない」
「ちょっと、今なんか言った?」
「言ってない」
「絶対言ったじゃん!」
結局この兄弟、
長男をパシる弟たちと、パシられながら弟たちを可愛がる長男。
そして弟たちは弟たちで、
「兄として頼りないけど、なんだかんだ一番可愛い兄」
と思っているのであった。笑
⚔️🏢┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈🥂🌞
ここまで〜
コメント
1件
もう、この兄弟のバランスが絶妙すぎます!弟たちにパシられながら「可愛いからいっか」って頬を膨らませる叶兄と、そんな叶兄を「一番可愛い」と思ってる弟たちの相互認知が尊い。最後の葛葉の「やっぱ叶、可愛いわ」が最高でした。日常の何気ない一コマなのに、全員の関係性が伝わってくる温かいお話でした〜!