『イーストンに、?私が?』
彼女は心底驚いたような顔をしてウォールバーグに尋ねる
その言葉にウォールバーグは頷く
ウォールバーグ「そうじゃ、○○は神覚者になれる実力を持っておきながらずっとこの魔法局にいる」
ウォールバーグ「じゃが、その実力はまだまだ成長出来る段階じゃ」
ウォールバーグ「そこで、イーストンで魔法の勉強をせんか?」
ウォールバーグ「イーストンなら充実した環境で勉強可能じゃし、”神の子”のお主なら、神覚者よりも強くなれるのじゃ」
ウォールバーグ「ついでに神覚者にでもなれば良かろう」
ウォールバーグ「どうじゃ?提案、受けてみんか?」
彼女は少し悩む素振りを見せたあと、何かを決めたかのようにウォールバーグの目を見る
『受けます。イーストン編入試験』
その言葉を聞き、ウォールバーグは微笑み、ライオは口角を上げ指を鳴らす
ライオ「流石○○だ。実に男前だな!」
ウォールバーグ「フォッフォッフォ、なら推薦で入れるとするかの」
ウォールバーグは魔法である書類を手元に出したあと、ペンで何かを書き始める
それはイーストン魔法学校推薦編入試験合格のサインだった
『推薦….、!?いやいや、普通に受けますから…!!』
『というかそんなに実力無いですし….!!』
彼女は焦ったようにウォールバーグを止めようとする
ウォールバーグ「○○は推薦で編入出来るほどの実力がある」
ウォールバーグ「儂が認めとるのじゃ」
ライオ「勿論、魔法界時期No.1のこの俺も認めてるぞ」
ライオ「だから素直に推薦を受けろ」
魔法界のNo.1とNo.2に言われて彼女の焦りは収まる
その様子を見て、彼らは肯定したとみなしサインを書き進める
『(……イーストンに行けば、私も神覚者に……)』
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○○ side
後日
私は一般編入試験を合格した者たちと合流し、イーストンの校舎に入る
周りがざわめいているけど気にしない
「な、なぁ….あの子って、推薦で編入してきた子じゃね…?」(コソッ
「だよな!?推薦編入なんて、設立してから初らしいぞ!」
「バカッッ、お前声デカい…ッッ」(コソッ
「あの子可愛い〜」
「二重で髪も綺麗…..同じ女子として羨ましい…..」
「麗しい…….」
どこもかしこも私の話ばかり
超気持ちい
一生分の承認欲求が満たされる勢い
「ねぇ、あの子神覚者様方の元で働いているっていう子じゃない…..?」(コソッ
聞こえてますよ〜
正確には手伝いですけどね
「え?…..あ、本当だ。ウザイわよねぇ〜、自分が特別だって思ってる人は特に」(コソッ
「いくらライオ様からの推薦でもムカつくわ〜」(コソッ
…….いやお前らがムカつくわ
何?陰口大好きさんですか?
コソコソ喋ってさぁ
せめてライオさんとか、レナトスさんくらいには声でかく喋れよ(
先生「静粛に!!」
そう先生の声が聞こえるとざわめいていた人たちが静かになる
先生「今から新入生は寮分けを行います」
先生「このユニコーンの角に触れると諸君の魔力から思考・思想を読み取り、適した寮を選んでくれます」
ユニコーンは骨で出来ていて、とても不気味
先生「それではイガルト・ヴァンサム」
「はい」
彼は前に出て、ユニコーンの角を掴んだ
ユニコーン「ふむふむ、君は勤勉且つそれに相応した知性を有している」
ユニコーン「適している寮はそうじゃのう……….オルカ寮じゃ」
「やったー!!」
へぇ、そんな感じで決まるんだ……
先生「次、アルベン・スミス」
「はい」
それからユニコーンはドンドンと新入生達を寮分けしていった
先生「次、マッシュ・バーンデッド」
「はい」
マッシュと呼ばれた彼が角を握ると、即答していたユニコーンの言葉が詰まった
『(……?何か問題があったのかな…?)』
すると角からミシィッと鳴ってはいけない音が聞こえてきた
マッシュ「あっ、力の加減が…..すみません」
ユニコーン「ひぇッッ」
『(…..というかあの人から魔力が感じられない…….)』
『(周りの人は魔力が少し感じられるけど、あの人の魔力が一切ない)』
『(もしかして、魔法不全者……?)』
『(だとしたらあのアザは何?)』
『(どういうこと?)』
マッシュと呼ばれた少年について考えていると、名前が呼ばれた気がした
「つ、次○○・ユピテル」
『はい』
気を取り直したユニコーンの角を握ると、少し驚いたような顔をされた
ユニコーン「(なんと……!! この歳でこの魔力量……!?)」
ユニコーン「(しかもあの雷神ゼウス様の子孫……!?)」
ユニコーン「(レアンには十分過ぎる資質を持っているのじゃが……この子には神覚者になるという強い信念を持っておる)」
ユニコーン「(うーむ…..どちらにするかのぉ….)」
ユニコーン「そうじゃのお……」
ユニコーン「お主には神覚者になるという強い信念を持っているようじゃが、それに勝る血筋と圧倒的魔力量がある」
ユニコーン「お主に適した寮はレアンじゃ!!」
レアン寮か……..
オーターさんと同じ寮で嬉しいけど、レインさんと別寮か……..
まぁいいや
私は角から手を離し、ユニコーンの側を離れた
先生「次、シエル・マーレイ」
「はい」
コメント
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おー!すごい描くの上手!! 続き楽しみー!