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──────Iれいまり視点──────
「この悪魔に『盤上掌握』の能力をさずける。」
「───へ?」
盤上掌握?───聞いたことがない能力だ。たしか本編では『れいまりマジック』という私が椎名の時に授かった能力名と同じのはずだ。
いや、それもそうかと思い直す。そりゃ本編の私とはほぼ真逆の行動をしていたのだ。授かる能力は今までの人生を反映させたもの。知識は意識して集めたし、決闘は不本意だか大量にした。そりゃ運命が変わるのも納得である。だが、聞いたこともない能力だと今までの計画が崩れて…いや、このルートで十分にデータは既にとったしもう、遊ぶか。なんて思いつつもその能力を授かる。
「そして、能力の他にその生において1番適した悪魔の名を授ける。」
目の前の悪魔が詠唱し始める。私の人生を魔法陣越しに覗く。私の性質を見て、私に〇〇の悪魔という名を授ける。と、言うか性質を決めてから能力を決めるものでは?あれ?そんな疑問を抱きつつも、詠唱していた悪魔の声が私の耳に届き、はっと目の前を見る。
「お前の名を『天才の悪魔』とする。」
「っ!?」
『天才』、とこの世界は私のことをそう思うらしい。この、何百、何千、何万年のときを生きて、必死に人外に食らいついて、知識を集めて、ハッピーエンドを求めて努力し続けた私をこの世界は、こいつは天才と表すらしい。なぜだか、私の努力を否定されたような気持ちになり、勝手に腹の底が煮えたぎるような怒りを覚えた。
しかし、そんなことを表情に出すほど私は愚かではなくなった。嬉しそうに笑い、少しばかり涙を流して、その名前を冠せたことを喜ぶ。
周りの悪魔は淡々と機械のような拍手をして心にない賞賛を送ってくる。もう少し嘘を取り繕う練習くらいしろよ、と悪態をつきつつも私は100歳を迎えた。
「椎名!おかえりなさい!!」
式が終わった瞬間ゼンが私に飛び込んでくる。どうやらこのクソ長い時間、外で待っててくれたらしい。式典中は何も感じなかったがいつの間にか私の体温は冷えていたらしく、ゼンの体温の温かさに心地よく感じていた。
「っただいま!聞いてくださいよ!ゼン!あの馬鹿野郎私が天才の悪魔だなんて名を冠しやがったんですよ!!」
「えぇ!?あ、あんなに頑張ってたのに天才の一言で片付けられちゃったんですか!?」
「そうなんですよ!!悔しい〜!!」
「世界も見る目がないですね!全く!」
私がゼンに愚痴を零しながら自身の家に帰ろうとすると、誰かに呼び止められる。
「───まって。」
「…何の用ですか。魔女の悪魔さん。」
「あら、私の名を呼んでくれるなんて。光栄です。天才の悪魔さん。」
なんと、呼び止めてきたのは先程の式典で私と同じプラチナに成り上がったレイラーさんであった。礼儀に従い、悪魔の名で呼ぶが、正直もう帰りたい、という気持ちの方が大きかった。
だが、レイラーさんはそうではないらしく、少しばかり改まって話を続ける。
「えと…。この世代でお互いプラチナになれた同士なわけだし、仲良くしたくて…。えと、そちらの悪魔さんも一緒にご飯を食べに行きたいな、なんて…。」
そこでレイラーさんの設定を思い出す。そういえばこの子、天涯孤独で唯一自分を認めてくれためめさんに心酔してる人だった、なんて思う。多分、友達が欲しいんだろうな、なんて思いつつもちらりとゼンに目を向ける。目をきらきらとさせ、ヨダレを少しばかり口元から溢れさせ、満面の笑みを浮かべている。
ダ メ だ こ れ
「あー…ゼン、行きますか?」
「え、い、いや!!ぽ、ぽれはどっちでもいいですけどねぇ!?で、でも椎名が行きたいならぽれはついて行きますよ!!」
「…ヨダレ拭いて…。えー魔女の悪魔さん、ぜひ行かせてください。」
「!えぇ!ぜひ!私、お金は沢山持ってるので奢りますよ!」
「私もお金もってるので奢る奢られるはどっちでもいいんですけど…。まあ、良い機会ってことで」
結局、ご飯を食べに行くことになった。レイラーさんは誘ったはいいものの、料理店についてあまり知らないらしく、ゼンのおすすめの店に行くことになった。
「えへへ〜!ここのお肉美味しいんですよ!なんと!人肉がつかわれてるんです!」
「高級、なんですかね?」
「そりゃぁもう!人間は食肉として美食家の中では最も有名ですよ!」
レイラーさんの疑問に対して、ゼンは意気揚々と答える。どうやら、このお店は様々な種類のお肉を取り揃えたお店らしい。焼肉、みたいなものだろうか?と勝手に解釈しつつも、私は人肉を食べるために一言添えておく。
「…人間って私たちに見た目似てるから食べるのあんまり好きじゃないですよねぇ。」
「ええ!?もったいない!とんでもなく美味しいんですよ!…椎名に食べて欲しかったのに…。」
そんな悲しげな目で見るな!っとツッコミを入れることもできずに、こればかりは譲れないため、私は牛肉を頼むことにする。
「…うーん、なら、私が人肉食べてみます!あと、オークのお肉も!」
「ぽれはねー!これと、これとこれとこれとこれと…あ、これも!あと、これと〜!」
「沢山食べますねー!いいですね!食欲があるのはいいことです!」
ゼンの相変わらず容赦のない注文料に若干引いていると、レイラーさんはそれを良いものとしているらしく、太鼓判のように持ち上げる。調子に乗ったゼンが私たちの10倍の量を食べた時はさすがに止めた。
ここで切ります!時間ギリギリ!
おつはる!
コメント
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人肉はあちら側はウマインダロウナ 焼肉行きたくなった