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続きが楽しみです
第3話
離れに戻り……
机が大きな音を立てて揺れる
音翔「あんの屑政府が!!」
こん「琴葉様!?どうかなさいましたか?」
音翔「嫌、何でもない。ただ…信頼出来るやつを3日後までに1振りはつくらなくちゃいけなくなっただけだ。」
こん「どういう事で御座いましょう?」
音翔「まさか何も聞いてないのか?」
こん「はい……」
音翔「あんの糞政府がぁー!私のこんになにしてんのや!!ざけんな!!」
こん「申し訳ございません。ブラック本丸の管狐ということで政府から嫌われていますので。」
音翔「こんは関係ないよ。大丈夫、これからはちゃんと守るからな!」
こん「!…ありがとうございます!!」
音翔「私らもそろそろ昼にしよっか。」
こん「はい!」
音翔「残ってる食材を考えると…野菜炒めでもいいか?」
こん「好き嫌いは御座いません!それに、琴葉様の料理は美味しいので。」
音翔「そりゃどうも。」
お昼ご飯が終わり……
こん「それでは本丸の様子を見てきます。」
音翔「あ、ちょっとまて。」
こん「どういたしましたか?」
音翔「念の為に…(~~~御身へ注ぐは我が思い。この者に神々の御加護があらんことを)」
こん「これは!?」
音翔「刀剣にはバレないようにしてある。唯の御加護だ。」
こん「ありがとうございます!それでは行って参ります。」
音翔「行ってらっしゃい。」
十数分後……
音翔「(多分昼も食べ終わったか?よし行くか)」
中庭にて
音翔「(それにしても、部屋を開けて待っていろと言ったからか随分と静かだな。)」
こん「琴葉様!!」
音翔「あ、こん。」
こん「昼餉が終わり待機しているそうです。三日月宗近が申しておりました。」
音翔「あいよ。じゃあこんは縁側に居て。」
こん「かしこまりました!」
こんが縁側に行く
音翔「じゃあ……始めよう。」
音翔「世界を司る神々よ。最高神は世界を創造する者なり。小さき風の精霊達よ、春を告げる妖精よ。御身に注ぐは我が想い。我が名において御加護を授からんとす。此処に住まう者達に自由と永遠の祝福を。」
音翔が唱えると幹が2つに裂けていた木が元通りになり、桜の花を咲かせ、何処からか現れた風に乗って花びらが飛び始めた。
音翔は霊力で風を操り、飛んでいった花びらは各部屋に行き、触れた部屋の床や壁等を綺麗にしていく。
勿論刀剣達の部屋も例外ではない…
とある部屋には綺麗に並べられた数本の刀と1振りの白い鶴が居た。その1振りは重症で両足と片目、片腕が使えなくなっていた。そして、それ以外は人の姿が見当たらない。置かれている刀も2つに折れている。その部屋にもいくつかの花弁が舞い降りた。
鶴丸「な、んだ…これ……さくら、か?」
その花弁は壁、床、そして刀に触れた。
刀に触れると、折れたはずの刀がいつの間にか元通りになり、傷1つない綺麗な姿で刀剣達が現れた。刀剣達は眠っているようだ。
鶴丸国永は自身の横に落ちた花弁に触れてみる。
鶴丸「!?……なんだこの霊力は。こんな小さい花弁に、こんな量の霊力が含まれて居るとはな…そして……暖かい…な」
みるみると傷は治っていき、両足も治り、完治した。
全てが終わると、部屋に舞い降りた桜は、此処に用はないとでも言うかのように中庭に戻って行った……
鶴丸「こりゃあ驚いた。後で返さないとな。」
まだ目の覚めぬ仲間の隣で、鶴は呑気に笑った。
中庭にて
音翔「よし、これくらいか。」
こん「琴葉様!あんな膨大な霊力を使っては元も子もございません!!今すぐ休んで下さい!」
音翔「大丈夫大丈夫。問題は無いよ〜私には神の御加護があるからね〜w」
こん「それでも!!です。」
音翔「あ〜はいはい…って押さないで!分かった!離れで今から休むから…」
こん「それなら宜しいのです。」
離れにて
音翔「こん〜」
こん「何でしょうか?」
音翔「1つ疑問何だけどさ〜ここの刀剣達って病んでたりする訳でもないしさ。人に対して完璧に恨みを持ってる訳でも無いのよ。」
こん「そうでしょうか?」
音翔「うん。多分だけど前審神者達が無能すぎて自分の事は自分でできるようになったとかそんな感じかな〜って」
こん「言われてみると、確かにこの本丸の者達は全員、人を恨むだけでなく哀れんでいるという感情がございます。」
音翔「最初に会った時は殺す気で居たんだろうけど、私がこんなんだからさ〜どうすれば良いか分からないんだろうね。」
こん「と言うか早く休憩して下さい。」
音翔「え〜書類が。」
こん「寝ないと手伝いません。」
音翔「お休み〜。」
こん「お休みなさい。」
こん「(…あと3日、ですか……それにしても何故此処の審神者を引き受けたのでしょうか?夕方になったら一旦起こすついでに聞きましょうか。)」
第3話~完~