カズマは立った!ロストグラウンドに嵐吹く。向かい風と永遠に歌われる鎮魂歌は戦火の大地に蘇る雄々しい息吹と共に狂犬を鼓舞する!
「良いねえ……血が騒ぐぜ」
不良グループの一人が筋肉をカズマの前に立ち塞ぐ。瞬間、アルター使いは叫んだ!
「衝撃のファースト・ブリット」
顔が歪む。爆撃音が銃声を包む、HOLY!?
「カズマ、奴らだ!」
君島の声がする。車に戻るか、それとも……
「決まってるだろ、オイ!」
「所詮はネイティブ。まともな常識を知らずに育った社会の負け組」
「兄ちゃん。涼しい顔して勝ち組気取りかい、警察より偉いのか?」
凛々しい男はカズマの前髪を切り裂き人形のアルターを出現させた。その名は絶影、無表情の傀儡の化身。
「……」
カズマはのたうち回る、傷付き砂利を噛んだ。
「……くん!」
俺が負ける?正夢か、眠ィ。
「カズくん!」
「このロストグラウンドで朽ち果てるがいい」
俺は執念深いぜ。憶えてろよイケメン野郎……チッ。舌打ちが虚しく意識の中で消えてゆく。
「カズくん!起きて!」
「あ?」
ベッドは固く薄い毛布が埃の被った地面に落ちた。俺は寝癖を掻いた。隣のかなみがエプロン姿で顔を覗き込む。穏やかな何気ない朝の風景だった。
「仕事」
「ヤベェ、また寝坊した!弁当は!?」
「顔洗って歯磨き」
俺は上着に着替えて食パンを頬張りグローブを履いて一言吐き捨てた。
「今日も遅くなる、早く寝てろよ!」
「また残業?いい子で待ってる」
「カズマく〜ん!!」
軽自動車が玄関先に止まると同時に陽気な青年が俺の肩を組んだ。君島は上機嫌で車を走らせる。
「夢?ケンカ王にでもなったか」
「思い出せねェ。俺の武器はただ一つ……シェルブリットで掴んでみせる、勝利も。あいつの笑顔も」
君島は何も言わなかった。仕事場に着いた。凄惨な現場は不良グループのずさんな光景を物語っていた。俺は握り拳で能力を才華させた。
「始まるぜ、バトル・ファイトがよ」
差詰stray dog……刻んでやる。
「俺の名はカズマ。アルターの血に飢えた性分だ!稼ぐぜバイト代!!」
君島は笑ってペダルのアクセルを踏む。
「あいつ珍しくゴキゲンだな、仕事は何事も早く正しく美しく!ってね」
ここはロストグラウンド。神奈川県は異名となり風化されてゆく運命……男は戦う、全ては愛に生きる為!!
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