───────Iれいまり視点──────
ゼンが100歳を迎え、私の正式な従者にしてから生活に変化が起きた。
まず、戦いの申し込みが激増した。そりゃ最初から本人に挑むことができ、なおかつ私はゼンのおかげで決闘ランクがゴールドを超えてプラチナである。自己顕示欲が強い悪魔にとって、プラチナを倒せば、一気にプラチナになれるチャンス。決死の覚悟で挑んでくるものも多くない。そして、ゴールドからプラチナに上がるためにも戦いを挑もうとするものがいる。そりゃ最近まで奴隷に戦わせ、自身の手を下さなかった悪魔の相手だ。油断するのも無理はない。
ま、そういう血気盛んな若いヤツらは死ぬのがちょうどいい。強いやつを奴隷にと思ったが、あっさり死ぬ奴が多すぎて、奴隷にする前に死んでしまう。頑丈なやつなんてそうそういないもんだな、とか思いつつも日々戦闘と知識に時間を費やし、夜はゼンに作らせたご飯を食べてぐっすりと眠る。なかなかに良い生活を送っていた。
それ以降、新たに会うめめ村メンバーに会うことはなかった。いや、本来の物語ならゼンにもめめさんにも会うことなんてなかった。ましてや知識を集めることなんて、戦闘をすることなんてないはずだった。こんな、優秀な方で有名な悪魔になるなんて思いもしなかった。これがいい方向にはたらくかなんて分からない。けど、もう十分なほど知識を集めた。もう死んだって構わないかもしれないな、なんて思いつつも隣を見る。
むにゃむにゃと幸せそうに眠るゼン。従者のくせにいいベッドを使って私の隣のベッドで眠っている。小柄な体には合わない大きなパジャマを着て、大きなベッドをひとりで満喫している。
贅沢なヤツめ、なんて思いつつもそのクマ耳をわしゃわしゃしてやってから眠りについた。
「───ここに、100年の時を生きた悪魔を祝福する。君たちには決闘ランクに応じて階級と特権を与える。最初にブロンズのものから。」
私───Iれいまりは100歳を迎えた。簡単な祝福の言葉を受けた後、100歳を迎えた栄誉を受け取るためにこの式典に参加したわけだ。今年100歳を迎えたものは意外にも多く数千体は超えていた。魔界は案外広いものだな、なんて思いつつ表彰を見ていると、思いのほかブロンズのものが多かった。決闘を0回〜20回勝つと得られる称号。たしかに、誰かに挑まれない限り決闘なんてしなくてもいいのだ。決闘さえしなければ命の危険はない。たしかにそうすればこの人数が生き残るのも納得である。ほとんどの悪魔がブロンズらしく、少しばかりの特権を受け取り、そして性質に基づいた能力を受け取れる。
けれど、決闘しなかったためか、聞こえる限りあまりいい能力を貰っていなかった。その時、ブロンズランクに見慣れた姿を見た。白髪に薄い紫色の髪をツインテールにまとめ、紫色のローブに、魔女のような帽子を被った一見少女のような女の子。
彼女が表彰される時、先程までなかった紹介が差し込まれた。
「彼女は決闘を1度もしなかった。けれど、彼女は魔法使いとして戦場に赴き、勝利に導いてきた。それを称し、彼女をプラチナと同等の特権と階級を与える。」
───レイラーさんだ。一目見てわかった。それほどまでに印象に残る瞳がこちらを───いや、未来を見据えているかのように見ていた。
そんなことってありかよ、という声は聞こえることはない。何故ならば皆他者に興味がないからだ。ただ、羨望の目や憎々しげに見つめるものも一定数いるのも事実。まあ、実力主義の世界に、目の前で階級差が出てしまったのならば公衆の面前で抗議なんて馬鹿なことはしなかった。
次々にシルバー、ゴールドが表彰されていく。得ていく能力も段々強力なものになり、明らかな実力差が生まれつつあった。
そして、最後。プラチナ。なんと、今回は2人しかいないらしくその栄誉は山分けとなった。
プラチナは豪華な演出もあるらしく、レイラーさん以来の紹介が入る。私からなようで私は翼を軽く広げ、表彰台へと向かう。
「彼は生まれて数年で20年も年の差があるものを奴隷とし、普段は自身の欲を満たすために図書館に通い、歴史、魔法、物語───様々な本を読み、最も賢い100歳だろう。そして、決闘は奴隷が勝った回数を含め2万勝。その驚異的なまでの数字は今まで2位の多さだ。その栄光とプラチナランクを称え、ここに上位悪魔と最上位の位を授ける。」
「ありがたき賞賛。感謝致します。また、私に能力をお授けください。」
私が膝まづき、表彰を行っている悪魔にそう媚びる。正直もう帰りたいのでさっさと終わらせたかった。内心舌打ちをしつつも私は能力を授かる。
「魔界よ、100年生きたこの悪魔に見合う能力と性質を授けよ。」
その瞬間、真下に魔法陣が現れ強い光が一瞬全体を包む。その時、何かが心臓に───いや、魂に刻まれたような気がした。
「この悪魔に───の能力をさずける。」
「───へ?」
ここで切ります!頭痛い!書くのきつい!寝ます!おやすみ!
おつはる!






