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緑茶は飲めないが紅茶は飲める
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僕は間違ってたんだよ。わかってる。あの日は人生で最悪の日だったんだ。
きみにとってもそうであってほしい。そう思う僕を蹴飛ばしてくれよ。だって、これ以上はないから。許してくれ。
「風見刑事!もう…!」
大雨の中、撃たれた刑事を抱き締めている風見は誰から何を言われてもそこから動かない。泣き叫んで、その長く濡れて垂れている髪に顔を半分埋めたまま。
「…ゼロ…」
「…出してくれ」
バンが風見の泣き声を通りすぎると、全員が俯いた。
そうやって、何が正解かなんてわからない判断は僕が全部背負う。肩に世界を、背中に命を背負って、僕は毎日デスクから誰かに死ねと言うんだ。
僕は間違ってたんだよ。わかってる。僕は自分をかいかぶってたんだ、傲ってたんだよ。あの日は人生で最悪の日だったんだ。
見えたんだ。彼女の玩具みたいにぶら下がる左手に、ダイヤの指輪が。
きみにあげたことはなかったし、僕もするつもりなんてなかったさ。
ずっと身ひとつでいるんだと変な覚悟とプライドで、でも僕らは出会ったろ?
神様は賢明だと思うよ。だってきみと出会ったのは運命なんだ。僕らはまだ生きているし、何度でもやり直せるだろ?ごめん。気分悪くしたら謝るから。電話にでてくれよ。
だけど僕は弱い男だ。今だってきみに許してくれとしか言えないし、もう1度チャンスをくれないかな?としか言葉がでないから……。
覚えてないんだよ。本当にあの日のことだけ落とし穴に入っちゃったみたいにさ。飲み過ぎたんだ。気づいたらきみじゃない匂いが指からしただけ。ただそれだけだから……本当に。
わかってる。誠実な男でも頭のいい男じゃなかったって言いたいんだろ。いいんだ、気が済むまで罵ってくれ。
だって許してくれとしか言えないし、もう1度チャンスをくれないかな?としか言葉がでないから……。
そう…それがあなたの最善の答えってわけ……。
それ以外、なにかあるわけ?