テラーノベル
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コンビニの外。
悠真と女性は並んで立ち、夕暮れの光が二人を照らしていた。
「少しでいいから……話せない?」
女性は迷いのない声で切り出す。
咲は店内から距離をとったが、耳は勝手にその声を拾ってしまう。
「……もう一度、やり直したいの。私、本気で後悔してるの。今度こそ大事にするから」
悠真は短く息を吐き、低い声で答えた。
「悪いけど、無理だ。裏切られたことを、なかったことにはできない」
その言葉は冷たく鋭く、普段の悠真からは想像できないほどだった。
女性は唇を震わせ、「……ごめん」とだけ残して踵を返す。
角を曲がって姿が消えるまで、咲はただじっと立ち尽くしていた。
胸の奥がぎゅっと痛んで、息が苦しくなる。
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