テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第1章
ESTPは止まらない
ESTPは走る。
理由はない。ただ、止まると不安になるから。
朝の廊下を早足で抜け、誰よりも先に教室に入る。
「おはよー!」
声は自然に出る。
笑顔も、勝手に顔に貼りつく。
誰かが笑う。
それを見て、少し安心する。
――大丈夫。今日も、ちゃんと回ってる。
ESTP-Aは、自分が“回す側”だと信じている。
場を。空気を。人を。
でも、黒板の前の席に座った瞬間、
胸の奥で小さく、鈍い音がした。
理由は分からない。
不安?違う。
怖い?違う。
悲しい?……それも違う。
「なんだ今の」
ESTPは首を振る。
考えるのは得意じゃない。
行動すれば、だいたい全部どうにかなる。
――なるはずだった。
次回に続く
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!