テラーノベル
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夕暮れの道に、静けさが戻った。
元カノの姿が完全に消えたのを確認してから、悠真はふと振り返った。
そこで――咲と目が合った。
「……見てたのか」
驚きと苦さが混じった声。
「す、すみません……」
咲は慌てて頭を下げた。
見ちゃいけないと思っていたのに、体が動かなかったことを悔やむ。
悠真は小さくため息をつき、視線を逸らした。
「……送るよ。暗くなってきたし」
その言葉に胸が跳ねる。
横に並んで歩き出した瞬間、さっきまでの光景が頭から離れず、咲の鼓動はどんどん速くなっていった。
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