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透 明 人 間 は 好 き な 人
ヂリリ…ヂリリ…
うるさい
「モゾッ…」
無情に流れる時計の音
太陽が私と目を合わせるかのように
カーテンに日光が射し込む
mom「あんり~、そろそろ起きないと準備とか間に合わないよ~?」
杏璃「んぅッ…○o。.…」
母の声が1階から聞こえる
いつも通りの時間に
母は私を呼び掛ける
杏璃「…サクッ……」
母が作る朝のトースト
ウインナーが混ざったスクランブルエッグは
私の好物だ
mom「あんり、今日ママ仕事遅くなるから」
mom「パパも帰り遅かったら、3000円置いとくから何か食べておいでニコ」
杏璃「…ん、行ってらっしゃい…wフリフリ…」
mom「ん!ママ今日も頑張ってきます!」
笑顔をこちらに向けて
優しく微笑んだあと
玄関のドアが閉じると同時に消えた
杏璃「…ピッ、」
news caster『えー、続いてのニュースです』
news caster『先日、男子高校生が行方意不明になった事件からで~~~~~…』
その報道と同時に
とある青年の笑った顔写真が
テレビに映された
杏璃「……紗久…ボソッ…」
1人のリビングに
小さな声でテレビに映る青年の名前を言う
何故なら私は知っているから
彼の名前だけじゃない
好きなことや嫌いなこと
変な物知りなとこや
趣味に没頭しやすいとこ
知ってる
きっと誰よりも知ってる
杏璃「……ポタポタッ…」
杏璃「…ぁ…また泣いちゃったッ…w」
杏璃「最近ずっとこうなんだよねぇ”…」
杏璃「紗久が消えちゃってからずぅッとさぁ”ッ…ポタッ…」
自分の声が震えるのがわかる
飲んでいたお茶に
一雫落ちる
杏璃「…泣いてちゃダメッ…グシッ…!」
杏璃「きっと紗久の方がずっとずっと泣きたいはずだしッ…!」
朝から目元を赤くして
涙を無理やり止めようと
子供のように唇を噛む
杏璃「…必ず私ッ…会う方法を見つけるからッ……」
理由なんていらない
そんなことを言われたら
理由なんて多すぎて
言葉が詰まりそうになってしまうから
でもひとつの言葉で言うのなら
sho「”“アンリッ…俺が見えんくなってもッ…カタカタッ…”“」
杏璃「”“嫌ッ…嫌ぁ”ッ!”“」
sho「”“俺を探し出してやッ…ヘラッw”“」
私が彼を好きになってしまったから
杏璃「…私は見つけるよッ…好きな人だもん!wポタポタッ…」
あの日私が見た
月明かりに照らされた海と
消えていく彼の姿
そして
彼のその震えていた手を
握るために…
next▶︎♡10
恋愛って難しいですね…