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108
雪葵
530
5,217
――翌朝。
角名家。
朝。
リビング。
角名。
**なんか機嫌いい。**
妹。
停止。
「え?」
母
「珍し」
父
「今日元気やな」
理由。
昨日。
> **「……ほんまに、嫌ちゃうよ」**
>
脳。
まだ。
処理中。
角名(心の中)
(嫌ちゃう)
(え)
(供給)
(今日も頑張れる)
妹。
ニヤァ。
「お兄♡」
角名
「……嫌な予感」
妹。
スマホすっ。
昨日の動画。
再生。
> 『……ご一緒したいですわ』
> 『……はい、ですわ』
> 『……静かにしてくださいまし』
妹。
ソファ転げ回る。
「可愛すぎるんだけどwwwwww」
角名
「消せ」
妹。
にっっっこり。
「で♡」
角名
「嫌」
妹
「今日はこれ♡」
スマホ画面。
**“執事コス”**
角名。
停止。
数秒。
そして。
「……女装じゃない?」
妹
「男装♡」
角名
「…………」
妹
「執事♡」
> **“完璧執事設定♡”**
> **“敬語ガチ♡”**
> **“大耳先輩だけちょっと特別対応♡”**
角名。
少し考える。
フリルなし。
スカートなし。
女装じゃない。
しかも。
**かっこいい系。**
角名
「……まぁ、これはマシ」
妹。
停止。
「え?????」
母
「乗り気」
父
「珍しいな」
妹
「待って!!!!!!」
角名
「女装じゃないし」
妹。
爆笑。
「テンション違うwwwwww」
――数十分後。
完成。
黒シャツ。
ベスト。
ネクタイ。
白手袋。
少し整えた髪。
そして。
**顔が良すぎる。**
妹。
静止。
「待って」
母
「え、ドラマ?」
父
「モテそう」
角名。
鏡見る。
少しだけ。
満足。
角名
「……悪くない」
妹
「乗り気じゃんwwwwww」
――朝練。
体育館。
ガラッ。
扉。
開く。
静止。
全員。
止まる。
侑
「……………………」
治
「……………………」
部員
「……………………」
昨日。
ゴスロリ。
今日。
**執事。**
侑
「え、待って」
治
「普通にかっこええ」
部員A
「過去一かも」
部員B
「顔面強」
角名。
少し姿勢よく。
軽く会釈。
角名
「おはようございます。本日もよろしくお願いいたします」
体育館。
**爆発。**
侑
「完成度高すぎるwwwwww」
治
「急に仕事できそう」
その時。
――ガラッ。
扉。
空気。
変わる。
入ってきたのは。
**大耳練。**
角名。
停止。
(待って)
(今日執事)
(女装じゃない)
(ちょい安心)
大耳。
止まる。
数秒。
見る。
**執事角名。**
沈黙。
そして。
少し目丸くして。
ぽつり。
「…………今日、かっこええな」
体育館。
**静止。**
角名。
**脳、停止。**
体育館。
**静止。**
シーン。
誰も。
動かない。
侑。
停止。
治。
停止。
部員。
全員。
停止。
角名。
**脳、完全停止。**
(え)
(今)
(かっこいい????)
(かわいいじゃなくて????)
(え)
(供給)
(好き)
(むり)
昨日まで。
「似合っとる」
「嫌ちゃうよ」
そして。
今日。
> **「かっこええな」**
角名(心の中)
(無理)
(嬉しい)
(めっちゃ嬉しい)
(しぬ)
でも。
今日。
**執事。**
しかも。
女装じゃない。
ちょっと乗り気。
だから。
少しだけ。
余裕ある。
角名。
軽く頭下げる。
でも。
耳。
真っ赤。
角名
「……ありがとうございます」
侑。
**停止。**
治。
**停止。**
部員。
ざわっ。
侑
「え?」
治
「普通?」
部員A
「今日テンション違う」
部員B
「受け入れ早」
角名。
少しだけ。
口元隠す。
角名
「……執事ですので」
侑。
床叩いて爆笑。
「乗り気やん!!!!!!」
治
「昨日まで“帰りたい”やったやん」
その時。
大耳。
少し笑う。
そして。
ぽつり。
「なんか今日、安心感あるな」
角名。
停止。
(安心感????)
(え)
(なにそれ)
(褒め言葉??)
大耳。
少し近づく。
普通に。
自然に。
「コート入る前、タオルとか渡してくれそう」
部員。
ざわっ。
侑。
ニヤァ。
「うわ♡」
治
「想像してもうた」
角名。
今日の設定。
> **“完璧執事♡”**
> **“敬語ガチ♡”**
> **“大耳先輩だけちょっと特別対応♡”**
逃げられない。
でも。
今日は。
ちょっとだけ。
楽しい。
角名。
少し姿勢正して。
角名
「もちろんです。大耳さん専属でお世話いたします」
体育館。
**完全静止。**
侑
「……………………」
治
「……………………」
部員
「……………………」
数秒。
そして。
**大爆発。**
侑
「専属ぅぅぅぅぅ!?!?!?!?」
治
「特別対応始まったwwwwww」
部員A
「強すぎるwwwwww」
部員B
「朝から甘!!!!!!」
大耳。
少し止まる。
そして。
ちょっと笑う。
「……それ、ちょっと嬉しいかも」
体育館。
**再静止。**
角名。
**脳、再起不能。**
(嬉しい????)
(今)
(嬉しいって言った????)
(え)
(供給)
(好き)
(今日ほんま無理)
顔。
真っ赤。
耳まで。
首まで。
侑。
ニヤァァァ。
「なぁすなちぃ~♡」
角名
「……なんですか」
侑
「大耳さん、もう落ちとるやろ♡」
治
「“嬉しいかも”は強い」
部員A
「専属とか言われて嬉しいはもうアレやん」
部員B
「朝から甘すぎる」
角名(心の中)
(やめて)
(期待する)
(ほんまやめて)
でも。
その時。
大耳。
普通の顔。
でも。
なんか。
少しだけ。
楽しそう。
「じゃあ角名」
角名
「……はい?」
大耳。
少し笑って。
ぽつり。
「今日、一日頼むわ」
体育館。
**完全停止。**
侑
「……………………」
治
「……………………」
部員
「……………………」
角名。
**脳、爆散。**
(待って)
(一日????)
(頼む????)
(専属????)
(供給過多)
(しぬ)
でも。
今日。
**執事。**
しかも。
ちょっと乗り気。
角名。
軽く一礼。
いつもより。
ちょっとだけ。
口元ゆるい。
角名
「……かしこまりました。大耳さん」
侑。
ついに。
床転がる。
「ノリノリやんwwwwwwwww」
治
「今日楽しそうで草」
大耳。
少し目丸くして。
そして。
ふっと笑う。
「……うん。なんか今日ええな」
角名。
**再死亡。**
(また褒めた)
(8回目)
(好き)
(無理)
(生きる)
その時。
監督の声。
「おーい、始めるぞー」
空気。
少し戻る。
でも。
侑。
まだ笑ってる。
「今日のすなりん絶対おもろいwwwww」
治
「大耳さん限定特別対応、期待しとくわ」
角名。
死んだ目。
でも。
ほんの少し。
機嫌いい。
角名
「……本日の大耳さんのお世話は、私にお任せください」
大耳。
少し笑う。
「頼もしいな」
角名。
**終了。**
そして。
その日。
稲荷崎バレー部。
全員が思った。
> **“執事、当たり回や。”**
――そして。
**授業。**
今日は。
奇跡。
**メロスじゃない。**
角名(心の中)
(勝った)
(今日は勝った)
(メロスじゃない)
(平和)
教室。
ガラッ。
執事角名。
入室。
静止。
女子
「……………………」
男子
「……………………」
数秒。
そして。
**爆発。**
「今日もやば!!!!」
「待って執事好き!!!!」
「普通にホスト感ある!!!!」
侑。
即来る。
ニヤニヤ。
「おはよぉ~専属執事♡」
治
「今日機嫌ええやろ」
角名。
軽く会釈。
角名
「おはようございます。本日もよろしくお願いいたします」
侑。
机叩いて崩壊。
「完成度高!!!!」
治
「もう慣れてきたな」
そして。
先生、入室。
止まる。
二度見。
先生
「…………今日は執事か」
角名
「左様でございます」
教室。
**崩壊。**
先生。
肩震えてる。
「……もう慣れてきた自分がおる」
授業開始。
今日は。
**家庭科。**
テーマ。
> **“栄養バランスについて”**
角名(心の中)
(平和)
(これは平和)
先生。
プリント配る。
「じゃあ質問。スポーツ選手に必要な栄養は?」
教室。
静か。
先生。
「角名」
角名。
立つ。
執事モード。
姿勢良。
角名
「筋肉疲労の回復を考慮するなら、タンパク質と炭水化物の摂取が重要かと」
教室。
**静止。**
女子
「え、賢」
男子
「急にできる男」
先生
「……正解」
侑
「仕事できる執事やん」
治
「有能」
角名。
少し考えて。
そして。
ぽつり。
角名
「……大耳さんには、もう少し野菜も必要かもしれません」
教室。
**静止。**
侑。
停止。
治。
停止。
女子
「え」
男子
「急に私情」
侑。
机叩いて爆笑。
「専属出たぁぁぁぁ!!!!」
治
「管理始まったwwwwww」
その時。
――ガラッ。
教室のドア。
全員。
振り向く。
そして。
**停止。**
ドアの前。
**大耳練。**
教室。
ざわっ。
侑
「来たwwwwww」
治
「タイミング神」
大耳。
プリント持ってる。
でも。
入った瞬間。
聞こえた。
> **『大耳さんには、もう少し野菜も必要かもしれません』**
沈黙。
数秒。
そして。
少し笑う。
「……俺、管理されとる?」
教室。
**大爆発。**
「っはwwwwwwwww」
「管理されてるwwwwww」
侑。
机叩いて崩壊。
「専属執事始まっとるやん!!!!」
治
「もう保護者やろ」
女子
「え、なにそれ甘!!!!」
男子
「大耳先輩、昼来るだけじゃないん!?」
角名。
**停止。**
(待って)
(聞かれた)
(よりによって今)
(管理)
(野菜)
(終わった)
でも。
今日。
**執事。**
逃げられない。
角名。
姿勢正す。
軽く一礼。
角名
「……健康管理も、お世話の一環ですので」
教室。
**静止。**
侑
「……………………」
治
「……………………」
女子
「え」
男子
「強」
数秒。
そして。
**爆発。**
侑
「ガチ執事ぃぃぃぃ!!!!!!」
治
「設定守りすぎやろwwwwww」
大耳。
少し止まる。
そして。
困った顔。
でも。
**ちょっと笑ってる。**
「……ほんまに専属みたいやな」
角名。
**脳停止。**
(専属)
(また言った)
(え)
(好き)
(むり)
その時。
先生。
完全に諦め顔。
「……大耳、プリント渡したら戻れ」
大耳
「あ、はい」
でも。
帰る前。
ふと。
角名の机の横。
止まる。
少しだけ。
屈む。
距離。
近い。
侑。
即ニヤァ。
治。
察し顔。
女子。
ざわっ。
大耳。
小声。
「……昼、待っとる」
角名。
**停止。**
(待っとる)
(待っとる????)
(え)
(供給)
(好き)
でも。
執事。
敬語。
崩せない。
角名。
耳真っ赤。
でも。
姿勢だけ完璧。
角名
「……承知いたしました。お待たせいたしません」
教室。
**崩壊。**
侑。
椅子から落下。
「昼の約束してる!!!!!!」
治
「もう固定イベントやん」
女子
「え、青春!!!!」
男子
「付き合ってないん!?!?!」
大耳。
少し笑って。
教室出る前。
ちらっ。
振り返る。
そして。
ぼそっと。
「……今日の、それ。ほんま好きやで」
教室。
**完全静止。**
――そして。
**昼休み。**
チャイム。
キーンコーンカーンコーン。
角名。
**完全停止。**
机。
突っ伏し。
理由。
今日。
供給。
多すぎ。
> **「今日、一日頼むわ」**
> **「頼もしいな」**
> **「……今日の、それ。ほんま好きやで」**
脳。
まだ。
処理中。
角名(心の中)
(好きって言った)
(“今日のそれ”)
(執事)
(え)
(好き)
(無理)
(しぬ)
後ろ。
侑。
超ニヤニヤ。
「なぁ~専属執事ぃ♡」
角名
「……なんでしょう」
侑。
机乗り出す。
「“好きやで”って言われてたやん♡」
治
「今日、過去一甘い」
侑
「もう付き合えやwwwwww」
角名。
死んだ目。
でも。
耳。
真っ赤。
角名
「……仕事に私情は挟みません」
教室。
**静止。**
侑
「っぶはwwwwww」
治
「執事続いとるwwwwww」
女子
「待って強wwwwww」
男子
「役入りすぎwwwwww」
その時。
――ガラッ。
教室。
**静止。**
ドアの前。
**大耳練。**
しかも。
今日は。
**紙袋付き。**
侑
「……………………」
治
「……………………」
女子
「え、また来た!?!?」
男子
「紙袋なに!?!?!」
大耳。
普通の顔。
でも。
真っ先に。
**角名見る。**
「角名」
角名。
停止。
(来た)
(ほんまに待っとった)
(紙袋???)
(え)
(好き)
大耳。
少し紙袋持ち上げる。
「朝、“野菜必要”言われたから」
教室。
静止。
大耳。
少し笑う。
「サラダ買っといた」
教室。
**大爆発。**
「「「えええええ!?!?!?」」」
侑。
椅子から転落。
「管理されに来とる!!!!!!」
治
「順応早すぎやろwwwwww」
女子
「え、なにその会話!!!!」
男子
「甘ぁ!!!!!!」
角名。
**脳停止。**
(買った)
(覚えてた)
(野菜)
(え)
(優しい)
(好き)
(しぬ)
でも。
今日。
**執事。**
逃げられない。
角名。
静かに立つ。
軽く一礼。
耳真っ赤。
でも。
完璧敬語。
角名
「……お気遣い、ありがとうございます。本日の健康管理、完璧でございます」
教室。
**崩壊。**
侑
「健康管理始まったwwwwww」
治
「もう夫婦やん」
その時。
大耳。
少し笑って。
ぽつり。
「……やっぱ今日の角名、好きやわ」
教室。
**世界停止。**
シーン。
誰も。
動かない。
侑。
停止。
治。
停止。
女子。
停止。
男子。
停止。
角名。
**脳、完全終了。**
(え)
(今)
(好き????)
(好きやわ????)
(待って)
(2回目)
(供給過多)
(むり)
顔。
一気に。
真っ赤。
耳まで。
首まで。
侑。
最初に復活。
「はぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」
治
「大耳さん今日強すぎるやろ」
女子
「え、好きって言った!?!?」
男子
「もう告白やん!!!!」
大耳。
少し困った顔。
でも。
**普通。**
「え?」
侑。
即ツッコミ。
「“好きやわ”言うた!!!!」
治
「しかも2回目」
大耳。
少し考えて。
そして。
ぽつり。
「……いや、ほんまやし」
教室。
**再爆発。**
「「「ええええええ!?!?!?」」」
侑。
椅子蹴飛ばす勢い。
「認めた!!!!!!」
治
「終わったな角名」
女子
「甘ぁぁぁぁ!!!!」
男子
「なんやこれ少女漫画か!?!?」
角名。
**脳、爆散。**
(ほんま)
(ほんまやし????)
(え)
(好き)
(無理)
(今日ほんま寿命)
でも。
今日。
**執事。**
敬語。
崩せない。
角名。
ゆっくり立つ。
姿勢正す。
でも。
声。
ちょっと震えてる。
角名
「……その、お言葉……非常に光栄です」
教室。
**静止。**
侑
「っっっぶはwwwwwwww」
治
「告白返しが執事wwwwww」
女子
「かわいwwwwww」
男子
「耳赤すぎやろwwwwww」
その時。
大耳。
少し笑う。
そして。
自然に。
**角名の前の席、座る。**
教室。
静止。
侑
「……………………」
治
「……………………」
女子
「え」
男子
「また!?!?!」
大耳。
紙袋。
机に置く。
「ほら」
少し笑う。
「昼、一緒に食お」
そして。
ぼそっと。
「……専属執事、今日も頼むわ」
教室。
**大爆発。**
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ニヤニヤがとまらなーい
第6話、読み終わりました!妹さんの執事コス提案からまさかの乗り気モード、そして大耳先輩の「かっこええな」「好きやわ」連発に角名くんの脳が完全停止する流れ、最高に楽しかったです。「専属執事」設定を崩さずに必死で敬語を保つ姿と、耳が真っ赤になるところがもう…尊い。大耳先輩が角名の一言でサラダ買ってくるところとか、「今日の、それ。ほんま好きやで」のタイミングとか、供給過多でこちらも嬉しくなりました。日常コメディと甘さのバランスが絶妙で、続きが気になります!