テラーノベル
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そうこうしているうちに待合ロビーでだいぶ時間を潰してしまったようで、猿が時計を見てあ、と声をあげた。
「もう2時だってさ。早く行かなきゃまずいんじゃないの。」
「そうなの?」
「合流する予定の人たちの中にマヂのサイコパスがいて。気分を害したら何してくるかわかんなくて怖いんだよね。」
「ひえ…。」
こわっ、え?何してくるって、具体的に何 !?
「勘違いするな。お前らが悪いから向こうがキレるんだろ。」
「そうだけど、あの人いっつもやりすぎなのよ。」
合流する人”たち”ってことは、これから合流するのは一人じゃないってことか?
一体どういう目的なんだよ..。深く気にしないようにしてたけど、「荷物全部捨てる」時点でおかしいな。
「猿センセー。いつんなったら全部教えてくれんの。もう結構気になってきてるんだけど。」
「それは、ついてからのお・た・の・し・み♡」
「うわぁ。」
熊がその様子を横から見てあからさまに嫌悪感丸出しの顔をしている。猿と熊の間には人一人分の間が空いている。
「在原、お前こんなのから教わってたんだな。大丈夫か?色々と。」
「熊~~~~?どういう意味かな~~~~?」
熊は鼻で笑うと早足に歩き出した。猿も、熊も歩くのが早くて在原は息を切らしながら小走りでついていく。
「待って早い。」
「お前が遅い。」
在原の主張は熊に即一刀両断され、2人は歩くスピードを緩めない。鬼だ。俺熊嫌いかも。
「もうちょっとだからさ〜、ファイト〜。」
猿がお情け程度の気遣いをしてくれる。
在原がふと、辺りを見回してみるとそこには美しく、日本とは違うマレーシアの文化が──とはならず、薄暗く、日本にもありそうな治安の悪い路地裏のようだった。
「何ここ。こわっ。」
「怖くないでしょ。ビビリなの?」
「ビビリじゃねぇ!!
「もうちょっと歩いたら開けたところに出るからさ〜。我慢しなよビビリさん。」
「ビビリじゃねぇって!!」
猿の言う通り、少し歩くと開けた場所に出た。
その真正面に広がっていたのは、以前猿に写真で見せてもらった豪邸だった。
急にマレーシアっぽい!!
「うおお急にマレーシアっぽい!!」
すると猿がツカツカと歩いて行って扉をノックする。そしてこちらを見て得意げに笑った。
「招待しよう。これが俺らのアジト。」
ノックをしてから一瞬の沈黙があり、それからガチャ、と音を立てて扉が開いた。中からまた知らない男が出てくる。
「遅い。」
いかにも不機嫌な顔の男で、眉間にしわを作ってこちらを睨んでいる。
「ごめんごめ~ん。熊が余計な事ばっかしててさ~。」
「その言葉そっくりそのままお前に返すぜ。」
二人がへらへらと笑ってやり取りする様を男はさらに眉間の皺を深めてゴミを見るような目で見下ろした。
怖い、気付いて、この人めっちゃ機嫌悪いよ。
男は長いため息をついてから、扉を大きく開けて、入るように促した。
「さっさと入れ。よかったな、アイツは怒ってない、命拾いしたと思え。」
それを聞いた猿は肩の力を抜いて、短く息をついて言う。
「あぶね~~~~~…。」
熊が鼻で笑って「あの人は遅刻ごときで怒んないだろ。」と呟いた。
豪邸の中に入ってすぐのところにリビングらしき広い部屋があった。
真ん中にローテーブル。そしてその周りを囲むように設置されたソファがあり、そのソファに6人ほどのゴツい男が座っており、こちらに振り向いた。
見ると、みんな体格はでかいものの、温厚そうな顔をしていた。
あの人って誰!?みんな優しそうじゃん!!
不機嫌な男がこちらを見て「挨拶しろ。」と言う。
猿と熊は頭を下げて、真ん中の一番、なんというか、─オーラがある偉そうな男に言った。
#SF
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スコスコップ
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「…サーセン。ちょっとォ、遅れましたァ…。」
たじろぎながら、あまり感情のこもっていない声で言う。
するとその偉そうな男の横に立つ、変なサングラスをかけた男が言った。
「も~、遅すぎて捕まっちゃったのかと思ったね。」
異様にこの場に似つかわしくない明るい声色で言った。
サングラスの横に立っている偉そうな、眼帯の男が言う。
「社会人何年目だ?タイムマネジメントくらい習わなかったか?」
熊はその眼帯の男の言葉にこめかみを痙攣させながらひたすら「すいません」と謝っている。
するとようやく真ん中のボスらしき男が動いた。
「いいよ、全然。誰でも遅れることくらいあるよねぇ。」
不機嫌な男が眉間を押さえながら「…甘すぎる」と呟いた。
コメント
1件
うわ、やっとアジト着いたと思ったらめっちゃ緊張感ヤバかったですね…!待合ロビーとのギャップがすごい。「荷物全部捨てる」段階でもうおかしいって在原くんも気づいてるし、私もドキドキしながら読みました。最後のボスっぽい人が意外と温厚で拍子抜けしたけど、側の不機嫌な人が「甘すぎる」って言うの、逆に闇深いよ…!次回が気になって仕方ない🥀