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3度目の正直

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3度目の正直

7 - 初めて感じたもの。

♥

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2023年01月09日

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よく晴れた平日



誰もいないこの空間で



ただ1人空を眺めていた。





そんな時、ふとノック音がした。



em「(こんな時間に‎…?)」



「はい?」



sho「やっほーemさん」



em「shoさん?どうしたんですか、こんな時間に。訓練中では?」



するとshoは後ろに隠していた左手を見せ、照れくさそうに言った。



sho「訓練で腕やってもうてさ、w」



「暇やからたまにはここに来るのもいいかなって。」



em「あぁ、なるほど。」



sho「それにしても、いいよなぁemさんは。」



em「何がです?」



sho「ずっとここにおるんやろ?訓練のこととか考えんでええし、怪我する心配もないやん。」



「功績のことで争うこともないしさ。」



まるで何もしていないemが羨ましい



という言い方だ。



こっちだって‎…



俺だって‎…‎…



em「俺だって‎…」



sho「ぇ‎…」



今まで自分の腹の底に溜め込んできた本音が



全て外に出る。



em「俺だってずっとここにいることなんか本望じゃない。みんなと一緒に訓練したいし、戦いにだって出たい。」



「shoさんはいいよね、戦いに出れず、なんの協力もできないことへの責任を感じなくてさ。」



「ずっと1人でここにいて、会話をすることも無くて」



「珍しく外に出たら後でまた呼ぶからって‎…‎…」



「俺がどんな思いでここにいたか‎…‎…!」



「‎…‎…‎…‎…‎…」



「すみません、私_」



暖かくて、やわらかい。



今まで感じたことの無い温もりが、私を包んだ。



em「sho、さん?」



sho「ごめん、emさん。俺、emさんのことなんにも考えてなかった。」



「訓練とかめんどくさくて、戦争は大変で、もう嫌だって思ったこともあったけど、」



「みんなと戦うことが楽しくて‎…」



「emさんが何をしてるのかとか、どんな気持ちなのかとか考えたことなかった。」



「本当にごめん。」



em「‎…‎…‎…‎…」



sho「ご飯の時いつもちょっと離れたところにいるのも、俺らと居ずらかったから?」



em「‎…‎…はい」



sho「じゃあ、次から俺の横な!」



em「え、?」



sho「ちゃんと仲間やろ?今更って思うかもしれへんけど、俺はそう思っとるで。」



em「sho、さん‎…‎…」



sho「何泣いてんねんww」





久しぶりに泣いたと思う。



はじめて温もりを知って



人肌を感じて



安心したような、悲しいような。



今なら思える。





信じてよかった。

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